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【パイオニア】アゾリウスコントロールのすべて

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皆さんこんにちは。

ゆうやんです。Twitterアカウントが凍結されました。新しいアカウント(@yuyan_uw)を良かったらフォローしてください。

2023年最初の記事は、タイトルの通り、パイオニアのアゾリウスコントロールです!

前回の記事では調整過程などを中心に話しましたが、今回は詳細なカード採択やプレイの仕方、サイドボーディングガイドなど、より内容を掘り下げていきます。
一部内容がかぶる箇所もあるかもしれませんが、ご了承ください。

僕のことを知らない人のために、このデッキを使用した成績を振り返っておくと、

・プレイヤーズコンベンションオープン2022準優勝
・BIG Pioneer Festival 2022準優勝
・チャンピオンズカップ店舗予選優勝2回

と、4回のトーナメントで34勝6敗2分(ID2回)。勝率は85%です。

というわけで、8割勝てる(嘘)アゾリウスコントロール攻略ガイド、はじまりはじまり。

■アゾリウスコントロールの魅力

青い打ち消し・ドローと白の除去を組み合わせた古典的なコントロールデッキ、それがパイオニアのアゾリウスコントロールです。

現在のパイオニアにおける立ち位置としては、「ラクドスミッドレンジに五分か少し不利ながら、その他のデッキに対してとにかく強い」が最も適当でしょう。

特にラクドスを倒そうとするデッキに強く、ケル―ガファイアーズ、エニグマファイアーズなど、《思考囲い》に強いバリューカードを詰め込んだ構成に対して、打ち消し呪文がよく機能します。

対ラクドスもメイン戦ではアゾリウスコントロール側に分があります。これはラクドス側のメインボードに大量の除去が入っており、それがそのまま腐り続けるためです。

手札で腐る

サイドボード後は除去の部分が手札破壊や《勢団の銀行破り》になるため、ゲーム2以降は不利になりますが、少なくともメイン戦では相性は良く、そのためマッチ成績は微不利となっています。

このラクドス戦のように「相手の除去を腐らせることによりメイン戦を優位に戦える」はアゾリウスコントロールの大きなメリットです。

パイオニア環境は非常に早く、除去を大量に採用したミッドレンジ(ラクドス・ケルーガファイアーズ・イゼットフェニックス・グルール機体)か、ビートダウン(白単・スピリット)が環境には数多く存在しており、前述のメリットと、《至高の評決》というビートダウンキラーのカードを兼ね備えたアゾリウスコントロールは、特にメイン戦での勝率が高く、これが僕の好成績の要因と言えるでしょう。

■デッキリスト

■カード選択

メインボード

4《ドミナリアの英雄、テフェリー》

このデッキの顔にして要。アゾリウスコントロールが勝つ時は大体《ドミナリアの英雄、テフェリー》が場にいます。

ほとんどのリストが3枚の中、僕は一貫して《ドミナリアの英雄、テフェリー》4枚を推しています。その理由は単純で、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出すか出さないかで勝率が大きく変わるためです。

アゾリウスコントロールは序盤に除去や打ち消しで相手と交換を繰り返しながら、土地を並べていきます。白単が3枚の土地、ラクドスが4枚~5枚の土地で十分に回るのに対し、アゾリウスコントロールは《記憶の氾濫》をフラッシュバックすることや、《至高の評決》+打ち消し構えなどで、7枚以上の土地を並べていきたいデッキです。

つまり、他のデッキよりも必要な土地の枚数が多いのです。当然ながら、毎ターンの通常ドローだけでは手札が足りなくなります。

そしてその手札を補充するために《記憶の氾濫》が入っているのですが、このカードは1ターンを丸々犠牲にします。最速でも6ターン目でないと追加のアクションが取れないのですが、そもそもこの6枚目の土地を置けるかどうか、通常ドローだけでは怪しい。

一方、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は違います。マナコストは5マナと重いですが、出したターンに2マナが起きるので、実質3マナのカードとして運用できます。

しかも1ターン《ドミナリアの英雄、テフェリー》が生き残れば、ターン終了時に土地が2つ起きるので、《至高の評決》と《記憶の氾濫》は実質2マナになります。全体除去や次のリソースを確保しながら打ち消しを構えられるようになるのです。7枚以上の土地を並べる必要もなくなります。

このように、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は生き残るだけで勝利に直結するカードです。《王冠泥棒、オーコ》と言っても差し支えません。

それなら当然4枚採用すべきカードです。しかし、ほとんどのアゾリウスコントロールはこのカードを3枚しか採用していません。その理由として真っ先挙げられるのは「2枚引いてしまった時に1枚余るから」ですが、果たして2枚引いて1枚出して手札に余って負ける事案は、頻繁に発生するでしょうか?

《ドミナリアの英雄、テフェリー》は生き残れば勝つカードです。ドローだけでなく行動回数を増やすカードなので、相手は絶対に対処しなければなりません。手札に2枚目が余る状況は、そもそもさほど多くありません。

また、4枚入っていることで《ドミナリアの英雄、テフェリー》を捨てるプレイもできるようになります。

たとえば、5ターン目を迎えて相手の場には6点のクロック。手札には打ち消し呪文と《ドミナリアの英雄、テフェリー》だけ。
この状況でデッキに3枚しか《ドミナリアの英雄、テフェリー》が入っていない場合、プレイするのをためらうでしょう。

一方、デッキに4枚の《ドミナリアの英雄、テフェリー》が入っているなら、とりあえずプレイしてドローしてみるというアクションを起こしやすい。そして《魂の仕切り》を引けばそのまま《ドミナリアの英雄、テフェリー》が生き残ることになります。

また、《ドミナリアの英雄、テフェリー》に向けられる除去に対しての対応も変わります。《戦慄掘り》を《ドビンの拒否権》した結果、代わりに通った《ヴェールのリリアナ》や《鏡割りの寓話》に苦しめられた経験がある方も多いはず。《ドミナリアの英雄、テフェリー》が4枚入っていれば、無理に除去に対して打ち消しを打つ必要がないのです。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》は強いカードですが、一方で使い捨てるプレイも非常に重要です。前述のように6点クロックの前にとりあえず出して、1ターン攻撃をすべて《ドミナリアの英雄、テフェリー》に吸わせて、《至高の評決》などを引き込みにいけます。
《戦慄掘り》に対しても簡単に《ドビンの拒否権》や《吸収》を打ってはいけません。《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出してカードを引き、そこに対して相手は《戦慄掘り》を使っています。つまりアドバンテージ面では1枚得をしています。これを良しとして受け入れる場合も多々あります。
このプレイができるかどうかは、アゾリウスコントロールでもかなり重要です。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》を捨てるプレイがしやすいのも、デッキに4枚採用するメリットなのです。

4《魂の仕切り》

最強の除去です。以前にも書いた通り、このカードのおかげでアゾリウスコントロールは今パイオニアで存在しています。

これまでのパイオニアの除去は《運命的不在》《アゾリウスの魔除け》《ポータブル・ホール》と、どれも一長一短の除去でした。

《運命的不在》は手がかりを与えてしまい、《アゾリウスの魔除け》はシステムクリーチャーに触れず、《ポータブル・ホール》はソーサリータイミングかつ、3マナ以上のカードを対象に取れません。

しかし、《魂の仕切り》はどうでしょうか。同じマナ域の《運命的不在》と違い、追放なので《老樹林のトロール》も後腐れなく倒せますし、エンチャントやアーティファクトも対象に取れます。

「2マナ重くなることでもう一度唱えられる」という《魂の仕切り》のデメリットが気になる方も多く、3枚に減らしている方もいますが、僕は4枚以外ありえないと確信しています。

まず最序盤に使用した場合。相手の2マナ域を対処し、それが4マナになります。《税血の収穫者》を除去したなら少なくとも6点のダメージを軽減できます。

次に中盤に、たとえば4ターン目にプレイされた《黙示録、シェオルドレッド》を《魂の仕切り》したら、戦場に出てくるのは2ターン後かもしれませんし、そもそも6枚目の土地を最速で引かれない可能性もあります。

