柚子と蜜柑

「ひとうたの茶席」というサイトを運営しています。音楽を聴くことや、文章を書くことも好き…

柚子と蜜柑

「ひとうたの茶席」というサイトを運営しています。音楽を聴くことや、文章を書くことも好きです。 https://www.hitouta.com/

マガジン

  • 茶会記録

    「柚子と蜜柑」がお茶会に参加した記録をまとめたものです。

  • 2024年春旅

    2024年の閏日からの2泊3日の旅の記録です

  • 家の音楽環境を整える

    家のオーディオ環境を改善しよう!と一念発起して、オーディオを探す日々を書いた日記です

  • 2023ピティナ特級

    • 90本

    2023年ピティナ・ピアノコンペティション特級に関するnote記事です。公式レポーター6名の方の記事も合わせてご紹介しています。演奏、文章で特級を丸ごとお楽しみください。

  • 2022ピティナ特級

    • 157本

    2022年ピティナ・ピアノコンペティション特級に関するnote記事です。公式レポーター6名の方の記事も合わせてご紹介しています。演奏、文章で特級を丸ごとお楽しみください。

最近の記事

LFJ:エル=バシャさんマスタークラス

昨日は、ラ・フォル・ジュルネでのエル=バシャさんのマスタークラスへ。生徒は私が何度かレポートさせて頂いた、昨年のPTNA特級グランプリ、鈴木愛美さん。 あんまり言うことがないパターンのレッスンになりそうと予想していたが、概ねその通りだった。技術の指摘がほぼない代わりに、音楽家としての姿勢に踏み込むような、極めて高度な内容になった。 技術よりの指摘は大きくふたつ。 P(弱音)は、F(強音)よりエネルギーが小さいのではなく、Fとは質が違うと捉えること。例えば優しさや柔らかさと

    • 春の宵に、小さな歌でカフェをめぐる~水咲カフェ@ふくい南青山291~

      クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さん激押しの、水咲加奈さんの、水咲カフェへ。 ご出身地である福井をこよなく愛する水咲さんが選んだ今日の会場は、福井県の交流施設、ふくい南青山291。水咲さんは現在は東京で活動していますが、毎週パーソナリティを務めるFM福井の収録のため、毎週福井に帰られるのだそうです。 喫茶店が大好きすぎる水咲さん。実在する喫茶店を、1分程度の歌にして、毎週(!)リリースされています。 落ち着いた、テンポのよいトークを挟みながら、弾き語りが始まりま

      • 坂本龍一×高谷史郎「TIME」

        友人が紹介していて、東京公演最終日に間に合った「TIME」。新国立劇場の中ホールには水の流れる音や風鈴のような音がかすかに聴こえていた。 ひとときの暗転ののち、無からいま生まれたように田中泯さんがそろりと動きはじめた。宮田まゆみさんの笙の音が響く。 舞台上に作られた水面と水際に配置されたいくつかの道具、後ろに映し出されるスクリーンの高谷史郎さんの映像が舞台を構成する。 夏目漱石「夢十夜」と「邯鄲」「胡蝶の夢」をクロスさせて紡がれるその世界は、彼岸のようでも、夢のようでも

        有料
        100
        • 一条恵観山荘:春の茶飯釜

          現代茶道塾の松永さんにお誘いいただき、友人と鎌倉へ。花見客で賑わう鎌倉駅を抜けて、バスで浄明寺に向かいました。 今日の会場は敷地内のお茶室です。江戸時代初期、後陽成天皇の第九皇子であった一条恵観が営んだこの茶屋は、京都から移築されました。この日は、眩しいほどの新緑と青紅葉に囲まれていました。 1.江月庵(点心・薄茶席) 手を清めてから、茶室・江月庵へ。 江月庵には、利休道歌がかけてありました。 「茶の湯とは 只湯をわかし茶をたてて 飲むばかりなる事と知るべし」 ドイツ

        LFJ:エル=バシャさんマスタークラス

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        • 茶会記録
          7本
        • 2024年春旅
          9本
        • 家の音楽環境を整える
          9本
        • 2023ピティナ特級
          90本
        • 2022ピティナ特級
          157本
        • ピティナ特級2022公式レポーター
          26本

