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2023年のまとめと来年の目標

今年も終わったので今年の振り返り。

主に競技イベントや思い入れのあるデッキの話を時系列順に。


■赤単アグロ(CCF横浜)

 昨年の常滑では出られなかったので、チャンピオンズカップファイナルは初出場。

 廣澤さん、加茂くん、関くん、さまらんの4人とDiscordで話をしながら調整。廣澤さんが持ってきた赤単を最終的に使用することに。

 当時流行だったグリクシスミッドレンジにサイドから《レジスタンスの火、コス》を4枚入れるプランが非常に良かった。

 記事はコチラ。

▼本戦結果

〇エスパーミッドレンジ
〇青白兵士
×毒性
〇グリクシス
〇白単ミッドレンジ
〇グリクシス
〇赤単アグロ
〇青単テンポ
×ジャンドミッドレンジ
〇毒性
ID
×青単テンポ

 8-3-1で10位、プロツアー・ミネアポリスの権利を獲得。

 結果としては悪くなかったが、バブルマッチで凄まじいミスをしてしまい、トップ8入賞を逃した。かなり落ち込んだ。

 とはいえ、今年は結果を重視し、デッキを選り好みしないことに決めていて、一発目の競技イベントで嫌いな赤単を使用し、好成績を残せたのはポジティブな要素だった。

■ネオフォーム(神挑戦者決定戦)


 昨年の後半、プレイヤーズコンベンションオープン~ビッグパイオニアフェスティバルで2週連続準優勝して以降、パイオニアをプレイしなくなった。

 特に理由はない。シーズンが終わったらいつも俺はモダンしかやらなくなる。この時はタメシブルームにお熱だったのだ。

 ああ、愛しのタメシブルーム…《オークの弓使い》さえ印刷されなければ…。

憎きオーク…

 閑話休題。

 パイオニアに限った話ではないが、神挑戦者決定戦に向けての準備は大体3日前ぐらいから始める。とりあえずGoldfishで流行のデッキを眺め、今使うべきカード(《オークの弓使い》のような強すぎるカードや、現環境に刺さっているカード)を考え、それを使えるデッキを探す。

 今回は、チャンピオンズカップファイナルがスタンダードなこともあり、パイオニアは全くプレイしていなかった。例のごとく3日前ぐらいからデッキを考え始めようとしたのだが、1週間前にビビっと来るデッキを見つけたから、早めに着手することにした。

 それがネオフォームだった。

 パイオニアで最高のカード《思考囲い》《致命的な一押し》を使いつつ、3ターン目に《偉大なる統一者、アトラクサ》を降臨させるデッキだ。《黄金牙、タシグル》《わめき騒ぐマンドリル》によるビートダウンプランもあったり、手札破壊・打ち消しで干渉手段も豊富。

 その多角的な攻め方とブン回り、どちらも魅力的に思えた。

▼本戦結果

〇ラクドスミッドレンジ
〇黒単アグロ
〇ラクドスミッドレンジ
〇ゴブリン
〇ラクドスサクリファイス
×アゾリウスコントロール
〇ロータスコンボ
〇アブザンパルヘリオン

決勝ラウンド
〇ラクドスミッドレンジ
×魂剥ぎネオフォーム

 結果は7-1から準決勝でミラーマッチで敗北。

 しんやさんの《魂剥ぎ》型ネオフォームに負け。

■グリクシスリアニメイト(神挑戦者決定戦)

 プロツアー・ミネアポリスには出場できず!!!