中盤に2~3マナ域のクリーチャーを除去した場合は、1ターン後に唱えられてしまいますが、コストが重くなることで《検閲》に引っ掛かったり、後引きの打ち消し呪文で対処もできます。

この次のターンに使われてしまうことを嫌う人が多いのが、《魂の仕切り》が嫌われる要因だと思います。

しかし、この「ゲームを遅延させるだけ」のカードがアゾリウスコントロールでは重要なのです。

アゾリウスコントロールは、除去+打ち消しや除去+ドロースペルなど、対処しながら追加のアクションを行うことでゲームに勝利でき、そのためには土地を並べる必要があります。

5ターン目と6ターン目では、状況は一変します。5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出して《魂の仕切り》を構えるのではなく、5ターン目に《魂の仕切り》で《税血の収穫者》を対処し、6ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出して《吸収》を構えれば、勝ちを確信するでしょう。

ただゲームを遅らせるだけのカードとして運用しても、《魂の仕切り》は一級品なのです。

アゾリウスコントロールには《ドミナリアの英雄、テフェリー》と《記憶の氾濫》で7枚のドロースペルが入っており、カードを補充する手段は豊富です。
アゾリウスコントロールは手札がなくなって負けることより、盤面の処理が追い付かずに敗北する方が多く、《魂の仕切り》はそんな懐事情にぴったりなのです。

序盤や中盤に一時的に場を対処し、《記憶の氾濫》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》を安全に運用できるようにするカード、それが《魂の仕切り》です。

4《吸収》

3マナの確定カウンターは、《襲来の予測》と散らしているリストも多いですが、なんだかんだ《吸収》が強すぎて4枚から動くことはなくなりました。

《吸収》を打つだけで《税血の収穫者》のダメージ1回分。テキストに書いてあることそのままなのですが、これが強すぎる。

《至高の評決》という1枚で盤面をまっさらにするカードが入っている以上、1ターン生き延びることはアゾリウスコントロールにとって非常に大きい。《廃墟の地》があると3ターン目にプレイできないという短所こそあるものの、《吸収》に助けられる場面も多く、ここを変えようとは思いませんでした。

《襲来の予測》はすぐに相手にバレてしまう上に、2ターン目に打ち消しを構える時には予顕できないなど、使いにくさが目立ちました。

かといって予顕した後の2マナ確定カウンターが嬉しい場合もほとんどなく、イマイチな印章。

4《至高の評決》

全体除去。このカードが使えるのも、アゾリウスコントロールの強みです。

スピリット・人間に対する完璧な回答であり、ラクドスミッドレンジもクリーチャーデッキなため有効です。グルール機体にも一度打てばかなりゲームが楽になりますし、初手にあるとゲームプランが立てやすくなります。

サイド後はケアした動きやサイドプランを取られやすいので減らすことはあるものの、このカードを4枚から動かすことはないでしょう。

3《サメ台風》

4枚から0枚までいろいろ試した結果、「メイン戦では大して活躍しないけど、引いて邪魔になることもほとんどないし、サイド後は強いので、メインに複数枚入れて75枚に4枚」という結論に落ち着いたカード。

フィニッシャー…と言いながら《サメ台風》で勝つゲームはあまりなく、大体の場合、キャントリップのおまけに3/3のトークンがついてくるぐらいの使い方になります。

とはいえ、基本的には適当な時にサイクリングするのではなく、目的を持ちましょう。逆に目的さえあればサイズにこだわらずにサイクリングして良いです。

たとえば土地が止まりそうとか、打ち消しが手札にないから引きたいとか、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が欲しいとか。何か理由があればどんどんサイクリングしてOKです。特にメイン戦ではどうせ相手の手札に除去が腐っているので、Xを大きくしても無駄です。だからメイン戦ではあまり活躍しないのです。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出すターンは2マナしか立てられなくなり、《魂の仕切り》がないとクリーチャーから攻撃されるので、4ターン目にサイクリングしてサメの壁を作っておく場合も多々あります。覚えておきましょう。

相手によって《サメ台風》の運用は異なります。

ラクドスミッドレンジ相手が特にわかりやすいです。

こちら先手4ターン目で、相手の場には何もなし。4ターン目の相手は《税血の収穫者》を出して2マナを立ててエンド。この2マナでちらつくのは《砕骨の巨人》です。もしここで《サメ台風》をサイクリングすれば、《砕骨の巨人》が当たります。何もしなければこちらのターン終了時に本体に打ってくるでしょう。ここで《サメ台風》をサイクリングして《砕骨の巨人》を当てられるのはNGです。この場合は、もう1ターン待ってX=3でサイクリングしましょう。

スピリット相手にはX=2かX=3で出すと効果的ですが、相手のスピリットと相打ちになるのは少し寒いです。トークンで一方を取れるようにするか、相手がスタックでロードを出してきて相打ちをしてくる→返しで《至高の評決》のように、ロードを釣り出させるプレイができる時は《サメ台風》を相打ちで出してOKです。(《鎖鳴らし》に対してX=3で出して、ロードが出てくれば相打ち、出てこなければ一方が望ましい)

メイン戦では除去の的になる一方、サイド後は相手が除去を減らしてくるので、一気にフィニッシャーとしての性能が上がります。

サイド後に意識するのは、なるべく大きいサメを出すことです。3で出すと7ターン、4で出すと5ターン、5で出すと4ターンで20点を削れるので、基本的にはX=4が強力です。2枚手札にある場合はX=3、X=4と連打すると速やかにライフを削れるので、どんどんサイクリングしていきましょう。

《サメ台風》素出しはほとんどやりませんが、《記憶の氾濫》が手札に余っている場合に稀にやります。大体は置かなくても勝ってます。

3《放浪皇》

アゾリウスコントロールを一段階強化したプレインズウォーカーです。

このカードの運用の仕方はとて簡単なので、今更解説するまでもありませんね。相手の盤面が強ければ除去、大したことがなければトークンを作っていき、盤面を強固にしていくだけです。

アグロにもミッドレンジにもコントロールにもコンボにも強い夢のようなカードです。4枚目を検討したこともありましたが、《放浪皇》を構えるよりも《記憶の氾濫》を打ちたい場面が多く、同じ4マナ域であることから、結局3枚で落ち着いています。

マイナス2でクリーチャーを追放した返しの忠誠度1の《放浪皇》をどうするかですが、相手の場にクリーチャーがいたらトークンを、盤面がまっさらならプラスでOKです。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》は全力で守りにいきたい一方、《放浪皇》はよく使い捨てます。たとえば《冥途灯りの行進》と《記憶の氾濫》を持っていて、こちらの場に侍のみ。その侍が除去されて《放浪皇》にクリーチャーが殴ってきた場合は、《冥途灯りの行進》を打てば《放浪皇》を守れますが、そのままスルーして《記憶の氾濫》を打つターンにした方が良いです。

「プレインズウォーカーだからとりあえず守る」のではなく、この《放浪皇》が将来的に何をしてくれるかをしっかりと判断しましょう。目の前の侍が除去されると、少なくとも《放浪皇》は次の次のターンまでは何もしませんからね。

3《記憶の氾濫》

強力なドロースペル。1枚目は土地と打ち消しか除去を確保し、フラッシュバックで強力な呪文を2つ手に入れて勝つことが多いです。

《記憶の氾濫》は4マナで盤面に影響を与えないドロースペルであり、パイオニア環境でこれをやすやすと打たせてくれるデッキは存在しません。なので、《記憶の氾濫》をいかに楽に打つかが重要となります。

理想は、盤面にクリーチャーがいない状況でターンを返し、相手がクリーチャーを出す→そのエンド前に《記憶の氾濫》です。そしてこうして《記憶の氾濫》を打てるようにするカードこそ、《魂の仕切り》。相手が2マナ重くなった《税血の収穫者》をプレイし、こちらがそのターン終了時に《記憶の氾濫》を打てば、そのゲームは勝ったも同然です。

