「光る君へ」ファンミーティング(1):「わたし」のための物語
先日10年ぶりにあった友人に、「その全能感、変わってないねぇ」と言われた。ここで言う「全能」は、「何でもできる」という全能ではない。「私はほぼ何もできないが、おおかたのことは、私の認知を超えた何かがよしなにやってくれる」という、いわば無敵の無能感だ。
図書館も、スーパーも、家も、茶室も、山も、海も、「私のためにすみませんね」という気持ちで利用したり、眺めたり、味わったりしている。もちろん、これは他者を排除するものではない。ある意味では、すべての人が全能で、かつ無能なのだ。そ