        記事

          春の「連」茶会(VOL.2)

          心待ちにしていた桜が満開を迎えた日、都内のお茶室で、伊藤穰一さんと松本大さんのお茶会が開催されました。私は記録係補佐として、同席させていただきました。 濃茶席 壁にかかった軸は「松風供一啜(しょうふういっせつにきょうす)」。裏千家第14代御家元、淡々斎の筆です。名水を汲んで点てたお茶を、谷からの松風と共に一啜りにする、という漢詩の一説なのだそう。 松風の「松」は、「大(おおき)」というお名前を持つ、松本さんの「松」にも通じているのかな?と思いながら拝見しました。 どっ

          春の「連」茶会(VOL.2)

          空間が耳をそばだてる

          先日、近所の音楽ホールがふと空いていたので、午前中、ステージ面だけを借りてピアノ練習をした。プロのコンサートも行われるようなホールだが、たまたま空いていればお安めに借りることができる。 音と耳が場に馴染んだ頃、客席に人がいるような気がして、何度か客席の方を見るということが続いた。音や人の気配がするようなことは全くないのに、曲が変わると、客前と同様にその熱量の種類も変化するようで不思議だった。またそれを感じる場所が、光がぽっと灯るように、移動していくようにも感じられた。 歴

          空間が耳をそばだてる

          我が家的!関東風桜餅ランキング

          1.開幕宣言先日大阪の方から、「東京で買える、関東風桜餅のおすすめってありますか?」と聞かれた時、答えられなかった。関西出身の私には、これまで桜餅は関西風一択であり、関東風の桜餅の存在意義を感じられなかったためだ。 しかしそんな私も関東に住んでもう20年。こうした時に自信を持っておすすめできるようになりたい。そういうわけで、桜がなかなか咲かないこの春、我が夫婦の関東風桜餅選手権が開幕した。 2.結果発表色々あった過程など面倒でしょうから、開幕の次に、もう結果を発表する。

          我が家的!関東風桜餅ランキング

          「光る君へ」ファンミーティング(3)ファーストサマーウイカさんの凄さ

          前回はこちら! ドラマ内でもナレーションを務める伊東敏恵アナウンサーが登場後、紅白のセットを利用した大階段から、吉高由里子さん、柄本佑さん、町田啓太さん、ファーストサマーウイカさんが降りてきた。 吉高由里子さんはそれはもう、可愛い。共演者に突っ込んだり、誰も置いてきぼりにならないよう気を使う。吉高由里子さんってどんな人?のコーナーでも、「気遣いの人」と評されていた。現場に泣いたり怒ったりしている人がいれば、関係ないのに責任を感じてしまうような人柄なのだろう。「人を見ている

          「光る君へ」ファンミーティング(3)ファーストサマーウイカさんの凄さ

          「光る君へ」ファンミーティング(2):ドラマを支える、強く美しい女性たち

          前回はこちら! 昨日、ご都合の悪くなった珠夜先生(根本さんと共に「光る君へ」の書道指導を担当)の代わりにと、根本知さんに「光る君へ」のファンミーティングにご招待いただいた。 こういう一瞬のために、私は常日頃出来る限り暇であることを心掛けている。 関係者ばかりが集う席で、私的最強名刺「大石静」を手に入れたが、「半裸のシーンを多めにお願いします」程度のことしか言わない自分に失望し、早々に売り込みモードを中止した。 このクラスの人々に、私の発言など邪魔なだけだ。 そして普

          「光る君へ」ファンミーティング(2):ドラマを支える、強く美しい女性たち

          「光る君へ」ファンミーティング(1):「わたし」のための物語

          先日10年ぶりにあった友人に、「その全能感、変わってないねぇ」と言われた。ここで言う「全能」は、「何でもできる」という全能ではない。「私はほぼ何もできないが、おおかたのことは、私の認知を超えた何かがよしなにやってくれる」という、いわば無敵の無能感だ。 図書館も、スーパーも、家も、茶室も、山も、海も、「私のためにすみませんね」という気持ちで利用したり、眺めたり、味わったりしている。もちろん、これは他者を排除するものではない。ある意味では、すべての人が全能で、かつ無能なのだ。そ