1度打てば墓地に落ち、フラッシュバックで次の《記憶の氾濫》か《ドミナリアの英雄、テフェリー》+妨害手段を手札に加えられるので、このカードはフィニッシャーと言っても過言ではありません。セットランドしながらだらだら除去と打ち消しで相手に付き合ってフラッシュバックする余裕が生まれれば勝ちです。

更地の場で《記憶の氾濫》を撃ち、フラッシュバックでゲームエンド。この意識を持つだけでも、アゾリウスコントロールのプレイが簡単になると思います。

3《ドビンの拒否権》

ラクドス、イゼットフェニックス、緑単、グルール、ロータスコンボ、ミラーマッチ、エニグマファイアーズ、ケルーガファイアーズと、《ドビンの拒否権》が効くマッチが多いことから、メインに3枚採用。

クリーチャーは《魂の仕切り》、非クリーチャーは《ドビンの拒否権》で対処できるので、2マナ域は完璧です。

クリーチャーに対処したいなら《かき消し》なのですが、クリーチャー除去手段は《至高の評決》を含めて多いこと、アゾリウスコントロールが長いゲームを戦うので《かき消し》を簡単にケアされてしまうことから、2マナの打ち消し呪文は《ドビンの拒否権》が一番だと考えています。

3《検閲》/1《ジュワー島の撹乱》

追加の2マナ域となるカードたち。どちらも相手に1マナを要求するソフトカウンターながら、違う用途もある便利なカード。

キープ基準になるカードで、《検閲》は相手が1マナを余らせて動いているのを察したらすぐにサイクリングで他のカードに変えられます。

2ターン目に相手が動いてこなかった場合はサイクリングせず、3ターン目に2マナのアクションをしてきたところでサイクリングするのが基本です。ちなみにここで手札が完璧なら別にサイクリングしなくても構いません。

カードを打ち消せるタイミングでいつでも《検閲》を打てば良いかと言えば、そんなことはありません。

アゾリウスコントロールが出されて一番嫌なカードは最速《鏡割りの寓話》なので、2ターン目に出てきた《税血の収穫者》はスルーして、3ターン目の《鏡割りの寓話》に備えるべきです。

ここで《税血の収穫者》を悩んでスルーすると《検閲》が透けて見えるので、初手を開いた時点、あるいは自分のターン中に、「もし《税血の収穫者》が出てきたらスルーするか」をしっかり考えておきましょう。

ノータイムで《税血の収穫者》を通せば、次のターンに《鏡割りの寓話》で突っ込んできてくれる確率が高い。ちなみにここが《墓地の侵入者》でも喜んで打ち消します。

最初はすべて《検閲》にしていたのですが、土地が止まりまくるという指摘を受けて1枚を《ジュワー島の撹乱》に変更。これのおかげでセットランドに困らなかったゲームも何度かあり、逆に《ジュワー島の撹乱》のせいで負けたゲームも少しあるので、どちらが最適解かは悩ましいところ。

ただ、土地が止まってほしくないデッキでキャントリップが《サメ台風》しかないにも関わらず土地26は少し少ないと感じているので、現状の配分には満足しています。

2《冥途灯りの行進》

使っていて強いか弱いかよくわからないけど、引くとそれなりに便利なので抜けなくなったカード。

《魂の仕切り》と違って完全に除去できる一方、マナがかかるのが玉に瑕。複数アクションが取りづらいカードです。

しかし、《バグベアの居住地》などを倒す時はたった1マナでよく、主に倒すのはミシュラランドです。《魂の仕切り》でミシュラランドを倒せないのもあり、本当によく《バグベアの居住地》と《目玉の暴君の住処》を追放しています。

《勢団の銀行破り》を追放する瞬間が結構あります。

土地関連

《アーデンベイル城》・《天上都市、大田原》の不採用、そして《氷河の城砦》4枚がこだわりポイントです。

このデッキは2ターン目に2マナを立ててターンを返すことを命題としており、そのためのマナベースです。

パイオニア環境の他の2色ランドは、2ターン目に確定タップインの《大草原の川》と《さびれた浜》。《アダーカー荒原》はダメージが痛すぎ、《連門の小道》は白か青しか出ないので、ダブルシンボルだらけのこのデッキに相性が悪い。

2ターン目にアンタップインできる2色ランドは、《神聖なる泉》と《氷河の城砦》しかないのです。そしてその《氷河の城砦》をなるべくアンタップするために、平地と島の枚数をとにかく増やしています。

《皇国の地、永岩城》

あまりの強さにどうしても1枚入れたく、《ヴァントレス城》も同様。いずれも土地とは思えない強さのため、《氷河の城砦》のアンタップイン率と天秤にかけて採用に至っています。

《ストーム・ジャイアントの聖堂》

2ターン目にアンタップインできる土地ということで、特殊地形ながら合格。《思考囲い》でライフを減らしてくる相手にはよく《ストーム・ジャイアントの聖堂》のアタックで勝つので、2枚は必要です。
メイン戦では《致命的な一押し》が残っているので4マナ立っている状態では攻撃できませんが、サイド後は触られないのでどんどん殴りにいけます。

《廃墟の地》

本来入れたくないカードですが、《バグベアの居住地》と《目玉の暴君の住処》が《魂の仕切り》で対処できないので、仕方なく2枚入れています。

サイドボード


4《ポータブル・ホール》

白単、スピリット用です。グルール相手には少しだけサイドイン。

パイオニア環境では1~2マナのクリーチャーが大量に入っているデッキがさほど多くないため、メインには入れてません。

緑単にはサイドインしません。後手で1ターン目に《ラノワールのエルフ》を追放するためには、7枚の白マナアンタップインと《ポータブル・ホール》をどちらも引かなければならないためです。
先手ならば《ポータブル・ホール》は2ターン目になりますが、ここは《検閲》か《ドビンの拒否権》を構えればよく、3ターン目以降は《吸収》もあるので、《ラノワールのエルフ》のマナ加速を潰すために手札を消費するのがもったいないのです。《ドミナリアの英雄、テフェリー》定着のタイミングで打ち消しを構えながら《至高の評決》、あるいは返しのターンで《茨の騎兵》が通る程度の時に、2体ぐらいの《ラノワールのエルフ》を《至高の評決》で流せばOKです。

3《才能の試験》

ロータスがあまりにも憎らしくて入れたカード。《安らかなる眠り》を抜いた関係上、イゼットフェニックスにサイドインするカードがなくて困っていたのですが、《才能の試験》ならどちらにも入れられて最高でした。

同型でも《記憶の氾濫》を抜くだけでかなり有利になるので、思い切って3枚入れてます。

ロータス相手には《見えざる糸》か《熟読》、イゼットフェニックスには《パズルの欠片》か《宝船の巡航》、同型では《記憶の氾濫》と、ゲームのキーとなるカードを覚えておき、しっかりと当てましょう。適当に《神秘の論争》とかに《才能の試験》を打つともったいないです。

《才能の試験》で相手のデッキや手札からカードを抜く際は、望む枚数選べるということを覚えておきましょう。

これは実際に起きたことですが、相手がこちらの《サメ台風》トークンを倒すために打った《ショック》を打ち消し、しかしデッキ内に入っている《ショック》は基本無駄牌なので、1枚も追放しませんでした。

2《霊気の疾風》

緑単とグルール機体、赤単にサイドイン。

最近緑単が下火なために2枚に減らしましたが、グルールの数次第では3枚の方が良いかもしれません。

赤緑系のデッキは《ドミナリアの英雄、テフェリー》への直接的な回答を持っていないため、《ドミナリアの英雄、テフェリー》プラスで2マナを立てて《霊気の疾風》を構えるという動きが強力です。

《霊気の疾風》でトップに積まれて次のターンに再キャストされたくない時は、相手のドローフェイズ後に《霊気の疾風》を打つことで、キャストを1ターン遅らせることができます。《廃墟の地》を起動すれば完全除去もできますので、必要なら狙いましょう。

