数学美術館(巨大数)
以前、「数式美術館」という記事が好評だったので、その派生でこのような記事を書いてみました。
この記事の目的は、厳密な数学を理解するのではなく、「見て楽しむ」ことです。
ここで紹介するのは、大きな数(巨大数)です。
・ 最大の素数
中学校で学習した素数。
素数とは、2や3、5のように、1とその数自身以外に約数をもたない数です。
素数はいつ出現するのか、規則性がありません。
そのため、より大きな素数を見つけることはかなり困難です。
ここでは、現在分かっている最大の素数を紹介します。
2018年に発見されています。
また、この素数はメルセンヌ数に深く関連しています。
この数は2を8258万9933回掛けた数から1引いた数字です。
桁数は、2486万2048 桁です。
もし紙に、1秒に1桁数字を書いていくと約6906時間(287日)かかります。
一緒に書きませんか?(笑)
メルセンヌ数について書いた記事はこちら↓↓
・ 最大のフェルマー数
フェルマー数とは、フェルマー(最終定理で有名)が考案した数で、無限にある素数の形の一種です。
現在、フェルマー数は3,5,17,257,65537の5つしか見つかっていません。
この5つをすべて書けた数字が、人間がコンパスと定規で作図できる最大の正多角形です。
つまり、正4294967295角形は作図可能です。
可能なだけで、実際に書くには相当細い鉛筆と巨大な紙が必要だと思いますが・・・
フェルマー数について書いた記事はこちら↓↓
・ 最大のレプユニット数
まずは美術品の紹介です。
このように各桁がすべて「1」の数をレプユニット数といいます。
そして、上に示したレプユニット数は素数なんです!!
1が1031個並んでいます。
・ 最大の完全数
完全数とは、こんな数字です。
例えば、6。
6の約数は、1,2,3,6。
この内、自分自身の6を除いた3つの数を足すと、
$${1+2+3=6}$$
で、自分自身と一致します。
他にも28も完全数です。
28の約数は、1,2,4,7,14,28。
この内、自分自身の28を除いた数を足すと、
$${1+2+4+7+14=28}$$
では、最大の完全数を紹介します。
2018年に発見されました。4900万桁以上ある、巨大な数です。
この上の数を見て、美術品№1と似ているな~と思いませんか?
実は、メルセンヌ素数が見つかると、新しい完全数を見つけることができます。
このことは、紀元前にユークリッドという数学者が既に発見していました。
すごいですよね(笑)
証明は書きませんが、高校数学で十分理解できます。
おわりに
巨大数の美術館、いかがでしたでしょうか?
とても大きな数でも、ちゃんと意味がある。
というか、意味のない数字なんてないのかもしれませんね。
意味ないと人間が勝手に決めつけているだけなのかも・・・
もし興味が湧きましたら、初等整数論という数学の分野を覗いてみてください!
現在使われているRSA暗号などに活用されている、とても重要な数学の分野です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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