 なんとキャビンアテンダントが当日欠勤したせいで乗務員が足らずに飛べなくなったとのこと。

 というわけで権利はプロツアー・バルセロナに移動。念願のモダンプロツアーの権利を手に入れた。

 プロツアーの練習でスタンダードをたくさんやったため、今回は直前の着手なども得にせず。

 原根くんがチャンピオンズカップファイナル横浜からプロツアーまでずっと使い込み、勝ち続けていたグリクシスリアニメイトを完コピ。

▼本戦結果

〇ドメインランプ
〇エスパーミッドレンジ
〇ラクドスミッドレンジ
〇ラクドスミッドレンジ
ID
ID

決勝ラウンド
〇ラクドスミッドレンジ
〇ラクドスミッドレンジ
×ラクドスミッドレンジ

 ラクドスの波を泳ぎ切れず。最後はあんちゃんに敗北。原根くんのデッキとあんちゃんは強すぎた。

■アゾリウスロータス(CCF千葉)

 次に目指すのはチャンピオンズカップファイナル千葉。フォーマットはパイオニア。

 プレミアム予選ではラクドスサクリファイスを使って惨敗。良いデッキも見つからない…と絶望していたところで、関くんから「アゾリウスロータスってデッキ、勝率すごくない?」と言われる。

 そして…その勝率の高さに驚いた。初見では打ち消しが少なく、安定性もなく、アゾリウスコントロールの劣化に見えた。だがそれは間違った見解だった。

 詳細はこちらの記事で。(有料設定だが該当箇所は無料)

 最近はデッキを分析する力が身についてきたと実感した。デッキを回すより、なぜそのデッキが強いかを理解するべきだ。構造が理解できないと細部の調整ができないし、そのデッキがダメだった時に、構造を他に応用することもできる。

 2023年は練習回数はどんどん減り、考える時間が増えた気がする。

 またこのトーナメントで、リスト公開制が得意になり始めたことを理解した。リスト非公開のトーナメントでは、とりあえず除去か3マナの打ち消しか《睡蓮の原野》、そのいずれかがあればキープしていた。

 しかし、リスト公開制トーナメントでは、必要なカードがはっきりとわかるため、マリガンを厳しくできる。

 マリガンの上手さはマジックのプレイスキルで重要な部分の一つだ。リスト非公開の状態でマリガンを行うのは特に難しい。この判断が上手いプレイヤーは強い。友人の高尾くんのマリガンを見た時に、自分のマリガンが如何に下手かを思い知った。

 俺はリスト非公開制でのマリガンは下手だが、リスト公開になればそれは矯正される。その分、得意としていたアグレッシブサイドボードはできなくなってしまったため、これまではリスト公開制トーナメントを苦手としていたのだが、そこに慣れてきた今では、リスト公開制の恩恵を得る立場になった。

▼本戦結果

×アブザンパルヘリオン
〇オルゾフ人間
〇アブザンパルヘリオン
〇エニグマ
〇イゼット独創力
〇ボロス召集
〇エニグマ
×緑単ニクソス
〇アゾリウスロータス
×ラクドスミッドレンジ
〇エニグマ
ID

 8-3-1でプロツアー・バルセロナの権利をゲット…ってもう持ってた。

 最終戦は勝ってもトップ8に残れなかったのでIDに。

 ちなみに前回と今回、いずれも優勝者に負けている。俺に勝った相手が2連続で優勝するなんて、そんな珍しいことあるんだなぁ。

 更に余談だが、グランプリで3回トップ8に入っているが、そのグランプリでも俺に勝った相手が優勝している。そんな偶然ある??

 踏み台と呼んでください。

■サワギバカンパニー(プロツアー・バルセロナ)

 今回の調整は、長年の友人であるまんたろうさん。《一つの指輪》と《オークの弓使い》と《喜ぶハーフリング》が加入し、それがあまりに強すぎることは理解しており、その内2種類を使えるゴルガリヨーグモスに白羽の矢が立った。

 だが、ゴルガリヨーグモスはラクドススキャムに少し弱かった。《ダウスィーの虚空歩き》があまりに辛すぎたためだ。

 また、ラクドススキャム側が速いクロックを展開してくると《スランの医師、ヨーグモス》が活用できない点もマイナスだった。

 そこで、ヨーグモスに似ているが上記の弱点が解消されたサワギバカンパニーを使うことに。

 だがこれは失敗だったとはっきり言える。ラクドススキャムが一番強いデッキであることは理解できたが、認識はそれでも甘かった。

▼本戦結果

×ラクドススキャム
×ナヤヴァラクート
〇緑単トロン
〇ゴルガリヨーグモス
×ゴルガリヨーグモス

 ドラフトで1-2していたので初日落ち。総じてツいていなかったが、上記の失敗もあったので完全に自責。

 久しぶりの海外プロツアーはとても楽しくて、1週間遊びつくした。

■ジャンドサーガ(神挑戦者決定戦)