2《シュタルンハイムの解放》

ラクドスに対してサイドインします。

ラクドスはサイド後に除去などの無駄牌がすべて手札破壊になるので、ほぼ土地だけ並べてトップデッキ勝負になります。

《真っ白》も入ってくるので土地を捨てざるを得ない場合もあり、《記憶の氾濫》のフラッシュバックも信用できません。

なので、手札破壊から逃がすことができ、かつ5枚の土地で盤面を有利にできる《シュタルンハイムの解放》は強力です。

《黙示録、シェオルドレッド》が出てくる以外では大体勝てますし、土地が伸びた状態ならX=4でほぼ勝ちになります。サイド後の主な勝ち手段なので2枚採用。

1《ドビンの拒否権》

ファイアーズ系、独創力などはサイド後に《神秘の論争》でスペルを通してこようとするので、《ドビンの拒否権》は強力。

《鏡割りの寓話》が入っているデッキにはとりあえず4枚目をサイドインします。これにはラクドスも含まれます。グルールからも出されたらサイドインしましょう。

《鏡割りの寓話》、禁止してくれ。

1《勢団の銀行破り》

ラクドスに対してサイドインします。《精神迷わせの秘本》との選択になるのですが、《ヴェールのリリアナ》に対しても圧のある《勢団の銀行破り》が良いと判断してこちらに。

リソース獲得手段をサイドインすると土地がしっかり伸びてくれるため、ラクドスに対しての耐性が少し上がります。それでも1~2枚が限界です。

1《サメ台風》

増やす相手はスピリット、イゼットフェニックス、同型と青い相手になります。

青いデッキは《神秘の論争》を入れてくることが多く、《ドミナリアの英雄、テフェリー》がその的となりやすいので、何枚かサイドアウトすることになります。そうなるとフィニッシャー不足に陥るので、《サメ台風》と後述の《船砕きの怪物》で補う必要があるのです。

1《船砕きの怪物》

サイドインする相手はイゼットフェニックスと同型。スピリットには入れたり入れなかったりで、入れてうっとうしい時もあれば活躍することもあるので、かなり悩んでいます。

基本的な役割は上記の通り、《ドミナリアの英雄、テフェリー》をサイドアウトすることで起きるフィニッシャー不足の解消です。

軽いキャントリップスペルが入っていないので、そこまで能力は過信できませんが、それでも強力。

《魂の仕切り》で自分の《放浪皇》を追放して再キャストして《船砕きの怪物》をたくさん誘発…なんてことも一応できます。

■採用しなかったカードについて

《孤児護り、カヒーラ》

アゾリウスコントロールを回しながら、常に「もし《孤児護り、カヒーラ》があったらどうするか」を考えていて、今は採用しない寄りになっています。

序盤は相手の攻勢をさばき、中盤はドロースペル、そして《ドミナリアの英雄、テフェリー》着地からマウントと言った展開のどこにも《孤児護り、カヒーラ》は絡みませんでした。

先に説明したように、メイン戦ではクリーチャーを出すと相手の余っている除去がどんどん当たります。《孤児護り、カヒーラ》は一瞬で除去されるのでブロッカーとしての性能は皆無です。

とにかく拾うための3マナが重く、《ドミナリアの英雄、テフェリー》がいれば回収できますが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が残っていればどうせもうゲームには勝っています。

一方、ラクドスミッドレンジ相手のサイドボード後は、《孤児護り、カヒーラ》が欲しい展開はそれなりにありました。手札破壊を大量にサイドインされるので、ゲーム外のリソースで場のクリーチャーと相打ちが取れるのは重要です。除去を抜いてくるので、サイド後は相打ちが取りやすいのです。

サイドボード枠の1枚と、相手にアゾリウスコントロールであることがバレるデメリット。これを背負って《孤児護り、カヒーラ》を相棒にするかどうか、実は揺れています。

リスト公開制であれば相棒に指定するのも良いかもしれません。サイドボードもカツカツなので悩ましいところですが、削れるカードがありそうなら、ぜひ試してみてください。ラクドスには少し強くなります。

《軍備放棄》

マジックオンラインで流行っているリストです。これのために《大草原の川》など、平地が多く入っています。

《軍備放棄》はいくつかの理由で、採用したくありませんでした。

まず第一に、《魂の仕切り》より弱い点です。後手を取った時にマナカーブ通りに出てきたカードをそのターンで倒せないことが多々あり、更にソーサリーなので《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出したターンに使うことができません。

そしてもう1つ重要なのが土地事情です。前述のように《軍備放棄》を採用したリストは《平地》を多く採用しており、そのために《大草原の川》という非常に弱い土地を採用しています。基本土地を引かない限りはずっとタップインになるので、中盤に次のターンにアンタップインを引き込みたい状況でタップインするリスクがあります。
基本土地を増やさなければならないので、バリューランドの枚数も減っています。

適正ターンに呪文を唱えられないリスクを抱えており、それによって得られるリターンが《魂の仕切り》より弱いため、《軍備放棄》型は選択肢に入りませんでした。

《一時的封鎖》

自分の《一時的封鎖》で《ポータブル・ホール》を追放するのがあまりに意味不明なので入れていません。
《ポータブル・ホール》を抜いて《一時的封鎖》をたくさん入れることも検討しましたが、《スレイベンの守護者、サリア》に更に弱くなる点が耐えられませんでした。
《ポータブル・ホール》みたいなインスタントが出れば《一時的封鎖》を採用してもいいのですが。

《アーデンベイル城》

同型を制するカードになりうる土地ですが、序盤に引いた場合に5マナ起動するリスクは大きく、《放浪皇》を通されてしまいます。中盤以降に引いて、かつ《廃墟の地》されなくて初めて効果のあるカードなので、ミラーの勝率を大幅に落とすこともなく、不採用としています。

《安らかなる眠り》

墓地対策が必要な相手はイゼットフェニックスとアブザンパルヘリオンですが、そのどちらに対しても《安らかなる眠り》はクリティカルなカードではなく、《記憶の氾濫》が追放されて困る場合も多かったので、デッキから抜くことにしました。

イゼットフェニックスには《宝船の巡航》と《弧光のフェニックス》を封じることができますが、《宝船の巡航》には《才能の試験》があり、《弧光のフェニックス》も複数回帰ってこれないよう、リソースを搾るプレイを徹底(サイドボーディングガイドにて詳細)すれば良いので、墓地対策をする必要がありません。

アブザンパルヘリオンはそもそも《パルヘリオンⅡ》を抜いてアブザンミッドレンジとして立ち回ってきます。《ウィザーブルームの命令》でついでに破壊されますし、《エシカの戦車》の前に何もせず、《思考囲い》も打ってくるため、《安らかなる眠り》が無駄牌になってしまうと、そのまま敗北してしまいます。

これらの理由から、墓地対策は75枚で0枚にしました。

《黎明をもたらす者ライラ》

白単やグルール、赤単に対してサイドインできるカードですが、ラクドスに対して入れたくないので、不採用に。

《絶望招来》《ヴェールのリリアナ》で《黎明をもたらす者ライラ》を対処されればそのままゲームに敗北します。《戦慄掘り》を受け、追加のプレッシャーを受けても同様。

重いアクションは、除去1枚でひっくり返されないものである必要があります。《シュタルンハイムの解放》は5マナで4/4が2体、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は2マナが立って追加のアクションが取れるので、この条件をクリアしています。

同様の理由で《ヴェールのリリアナ》・《絶望招来》が当たる《夢さらい》も入れたくありません。

《神秘の論争》

スピリットには強い一方、ロータスコンボやイゼットフェニックス、同型ではイマイチなカード。

ロータスコンボは《見えざる糸》からコンボを決めてくるので、《神秘の論争》のマナが簡単に支払えてしまいます。

イゼットフェニックスに対しても、主に打ち消したい対象である《宝船の巡航》に対して無意味。

そして同型戦では、早いターンでゲームを決めてくる青いカードがなく、結局長期戦で手札に浮いてしまいます。《時を解す者、テフェリー》が環境にいたなら3枚ぐらい採用したでしょう。

