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遊月の読書日記

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遊月が読んだ本の感想、書評、それに基づくエッセイなど
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記事一覧

【今日読んだ本】鹿男あをによし(万城目学著)

【今日読んだ本】鹿男あをによし(万城目学著)


ストーリー

2学期限定の臨時教師として奈良女学館にやって来た小川。ほんの少し神経衰弱気味の彼は、ある朝、気分転換に散歩に出た奈良公園で“鹿”に話しかけられるが――!?
(Amazonのサイト内本の概要より)

書き出し

きみは神経衰弱だから。
焼魚の背骨を除きながら、教授は言った。
どういうことです? とおれが訊いても、教授はそういうことだよとやけに素っ気ない。
「ずっと研究室に籠ってばかり

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【今日読んだ本】私が語りはじめた彼は(三浦しをん著)

【今日読んだ本】私が語りはじめた彼は(三浦しをん著)


ストーリー

私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。

書き出し

二千年以上

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地球の反対側から届いたメッセージ

地球の反対側から届いたメッセージ

今までの人生の中で、誰にも証明できないけれど、体験してしまった不思議なことがたくさんあります。

その体験をしたのは、21世紀になったばかりの、2001年のことでした。

幼い頃から不思議な世界にいたけれど、人に話すと気持ち悪がられるため、封印してきたその手の話を、自分のホームページ(1998年2月開設)で発表すると決意表明したのが2001年9月11日の朝。

偶然なのか必然なのか、その夜に、あの

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【今日読んだ本】舟を編む(三浦しをん著)

【今日読んだ本】舟を編む(三浦しをん著)

読書記録として。

ストーリー

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。
(Amazonのサイト内本の概要より)

Amazon.c

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【今日読んだ本】同志少女よ,敵を撃て(逢坂冬馬著)

【今日読んだ本】同志少女よ,敵を撃て(逢坂冬馬著)

読書記録として。

ストーリー

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。
急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。
自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。

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【今日読んだ本】火喰鳥を、喰う (原浩著)

【今日読んだ本】火喰鳥を、喰う (原浩著)

読書記録として。

ストーリー

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。
ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。
久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。
そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。

(Amaz

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【今日読んだ本】こうふくあかの(西加奈子著)

【今日読んだ本】こうふくあかの(西加奈子著)

読書記録として。

ストーリー

結婚して十二年、三十九歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日他の男の子どもを宿す話。
二〇三五年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。

二つの話が響き合う。
(Amazonのサイト内本の概要より)

書き出し

ある日、妻に、「妊娠した」と告げられた。
俺は、腰を抜かすほど驚いた。いいや、「ほど」ではない。俺は実際、床

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愛読書で自己紹介(ネコと王子と海賊と)

愛読書で自己紹介(ネコと王子と海賊と)

#愛読書で自己紹介
を見かけたので私も挑戦します。
ちなみに写真は、絵画の中で一番好きなモチーフの最後の晩餐(小樽のニトリステンドグラス美術館より)

山根あきら|妄想哲学者🙄さんが「noterはみな、読書家なんだと思う」と書かれているのを見て、読書が人生最大の趣味なのでちょっと嬉しい。

短大の講義中に教授が唐突に言いました。
「俺の同級生に渡辺淳一がいた。そして時任純子は本当にきれいだった」

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好きになった本

好きになった本

自分がはじめて書いた物語を思い出したついでに、自分が読んできた本を、備忘録代わりに書きます。

プロフィールでも書きましたが、

物心ついた時には、自宅に、童話の全集がありました。
童話だけではなく、日本の文学全集や百科事典系は二種類ありました。
幼い頃にインターネット環境はなかったけれど、その代わり、辞書や辞典で調べることはできました。
これはとてもしあわせな環境だったと思っています。

なので

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