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市松模様は魔法がお好き?

1 はじめに

 みなさま、「魔方陣」をご存じですか?私は小学生のときに、パズルが載っている雑誌で初めて知りました。そのときは、「こういうのもあるんだな~」くらいでした。時は経ち、社会人になって長崎へ旅行した時、長崎ちゃんぽん発祥の店「四海樓」に行きました。

 とても美味しかったです😋長崎に行かれたときは、ぜひ寄られてください!さて、この四海樓のお店の入り口近くに六マス×六マスの魔方陣があったんです!それから興味が湧いて、その後図書館に行って調べてみました。
 この記事では、私が得た魔方陣の知識について書きます。
 ぜひ最後まで読んでいただければと思います!

2 魔方陣とは?

 正方形を縦と横に$${n}$$等分し、$${n^2}$$個のマス目を作ります。

n行n列のマス目

 このマス目に互いに異なる数を書き、縦、横、斜めの$${n}$$個の数の和がどれも同じ値になるとき、この数の配置を魔方陣と言います。$${n}$$を、この魔方陣の次数といいます。

次数4の魔方陣

3 魔方陣の作り方には、日本伝統の模様「市松模様」が関係していた!!

・ 市松模様とは?

 市松模様とは、次のような模様です。

 市松模様(いちまつもよう)とは、格子模様の一種で、二色の四角形(正方形または長方形)を交互に配した模様。江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松が江戸の中村座で上演された『心中万年草』(高野山心中)で小姓・粂之助に扮した際、白色と紺色の正方形を交互に配した袴を履いたことから人気を博した。

Wikipediaより引用
市松模様。鬼滅の刃で注目されました。

・ 市松模様で魔方陣を作る

 次数4で1~16の数を配置した魔方陣の作り方を紹介します。
 まず、1~16の数を16のマスに配置します。次に図のように市松模様になるようにマスに色をつけます。

市松模様になるようにマス目に色をつけます

 最後に緑に塗ったマス目の数だけ、中心に関して点対称移動させて魔方陣の完成です。

点対称移動すると・・・
次数4の魔方陣の完成。縦、横、斜めの合計は34になる。

・ 証明してみる!!

 次数4の場合について証明してみます。
 最も小さい数を$${a}$$とします。このとき、図のようにマス目には図のような数を書いて、点対称移動させます。


縦、横、斜めの合計がa+30になる

 この証明から、最小の数がどんな場合でも、その数から1ずつ大きくした数を15個マス目に書いて点対称移動すれば必ず魔方陣が書けることがわかります。
 ちなみにこの証明から、初項$${a}$$、公差$${d}$$の等差数列ならば、その数列から任意の連続する16個の数を取り出して配置して、点対称移動すれば魔方陣が作れることも分かります。

4 市松模様を利用して次数が8の魔方陣を作る

 次数が8なので、1~64の数字をマスに書いて市松模様をつけます。

1~64をマス目に書き入れる

 緑のマスに書いてある数は、中心に関して点対称移動する。

縦、横、斜めの合計は全て260になる

5 市松模様以外では、魔方陣は作れないのか?

 最後に、魔方陣が作れる模様について書きます。
 実は、市松模様以外にも魔方陣を作れる模様はあります。
 そのためには、もう一度市松模様を考察します。
 市松模様は、上下左右に対称で、各行各列のマス目の半分が緑に塗られています。

各行各列の半分が、全て緑に塗られている

 このような性質を満たす模様ならば、緑に塗ったマス目の数だけ、中心に関して点対称移動させて魔方陣の完成です。
 例えば、このような場合は魔方陣ができません。

魔方陣ができない例

5 おわりに

 今回は魔方陣について書きました。今回は次数が4と8の場合の魔方陣について考察しました。ここで、疑問が2つあります。

  • 次数が4の倍数($${4k}$$)の魔方陣は、市松模様を利用して作れるか。

  • 「1 はじめに」で書いた四海樓の魔方陣の次数は6でした。では、次数が4以外の魔方陣はどうやったら作れるのか?

 この2つの疑問は、また次回以降の記事で考察します。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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