序盤から青いカードを連打してくるスピリットには強いですが、0枚にした今でもスピリットに勝てているので、不要だと思います。

《太陽の勇者、エルズペス》

ラクドスに対して入れる《シュタルンハイムの解放》枠のカードです。《黎明をもたらす者ライラ》と違い、《戦慄掘り》1枚で対処されないのが売り…だったのですが。

そもそも《戦慄掘り》がかなり効きます。残った3体のトークンに価値がほとんどないためです。《砕骨の巨人》と1対1交換になるだけなので、実質《戦慄掘り》で《太陽の勇者、エルズペス》を対処されてしまいます。
また、《シュタルンハイムの解放》と違って6マナと重く、手札にあるので、出せそうなターンで手札破壊で落とされてしまいます。

このカードを入れるなら追加の《シュタルンハイムの解放》の方が良いと思いました。

■《空を放浪するもの、ヨーリオン》の有無



聞かれることが何かと多い《空を放浪するもの、ヨーリオン》の有無ですが、パイオニアにおいては、僕は60枚一択だと考えています。

その理由は大きく分けて2つあります。

まず1つ目は、《空を放浪するもの、ヨーリオン》のバリューを上げるために必須の《海の神のお告げ》が、パイオニア環境に合っていないことです。
先に話したように、現環境は非常に早く、1ターン目からアクションをしてくるデッキばかりです。相手が2ターン目に《税血の収穫者》を出した返しで《海の神のお告げ》を構える余裕があるでしょうか?出した時にはもう相手の場には《鏡割りの寓話》があります。

出す暇がない

3ターン目に《吸収》を挟み、ようやく一息つけるかもしれないターン。ここで《海の神のお告げ》をプレイしたいでしょうか?答えはノーです。4ターン目は《記憶の氾濫》でスペルや土地を探しにいきたいところ。ここでキャントリップ呪文を唱えている余裕はありません。

《空を放浪するもの、ヨーリオン》のバリューが生きるラクドス相手でさえ、《海の神のお告げ》は出す余裕がありません。

そして2つ目の理由は、デッキが80枚になってしまう点です。

すなわち、このデッキの要となる《ドミナリアの英雄、テフェリー》に辿り着く確率が減ってしまうこと、これが《空を放浪するもの、ヨーリオン》にしてはならない理由です。

常に引きたいんです

このデッキは《ドミナリアの英雄、テフェリー》を引くか引かないかで勝率が大きく変わります。1枚目の《ドミナリアの英雄、テフェリー》を引く確率は、60枚と80枚でさほど変わりませんが、2枚目となれば話は変わります。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》の代わりを《空を放浪するもの、ヨーリオン》が果たすことはできません。《ドミナリアの英雄、テフェリー》はテンポを失うことなくリソースを回復し続けるカードであり、《海の神のお告げ》とゲーム外から回収でテンポロスする《空を放浪するもの、ヨーリオン》では、まったく代用品になりえません。

5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出し、それが対処されなければ勝ち、対処されても2枚目を出して勝ち。これがアゾリウスコントロールの主な勝ち方であり、そのために僕は60枚のアゾリウスコントロールをオススメします。

■マリガンについて

アゾリウスコントロールのマリガンで覚えておくべき重要なことは、ただ1つ。

なるべくマリガンをしないことです。

このデッキはたくさんの呪文とたくさんの土地を必要とするデッキです。マリガンをすると、土地か呪文のどちらかを下に送ることになります。

ラクドスや白単ならば4枚目の土地をボトムに送って、どこかで4枚目の土地を引けばフルパワーに動けるでしょう。

しかし、アゾリウスコントロールは土地を6枚も7枚も必要としています。

そのため、マリガンに対しては多少緩くならなければなりません。

相手も知らない第一ゲームで初手に2マナ域がなかったとしても、《吸収》と《至高の評決》か《放浪皇》があればキープです。

初動3ターン目でもキープ

《記憶の氾濫》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》など、ドロースペルしかない手札はさすがにキープできませんが、ここに《至高の評決》があるだけでとりあえずキープします。

キープ基準となるカードは、

《魂の仕切り》
《検閲》
《ジュワー島の撹乱》
《ドビンの拒否権》
《冥途灯りの行進》
《至高の評決》
《吸収》(先手時のみ)

初手にあればキープ

土地が3~4枚で上記のいずれかがある初手はキープできます。先手なら21枚キープカードがあるということになります。

《至高の評決》は、効く相手には4ターン目に打つことができ、効かない相手は同型やイゼットフェニックスなど、序盤に激しい展開をしてこない場合が多いので、キープしてあまり裏目のないカードです。

逆に注意すべきは、土地が2枚しかない初手です。この場合はキープ基準カードが複数枚あり、《サメ台風》か《検閲》があるならばキープするようにしましょう。土地2枚では一瞬で負けるので、全力で探しにいきます。2ターン目に土地を引かないで相手が2マナを使ってきたら、スルーしてサイクリングすべきです。

■《至高の評決》を上手く使え!

アゾリウスコントロールを使っていると、ついつい《至高の評決》で1対3交換などを取って気持ちよくなろうとしますよね。

気持ちよくなりたい

たとえば相手の初動が後手2ターン目の《税血の収穫者》。こちらは手札に《吸収》と《至高の評決》だけある状態で3ターン目をパス。

相手の後手3ターン目。ここで相手は《墓地の侵入者》を出してきました。

《至高の評決》はあるけど…

ここをスルーし、返しのターンに《至高の評決》を打てば1対2交換です。一見こちらが有利なトレードに見えますが、果たしてそうでしょうか?

ここで《至高の評決》を打って返しに相手は《黙示録、シェオルドレッド》。対処するために《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出してダメージを食らってしまい、返しで《戦慄掘り》を食らって、結局2ターン後に《至高の評決》を打つも《バグベアの居住地》が止まらず、《吸収》が手札で余って負け。あるあるですね。

この状況、僕なら3ターン目の《墓地の侵入者》を《吸収》します。

すると次のターンに相手は《黙示録、シェオルドレッド》などを出してきて、まとめて《至高の評決》できるでしょう。

《至高の評決》をケアして《黙示録、シェオルドレッド》を出してこない可能性ももちろんありますが、大体の場合は4ターン目に強いアクションをしてきます。それは、何もせずターンを終了したら《記憶の氾濫》を唱えられてしまうためです。

隙を見せたらドローします

プレッシャーのかからない状況で打つ《記憶の氾濫》が強いのは既に説明した通り。そしてラクドス側もそれを熟知しているため、なるべく《記憶の氾濫》を打たせないようにプレッシャーを掛けてきます。

《税血の収穫者》だけでは心もとないので、《黙示録、シェオルドレッド》、他には《砕骨の巨人》などを追加してくるでしょう。しかし、《税血の収穫者》と《墓地の侵入者》が並んだらもう相手は何も出してきません。場だけで攻めてくるので、手札の《吸収》も余ってしまいます。

別名ラストエリクサー症候群

《墓地の侵入者》を《吸収》しておくと、次のターンのアクションがとても自由になります。スルーすると《至高の評決》一択になりますが、打ち消せば《放浪皇》・《記憶の氾濫》・追加の打ち消しが受け入れとなります。

《至高の評決》は複数交換ができたら最高のカードですが、そのために不自然に引っ張るのはNGです。複数交換できたら喜びましょう。

ちなみに、この3ターン目の《吸収》をノータイムでプレイすることにより、相手は《至高の評決》を持っていないと思うかもしれません。「《至高の評決》があればここはスルーするか、そうでなくても多少は検討するだろう」と読んでくるためです。

持ってます

余談になりますが、打ち消し呪文を打つかどうかは、その呪文がプレイされた瞬間ではなく、その前から決めておきましょう。相手のミスリードを誘う効果や、こちらの手札がバレにくくなります。

同型では《記憶の氾濫》に打ち消しを打つか悩んでいるだけで、カウンターが何枚あるかすぐにバレます。打ち消しが複数枚ある時は悩まずに打ってきて、《ドビンの拒否権》だけになると悩みながらスルーしてくる場合がほとんどです。

■引き分けにならないために

よく聞くアゾリウスコントロールの悩みと言えば引き分けですね。

僕は40マッチでエクストラターンに入ったことはありません。当然、引き分けも0回です。(引き分け2回はいずれもID)

引き分けは基本的には損です。勝ってる場なのに時間がなくて引き分けになっている人をよく見るので、明日からできる引き分けない方法をいくつか教えます。

相手が悩んでいる間に自分も考える

アゾリウスコントロールは、対戦相手に裏目を引かせるデッキです。動けば打ち消しか《至高の評決》、動かなければ《記憶の氾濫》、攻撃時は《サメ台風》のケアなど、難しい状況が多々発生します。

動く?動かない?