 ラクドススキャムがプロツアー・バルセロナを制した直後のモダン神挑戦者決定戦。当然意識すべきデッキはラクドスだ。
 
 そこで今回はラクドススキャムを倒すべく、ラクドススキャムの分析をすることに。詳細はこちらの記事で。

 アゾリウスロータスでは使用するデッキの分析をしたが、今回は仮想敵の分析が中心となった。その結果、ジャンドサーガはラクドススキャムに構造的に有利であるという結論に至った。

▼本戦結果

〇ジャンドサーガ
〇ヨーグモス
〇オルゾフスキャム
〇イゼットマークタイド
×カスケードクラッシュ
〇ウルザソプター
〇バーン
〇アミュレットタイタン

決勝ラウンド
〇ラクドススキャム
〇カスケードクラッシュ
×リビングエンド

 内藤くんのリビエンに負け。相性最悪のマッチに決勝で当たってしまった。

■イゼット異形化

 パスカル・フィーレンがアリーナ予選で圧倒的成績を残したこのデッキ。

 早速トーナメントで使用してみたが、その強さに驚いた。

 とても気に入っていて、もし明日がチャンピオンズカップファイナルだったら間違いなく使っていたのだが、パイオニアのイベントがほとんどなかったため、大きなトーナメントで使用することはなかった。

 独創力と違い、《勢団の銀行破り》を4枚採用できるのがすごく良かった。《湧き出る源、ジェガンサ》も大きい。

 サイドボーディングガイドを共有した野稲くんがエリア予選を突破。

 当時書いたガイドもあるのでお暇な方はどうぞ。

 イゼット異形化は打ち消しを大量に採用したコンボでありながら、土地がフィニッシャーにもなるという、俺の性癖ド直球なデッキだった。好きなデッキはちょっと弱くてもトーナメントで使いたくなってしまう思考の持ち主なので、このデッキを調整し始めてからは、パイオニアの大会で常にイゼット異形化が選択肢に挙がるようになってしまった。

■ディミーアコントロール(プレミアム予選)

『エルドレインの森』加入後は、来年のチャンピオンズカップファイナルのためにモダンをプレイしていた。

 なぜか禁止改訂後がなかったので、ラクドススキャムが最強なのは変わらず。そこで様々なデッキを模索するも、最終的には今のモダンで最も強いと思っているカード、《オークの弓使い》と《一つの指輪》を使うことだけを決めた。

どうして俺は生きてるんだ?

 ディミーアコントロールについてはこちらの記事で詳しく解説している。エスパーから始まってディミーアになった理由など、ほぼ無料部分で完結しているため、良かったらどうぞ。

 この時はエスパーコントロールで決勝トス、2勝2敗、決勝トスとまずまずの成績だったところに、「本当にこのデッキは強いのか?」と疑問に感じたところが良かったと思う。

便利だったがお別れ

 ディミーアコントロールの成績はかなり良く、21勝4敗2分(2ID)。

 調整時間はほぼなく、脳内で調整→実践で改善点をあぶりだし→脳内で調整を繰り返した結果、リストもかなり良いものになったと思う。

 対戦する時間を減らし、脳内での調整の質を上げるのは、今年中盤あたりからの密かなテーマだった。それが良い形となったのは今後の自分にとって大きい。
 
 プロツアー・バルセロナからラクドススキャムに付き合い続けていたおかげで、今年のモダンではラクドススキャムに苦しむことが少なかった。それがモダンの全体的な好成績に繋がっていたのかな…とぼんやりと感じたのであった。

