道徳の授業は難しい

1 道徳は難しい

 「道徳」は教科書があって、1つ1つの教材には内容項目があります。例えば、次のような内容項目があります。

 思いやりの心をもって人と接するとともに,家族 などの支えや多くの人々の善意により日々の生活 や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに 応え,人間愛の精神を深めること。

中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳

 私は中学校の教員をしていますが、「道徳」はとても難しいなとよく感じます。それは主に次の2つです。
・ 内容項目について深められない。
・ 授業のねらいとずれる。

・ 内容項目について深められない

 道徳は小学校でも授業があります。なので、「友だちと仲よくしよう」とか「嘘をついてはいけない」というのは、生徒は知っています。なので、この知っている状態から、「じゃあ今の君たちの現状は?」という問いから始まり、自分自身を見つめなおしたり、多角的な見方を養わないといけません。でも、小学校の学習レベルになっちゃうことが多々あります。

図1 深まりがない授業ななってしまう

・ 授業のねらいとずれる

 教科書には、内容項目が設定されているので、授業終わりに生徒の振り返りで、項目についてどれだけ深められたのかを見とることができます。しかし、私の授業での発問が良くなく、違う内容項目の振り返りになってしまうことがあります。例えば、内容項目「友情、信頼」の教材を使って授業したのに、生徒の振り返りを読むと、「公正、公平」について書かれているといった具合です。

図2 ならいとのズレ

2 解決策

・ 深まりがないことについて

 これは授業の導入で、生徒たちに「知っているけど、行動に現れていない」という事実を認識させることが大事だと思います。
 上述したように、「嘘をついてはいけない」ということは知っている。でも、宿題ができていなかったり、約束をつい忘れてしまったりしたときに、つい嘘をついてしまうという、自分の弱い部分があると思います。
そのように、「知識と行動の結びつきが弱い」と認識させることで、学習内容を自分事と捉え、深まりが生まれるとおもいます。

・ ねらいとずれることについて

 ねらいとずれるのは、発問に問題があると思います。道徳の教材は、教師の持って行き方によっては、様々な内容項目で取り扱えると思います。
生徒も色々な考えを持っているので、授業の初めでは色々な意見が出ます。でも、「今日はこの内容」というのがあるので、そういう時は教師が上手く発問で誘導する必要があると思います。

3 最後に

 道徳の授業は難しいです。でも考えれば考えるほど、その面白さにも気づいてきました。

より良い授業ができるように、日々教材研究を頑張りたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?