そのため、相手が悩んでいる時間が他のデッキよりも多く感じるでしょう。その間に自分がすべきことは、次のターンのアクションだったり、相手がプレイしてきそうなカードを想定して、それに対するプレイを考えておくことです。

ラクドスが4ターン目に悩んでいたら、《砕骨の巨人》か《墓地の侵入者》か《鏡割りの寓話》が出てくるでしょう。それらのカードが出てきた時にどうするかを、相手が悩んでいる間に決めてしまうのです。

自分に優先権がある時は常に数秒で選択し、相手と一緒に悩む。最初は難しいかもしれませんが、これを徹底しましょう。

最終的にはアゾリウスコントロール以外でもこの技術は活きることになります。

備品を用意する

サメトークン、侍トークン、プレインズウォーカーに乗せるダイス。これらはすぐに取り出せるところに置いておき、瞬時に出しましょう。

公式トークンが一番わかりやすい

トークンはできれば公式のものが望ましいです。これは対戦相手に「そのトークン侍でしたっけ?」「サメですか?」と聞かれて時間をロスしないためです。

アンタップやアタックの動作を素早く

5枚の土地を寝かせる時にいちいち1枚ずつタップするのは時間の無駄です。5枚の土地を一緒に持って一瞬でタップしましょう。

《ストーム・ジャイアントの聖堂》で攻撃する時に土地を吟味するのも時間の無駄です。2色ランドを残して残りをタップするだけなので、使う土地を選ぶのではなく、使わない土地だけを横にどけましょう。

■アゾリウスコントロールとの戦い方

最も難しいのが、アゾリウスコントロールとの戦い方です。先ほども言った通り、打ち消しか全体除去をケアするか、ドロースペルを打たれないようにプレッシャーを与えにいくかなど、選択肢が多く、また裏目を引くと負けに直結します。

アゾリウスコントロール視点では、一番この中で嫌なのは、《記憶の氾濫》を打つチャンスを与えずにプレッシャーをかけてくるプレイです。

打たせてください

打ち消しを怖がって動かなかったり、《砕骨の巨人》を出来事で本体などと言った中間択を取ると、《記憶の氾濫》を打たれる隙を与えてしまい、万全の体制を作られます。

《至高の評決》があれば大きな損、なければ除去1枚持たれていたとしてもかなり有利になるような場が、最も望ましい状態です。

具体的には、《税血の収穫者》と《墓地の侵入者》だけがいる場で更にクリーチャーを追加されるのが一番嫌です。

クリーチャーが2体しかいなければ、《魂の仕切り》《ドミナリアの英雄、テフェリー》で《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着を狙えるため、《記憶の氾濫》でパーツを揃えにいけばよくなります。しかし、追加のクリーチャーがいれば《至高の評決》を探すしかなくなってしまいます。

もちろん、《バグベアの居住地》や《目玉の暴君の住処》がある場合は2体のクリーチャーのクロックで十分です。要するに、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の忠誠度5を、クリーチャーを1体失ってもクロックだけで処理できるギリギリの数が、《至高の評決》を最低限ケアした全展開となります。

あんなにコントロールに強かったのに…

アゾリウスコントロールはドローによる遅れを《至高の評決》で取り戻そうとしてくるので、プレインズウォーカーは非常に効果的です。しかし、注意しなければならないのは、リソースを稼ぐプレインズウォーカーではだめな点です。

なぜかというと、お互いにリソースを稼ぎあうと、確実にアゾリウスコントロール側が勝つからです。《反逆の先導者、チャンドラ》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》が睨み合ってラクドス側が勝つビジョンは見えません。以前は《反逆の先導者、チャンドラ》がそのまま奥義を目指せましたが、今は《魂の仕切り》があります。

そのため、アゾリウスコントロール対策をしたいなら攻撃的なプレインズウォーカーを推奨します。《世界を揺るがす者、ニッサ》などですね。

アゾリウスコントロールを倒すなら私

例外として《ヴェールのリリアナ》は、着地ターンがすさまじく早いため、アゾリウスコントロールには効果的です。しかし逆に盤面に与える影響は皆無なので、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が着地してからでは間に合いません。

相対したら終わり

《ヴェールのリリアナ》が手札にあるのに《検閲》や《吸収》をケアしてまず他のカードから出すのは間違いです。《ヴェールのリリアナ》は早く出してこそ真価を発揮するカードです!

また、普通のクリーチャーは除去しやすい一方で、ミシュラランドが対処しづらいのもアゾリウスコントロールの特徴です。

きついんです

場にクリーチャーが十分にあるのにミシュラランドも一緒に攻撃し、《放浪皇》でミシュラランドを対処されて返しで《至高の評決》を食らうと、攻め手がなくなってしまいます。

ミシュラランドを対処できるのは合計3マナかかる《廃墟の地》、4マナかかる《放浪皇》、1マナの《冥途灯りの行進》のいずれかしかありません。《至高の評決》を打って《廃墟の地》を構えるには7マナ必要になるので、そう簡単なことではありません。
「ミシュラランドを《放浪皇》で対処されないようにする」は大事なので、覚えておきましょう。

最後に、《検閲》は無理にケアしないということも重要です。

怖がらないで

アゾリウスコントロールはとにかくゲームを遅らせたいデッキです。《検閲》に当たらないように4ターン目に《墓地の侵入者》を出すと、アゾリウスコントロール側は1ターンをタダで得た上に使うはずだった《検閲》をドローに変えることができます。

もちろん、3ターン目に《税血の収穫者》と《墓地の侵入者》があり、相手が2マナを立てているなら、すべての行動で《検閲》をケアした方が良いでしょう。ケアできる時はしても良いのです。

ただ、《検閲》をケアして《砕骨の巨人》をプレイせずに出来事で唱えるのはやめましょう。1ターン遅く《砕骨の巨人》を出しても、攻撃できないまま《至高の評決》に巻き込まれるだけかもしれません。

まとめると、

・《記憶の氾濫》を楽に打たせないプレイをしよう。
・1体対処されてもテフェリー(忠誠度5)を落とせる場を作る。《至高の評決》をケアしすぎない。
・プレインズウォーカーが効果的だが、アドバンテージを稼ぐよりもプレッシャーを与えるものが良い。
・《ヴェールのリリアナ》は早く出そう。
・ミシュラランドを《放浪皇》で除去させない。
・《検閲》を必要以上にケアしない。

この辺りを意識すると、アゾリウスコントロールに勝ちやすくなります。

ラクドスミッドレンジ側の視点が多いですが、一部は他のデッキでも使えるテクニックです。

■サイドボーディングとゲームプラン

VSラクドスミッドレンジ

先手
+2《シュタルンハイムの解放》
+1《ドビンの拒否権》
+1《勢団の銀行破り》
ー2《魂の仕切り》
ー2《至高の評決》

後手
+2《シュタルンハイムの解放》
+1《ドビンの拒否権》
+1《勢団の銀行破り》
ー3《サメ台風》
ー1《至高の評決》

・相性
メイン:有利
サイド:不利

・ゲームプラン
マッチ全体を通して意識することは、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着。一度場に残ればほぼ勝利です。