■アゾリウスコントロール

 チャンピオンズカップファイナルのデッキ提出直前に瀬畑さんが象発見でパイオニアショーケースチャレンジを優勝。

 ロータスコンボを使う予定だった俺の精神は崩壊し、発見に親を殺されたアゾリウスコントロールを脳内で組んだ。

 今回はディミーアコントロールと違い、脳内で調整し、実践で一度も回さずにチャンピオンズカップファイナルに臨んだが、特に問題はなかった。アゾリウスコントロールの構造を理解していればデッキのバランスが崩れることはないし、相手のデッキを知っていれば練習は不要。

 詳しくはこちらで解説。

▼本戦結果

〇鑑定士
〇鑑定士
〇鑑定士
〇鑑定士
〇ボロス召集
〇アブザン探検
×鑑定士
×ボロス召集
×アゾリウスロータス
〇オパス独創力
〇ラクドスミッドレンジ
〇アゾリウスコントロール

決勝ラウンド
〇鑑定士
〇ローナコンボ
×ジャンド異形化

 決勝で敗北。名古屋では3度目の準優勝。そして最後のチャンピオンズカップファイナルも、俺に勝った相手が優勝した。世界最高の踏み台と呼んでいただきたい。

 とはいえ、世界選手権の権利が獲れて万々歳。特に今回は、今年の集大成ともいえる調整方法で結果がついてきたから、1年の頑張りが報われた気がした。もちろん、めちゃくちゃラッキーだったけどね。

■ボンバーマン(神挑戦者決定戦&TLS)

 年末のThe Last Sun 2023出場にあたり、レガシーの勉強をすべく、レガシー神挑戦者決定戦に出ることにした。

「《意志の力》を使わないデッキでオススメはある?」とシゲキに聞いたところ、「ボンバーマンが良いかも」と回答をもらう。

 そこで、シゲキの言葉を信じてボンバーマンを使ってみることにした。

 Kanicanさんという方がずっとこのデッキを調整していて、そのリストが魅力的だったのでコピー。リストはとてもよくできているという印象で、《巧妙な鍛冶》を4枚にした程度だった。

 このデッキは《アガサの魂の大釜》がとにかく強く、最速2ターンキルも可能。特に流行の豆の木コントロールに強く、今のメタに合っている印象だった。

 が、同時に墓地対策とアーティファクト対策がどちらも効いてしまう致命的な弱点があった。《虚空の力線》《溜め込み屋のアウフ》《無のロッド》で負けること多数。

 レガシーでは、特定のキラーカードを引かれる確率が高い。青いデッキは《思案》《渦まく知識》でそれらを手札に加えてくるし、《虚空の力線》のために積極的にマリガンしてくる。2~3枚ぐらいのカードの組み合わせで相手を倒すデッキでは、《虚空の力線》マリガンを余裕でできる。事実、相手は積極的にマリガンして《虚空の力線》を絶対設置してきていた。

 レガシー神挑戦者決定戦は7勝2敗、ラストサンは開幕で1敗して即ドロップ。良い勉強になった。

■来年の目標

 去年の目標は「慢心しない」だった。自分の中ではこれは達成できたと思う。自分と世間のリストの違いをしっかり分析するように努めた。

 また、勝ち負けの結果に揺れずにデッキ選択や調整を行えたのは、ひとえに慢心しなかったからだろうし、デッキと心中することもなかった。

 目標は達成できたと言える。

 来年もできれば目標を達成したい。世界選手権優勝…は達成できる確率の方が低く、そもそも運要素も絡むため論外。

 目標は自分が頑張れば必ず達成できるものでありたいと思っている。

 というわけで、2024年の目標は「審美眼を鍛える」にしようと思う。

 赤単、アゾリウスロータスはいずれもオススメされて初めてその強さに気付いたデッキだったし、アゾリウスコントロールも半ば偶然の産物。来年は自分でこの辺りが環境的に有効であることに気が付きたい。

 デッキを見極める審美眼を身に着ける。それが2024年の目標だ。

 来年の今頃、「達成できた」と言えるといいなぁ…。

 
 皆様、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

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