          「光る君へ」ファンミーティング(1):「わたし」のための物語

          ラ・フォル・ジュルネはマスタークラスもおすすめ

          ゴールデンウィークに有楽町で開催されるクラシックの祭典。チケット発売が始まって、楽しみにしている人も多いだろう。 コンサートの他に、プロの演奏家によるマスタークラスがあって、500円と値段も安く、毎年充実した内容だ。演奏しない人も楽しめると思う。 私は好きなピアニスト、エル=バシャさんのマスタークラス(公開レッスン)を、ラフォルジュルネ2度、それ以外で一度聞いたことがある。 2018年東音ホール(PTNA)での公開レッスン 初めてエルバシャさんのマスタークラスを聴いた

          ラ・フォル・ジュルネはマスタークラスもおすすめ

          紫野 明雲軒の「陽光茶会」へ

          旅の最後に、府中の龍生軒でお会いした岡本先生の明雲軒にお邪魔した。 その時の記事はこちら。 岡本先生は、通常のお稽古の他、出張稽古や誰でも参加できるお茶会も開催されている。お知らせはInstagramから。 陽光茶会ということで、ひな祭りのしつらえ。 すぐそばの嘯月さんのあこや。 連客の方々ともお話がはずみ、穏やかで心に残るひとときを過ごした。 東京でお会いした先生と、京都でお会いできるのは嬉しい。 お客様には、東京からいらしたご夫婦もいらした。 こうしてお茶席で

          紫野 明雲軒の「陽光茶会」へ

          Listudeさんへ

          東大寺の修二会を見た後、スピーカーメーカーのListudeさんのショールームへ。 その様子は別のマガジンにまとめた。 (2024.03.02)

          Listudeさんへ

          京都:大正時代の邸宅で朝粥

          ホテルに朝食がついていなかったので、近くの旬菜いまりへ。 空模様が怪しい。ホテルの人によると、朝は雪が舞ったらしい。 しかし予約のみだった。そこですぐそばの鴨粥の店へ。 これまでこの旅での食べ物は全体に質素だったので、贅沢しても良かろう。 入ってみると、それはそれは美しい大正の建物だった。 南禅寺の「雲龍図」を描いた今井景年という画家さんが晩年を過ごした邸宅だそう。 茶室もあった。 この贅沢な空間で一人、鴨の朝粥を頂いた。 麓寿庵さんは烏丸駅近く。 最後に若菜屋

          京都:大正時代の邸宅で朝粥

          家の音楽環境を整える(9)Listudeさんおすすめの周辺機器

          色々と横道にそれたが、やっと周辺機器の検討に戻ってきました。 スピーカーに合う機器選び 今オーディオの見直しをしているのだけど、スピーカーを前提とした時、アンプ・プレイヤー・ケーブル等の周辺機器はどれが優先順位高いの?と聞いてみる。 「まあ一概には言えないけれど、CDプレイヤーやアンプは、技術革新も早いし、スピーカーほど長く使わないことが多いからねぇ。普通の家庭だったらおすすめで十分だと思いますよ」 こちらがおすすめの組み合わせ。 CDプレイヤー 必ず変えることを

          家の音楽環境を整える(9)Listudeさんおすすめの周辺機器

          家の音楽環境を整える(8)音を耳で補う

          そういやオーディオをどんなに選んでも、聴く側の能力が低下したら元も子もないような気がする。耳の中の毛(有毛細胞と言うらしい)が抜けるとだんだん聴こえなくなると言うし、年々よくある耳年齢チェックは着実に老化している。 そんな話になった。 「経験なんだって」と万平さんは言う。 「オーディオの神様」と呼ばれた五味 康祐という人は、歳を取ってから補聴器でオーディオを聴いていたらしい。紹介してくれた「西方の音」は読んでみたい。 オペラ歌手の車田和寿先生の「クラシック音楽を楽しむ

          家の音楽環境を整える(8)音を耳で補う