最重要カード

ただし、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着に必要以上に固執するのはNG。盤面に何もない状態で《戦慄掘り》を打たれたら《ドビンの拒否権》や《吸収》を打っても良いですが、《税血の収穫者》がいるならば大人しく受け入れた方が良いでしょう。《税血の収穫者》のアタック+《砕骨の巨人》で落とされるリスクがあるためです

《ドミナリアの英雄、テフェリー》に対して《戦慄掘り》を打たれるのは、アドバンテージ面では得をしていますし、相手の展開も阻害しているので十分。

大人しく喰らいましょう

メイン戦では相手の妨害が少なく、除去が大量に手札に余るので有利です。《記憶の氾濫》を安全に打てれば勝利目前で、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が定着して勝ちに。

サイド後は除去がすべて妨害に替わるので、厳しいマッチになります。とにかく土地を並べてトップデッキで解決するイメージで挑みましょう。

こちらが先手の場合は相手の3マナ域に対して《吸収》が当たるので、盤面が大幅に不利になっていないことが多く、《至高の評決》が必要な場面が少なくなります。《魂の仕切り》も抜き、《サメ台風》でクリーチャーに対応するようにしています。

後手番では《税血の収穫者》などの2マナ域が重くなりがちなので、《魂の仕切り》を4枚にして延命を試みます。

・意識すること
1.特にサイド後は、マリガン基準を緩くします。2マナカウンターがないからといって手札を減らすのはNG。相手は《思考囲い》と《強迫》で6枚のハンデスが入っており、追加で《真っ白》もあるので、手札の枚数が重要なマッチです。

2.絶対に打ち消したい呪文は序盤の《鏡割りの寓話》。《検閲》は《税血の収穫者》に当てずに、《鏡割りの寓話》までしっかりと温存しましょう。3ターン目に《鏡割りの寓話》が出てこなかったら、代わりの対象に《検閲》を使ってよく、出てこなければサイクリング。

3.《サメ台風》のXは《税血の収穫者》を倒すなら2でもいいですが、基本は3/3を倒したいので3。ただしメイン戦では《致命的な一押し》が飛んでくるので、サイズに固執せずにサイクリングしてOK。

4.X=2の《サメ台風》は《砕骨の巨人》が当たるので、サイド後は特に注意。

5.《吸収》は使える内に使いましょう。上手い相手は《吸収》するかどうかギリギリのラインのカードをプレイしてきます。プレッシャーになるカードにはとりあえず《吸収》を打ちます。《思考囲い》に《吸収》を打つこともよくあります。

6.このマッチでは手札破壊を大量にサイドインされるので、2マナ以下のカードがないからといってマリガンしないようにしましょう。土地を並べてトップデッキ勝負が基本戦略なので、キープ基準を緩くしましょう。

VS緑単信心

+2《霊気の疾風》
+1《ドビンの拒否権》
ー1《サメ台風》
ー2《至高の評決》

・相性
メイン:五分
サイド:有利

・ゲームプラン
《ドミナリアの英雄、テフェリー》を1枚で対処できるカードがないので、とにかく定着を目指します。打ち消しを挟んで5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出すのが、勝利への一番の近道です。

5ターン目に出せ!

《老樹林のトロール》に殴られて忠誠度が1になっても、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が生き残りさえすればOKです。生き残れば《至高の評決》+《吸収》と構えられます。

5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出した時に相手の場に5点クロックがなければ良いので、それを逆算して4ターン目までを過ごしましょう。

唯一《大いなる創造者、カーン》は《真髄の針》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》を1枚で処理できてしまうため、マストカウンターです。

マスカンです

《ドミナリアの英雄、テフェリー》と《記憶の氾濫》でこちらは妨害札を確保し、相手はマナソースがたくさん入っているので、しっかり対処していくと自然と相手が息切れしていきます。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》を生き残らせて相手をガス欠させることを意識しましょう。とにかく《ドミナリアの英雄、テフェリー》がカギとなるマッチです。

・意識すること
1.《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着。

2.1ターンに複数回のアクションを取らせないことが最重要です。《老樹林のトロール》が生き残っても、返しで《ニクスの祭殿、ニクソス》から3マナが増えるだけです。それが8マナになると《大いなる創造者、カーン》+《大いなる創造者、カーン》になりますが、6マナなら《収穫祭の襲撃》を打たれるだけで済みます。目の前のカードを対処するかどうかは、次のターンに出てくるマナの総量で決めましょう。

3.先手2ターン目の《老樹林のトロール》には後手2ターン目に《魂の仕切り》を当てましょう。《検閲》は構えない方が良いです。次のターンに《ニクスの祭殿、ニクソス》を置かれると5マナ出て《大いなる創造者、カーン》が通ってしまうので、《検閲》を構えても仕方ありません。《茨の騎兵》なら打ち消せますが、《魂の仕切り》を打っておくとそもそも《茨の騎兵》が出なくなります。《ドビンの拒否権》なら構えておいて、動き次第では相手のターンに《老樹林のトロール》を《魂の仕切り》しましょう。

VSイゼットフェニックス

+3《才能の試験》
+1《サメ台風》
+1《ドビンの拒否権》
ー2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
ー2《至高の評決》
ー1《吸収》


・相性

メイン:有利
サイド:有利


・ゲームプラン

序盤にプレッシャーがないので、《記憶の氾濫》を楽に打つことができ、さほど苦戦しません。

とにかく相手のクリーチャーを除去していき、《宝船の巡航》と《パズルの欠片》にすべての打ち消しを合わせていきましょう。

リソースを取らせない!

《弧光のフェニックス》は無限に帰ってくると思いきや、リソースを枯らせば全く帰ってこなくなります。《魂の仕切り》も非常に強力なカードです。

サイド後は《崇高な工匠、サヒーリ》や《鏡割りの寓話》などで勝とうとしてきますが、基本的なゲームプランはやはり《宝船の巡航》と《パズルの欠片》の狙い撃ちです。

サイド後は《神秘の論争》が入ってくるので、《ドミナリアの英雄、テフェリー》をサイドアウトします。《サメ台風》と《放浪皇》だけで勝つようにしましょう。


・意識すること

1.《才能の試験》の対象は《パズルの欠片》と《宝船の巡航》。

2.《魂の仕切り》を使う先はクリーチャーしかないので、どんどん使っていきましょう。《帳簿裂き》も《弧光のフェニックス》も見たらどんどん《魂の仕切り》です。《帳簿裂き》1体に《至高の評決》を打っても良いですが、《宝船の巡航》を返しで打たれないように、墓地の枚数には注力。

VS白単アグロ

+4《ポータブル・ホール》
ー3《ドビンの拒否権》
ー1《サメ台風》

・相性
メイン:不利
サイド:不利

・ゲームプラン
とにかく除去除去除去《ドミナリアの英雄、テフェリー》か《至高の評決》から《ドミナリアの英雄、テフェリー》です。

打てば勝てますよ。打てればね。

単純明快ながら遂行するのは極めて難しいです。特にメイン戦は先手2ターン目に《スレイベンの守護者、サリア》が出てきたゲームは9割負けると言って良いでしょう。次のターンに《輝かしい聖戦士、エーデリン》が出てきて《変わり谷》が待機してゲームセットです。

サイド後に《ポータブル・ホール》を入れて《スレイベンの守護者、サリア》に対応しようとしていますが、相手が入れてくる《婚礼の発表》が強すぎて、やはりサイド後も不利です。

プレイ面で気を付けることは特にありませんが、とにかくかなりツいてないと勝てません。先手を取って《スレイベンの守護者、サリア》を打ち消して《至高の評決》まで繋がれば勝てます。

・意識すること
1.このマッチではマリガンをとにかく厳しくしましょう。《スレイベンの守護者、サリア》が生き残ったら100%負けます。先手なら《検閲》・《ジュワー島の撹乱》・《魂の仕切り》・《ポータブル・ホール》、後手は《ポータブル・ホール》、または《魂の仕切り》+《至高の評決》のセットなどが必須になります。

VSロータスコンボ

+3《才能の試験》
+2《霊気の疾風》
+1《ドビンの拒否権》
+1《船砕きの怪物》
+1《サメ台風》
ー2《至高の評決》
ー2《魂の仕切り》
ー2《冥途灯りの行進》
ー2《ドミナリアの英雄、テフェリー》


・相性
メイン:不利
サイド:五分

・ゲームプラン
とにかくクロックパーミッションを仕掛けましょう。

このマッチは、特にメイン戦では《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着に全く意味がありません。速やかに《放浪皇》と《サメ台風》を出して殴り勝つのみです。

急げ~!!

対ロータスのメイン戦では、マリガンを厳しくした方が良いです。必要な土地枚数は5枚~6枚で、《放浪皇》と《サメ台風》と打ち消し呪文以外はいりません。

サイド後は相手のキーカードである《見えざる糸》と《熟読》に《才能の試験》を合わせましょう。

《才能の試験》で狙え!

《才能の試験》で《見えざる糸》や《熟読》が抜けると《ドミナリアの英雄、テフェリー》のプラスで打ち消しを引き続けて勝てることもあるので、サイド後は《ドミナリアの英雄、テフェリー》の価値は上がります。

《終止符のスフィンクス》のために《至高の評決》を残していますが、リスト公開で入っていないことが確認できているならサイドアウトしましょう。《魂の仕切り》は《砂時計の侍臣》に当たるので残して良いです。サイド後はよく素出ししてきます。

・意識すること
1.《才能の試験》の対象は《見えざる糸》と《熟読》。

2.《森の占術》は打ち消します。最序盤は《睡蓮の原野》のサーチを防ぐためで、中盤以降は《演劇の舞台》を場に増やさせないためです。マナが増えると行動回数が増えるので、消しましょう。《才能の試験》は温存してください。

3.《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出したターンの返しが一番隙になるので、《才能の試験》で手札を見て安全を確認してから出しましょう。

4.とにかくこちらがビートダウン側です。殴らなければ勝てません。

VSアブザンパルヘリオン

+1《ドビンの拒否権》
ー1《至高の評決》

・相性
メイン:有利
サイド:有利


・ゲームプラン
イメージは《鏡割りの寓話》が入っておらず、不純物の多いラクドスです。《パルヘリオンⅡ》には《魂の仕切り》があるので、必殺技も効きません。

10マナでプレイしてどうぞ

《エシカの戦車》が厳しいので、しっかり打ち消しましょう。

手札破壊を絡めて無理やり《エシカの戦車》を通されるので、《思考囲い》にも打てるように《ドビンの拒否権》を増やします。

《エシカの戦車》は一度打ち消しても《大牙勢団の総長、脂牙》で戦場に出てきますが、《大牙勢団の総長、脂牙》の方を《魂の仕切り》しましょう。《大牙勢団の総長、脂牙》を打ち消すと《未練残り》で釣られるので、追放が効果的です。

ファストランドが多いので、一度《魂の仕切り》した《大牙勢団の総長、脂牙》が戻ってくるターンは割と遅かったりしますし、《検閲》もよく当たります。

プレインズウォーカーを対処できないデッキなので、緑単と同じように、とにかく《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着を意識しましょう。


・意識すること
1.《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着。

2.《思考囲い》にも可能な限り打ち消しを打ちましょう。ただし手札に2枚の打ち消しがあり、片方しか打てない状況では、後続を打ち消すためにスルー。

3.《忌まわしい回収》はよっぽど余裕がない場合を除いてスルー。打ち消して《エシカの戦車》を通されるのが最悪です。

VSスピリット

+4《ポータブル・ホール》
+1《サメ台風》
ー2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
ー3《ドビンの拒否権》


・相性
メイン;有利
サイド:有利


・ゲームプラン
《至高の評決》をとにかく打つことです。1回でかなり有利になり、2回でほぼ勝利です。

打ち消されません

《サメ台風》も強力なカードで、インスタントタイミングで出てくるとスピリット側はほとんど対処手段を持っておらず、一方的に打ち取ることができます。

《サメ台風》を乗り超えるためには《至高の幻影》などを並べて物量で押すしかなく、そうなると《至高の評決》が突き刺さります。

サイド後も相手は打ち消しを増やす程度で、ゲームプランが大きく変わることはありません。

《形成師の聖域》が入ってくる場合がありますが、《ポータブル・ホール》が4枚あるので問題ありません。

とにかく《サメ台風》を上手く使うことと、《至高の評決》を通すことに全力を注ぎましょう。


・意識すること
1.4マナ構えている状態で《至高の評決》を打ってはいけません。ターン終了時に《集合した中隊》を打たれてすぐにリカバリーされます。

2.《サメ台風》のXは最低2にして相打ちを取れるようにしたいです。理想は一方を取り、そのままブロッカーになることなので3以上。

3.《鎖鳴らし》は厄介なクリーチャーなので、サイド後の《ポータブル・ホール》の対象として優先度を高めに。

4.《至高の評決》を《呪文捕らえ》されないよう、《サメ台風》などを囮にしましょう。たとえば相手が5マナしかない状態の時に、《鎖鳴らし》の攻撃に対して3/3の《サメ台風》を作り、《至高の幻影》を出させて相打ちを取らせ、返しで《至高の評決》→《呪文捕らえ》→《吸収》と当てるなど、相手の《呪文捕らえ》+打ち消しの構えを崩せるようにプレイしましょう。

5.《呪文捕らえ》の釣り出しには、《記憶の氾濫》も有効な手段です。《記憶の氾濫》は《呪文捕らえ》されると、《呪文捕らえ》が戦場を離れても1枚も手札に加えることができません。そのため、相手はなるべく《呪文捕らえ》を《至高の評決》に使いたくなります。これは《至高の評決》前の釣り出しにも有効です。

VSグルール機体

+2《霊気の疾風》
+2《ポータブル・ホール》
ー3《サメ台風》
ー1《ドビンの拒否権》


・相性
メイン:有利
サイド:有利


・ゲームプラン
《至高の評決》が有効なマッチアップです。とにかく守りを意識しましょう。こちらから攻める必要は一切ありません。

ひたすら除去と打ち消しを繰り返せば勝利です。

《至高の評決》で返せないカードは《エシカの戦車》だけなので、《ドビンの拒否権》を構えて《至高の評決》を打てば安全です。

《至高の評決》はすべてを解決する

サイド後に《形成師の聖域》や《漁る軟泥》を見た場合や、《エルフの神秘家》などが減っていないところを確認できたら、《ポータブル・ホール》を4枚入れましょう。《ドビンの拒否権》を全部抜いてOKです。

逆に《鏡割りの寓話》が入っているリストの場合は、《ドビンの拒否権》を抜かずに、《ポータブル・ホール》のサイドイン枚数を1枚にとどめます。


・意識すること
1.《抹消する稲妻》が入っているので、パワー1が場に残っているだけで、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は対処されてしまいます。《抹消する稲妻》は手札でずっと浮くカードなので、打ち消すかどうかは手札と相談しましょう。受け入れた方が良い場合も多いです。

2.《恋煩いの野獣》に対しては、脇の1/1トークンを除去するのも効果的です。特にサイド後は《至高の評決》で巻き込まれることを嫌って《ラノワールのエルフ》などが抜けていく傾向になるので、《恋煩いの野獣》が動かなくなる確率が上がります。

VSケルーガファイアーズ

+2《霊気の疾風》
+1《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
ー2《冥途灯りの行進》
ー2《至高の評決》


・相性
メイン:有利
サイド:有利


・ゲームプラン
打ち消して《ドミナリアの英雄、テフェリー》と《記憶の氾濫》で蓋をします。

相手は大量の除去とクリーチャーで構成されたミッドレンジのようなものなので、1対1交換を取り続けているだけで勝手に勝利が近づいてきます。

サイド後は《神秘の論争》で無理やり《鏡割りの寓話》を通してくるので、《ドビンの拒否権》をしっかり当てましょう。《吸収》を打って《神秘の論争》で通されたら目も当てられません。


・意識すること
1.《創案の火》は序盤はマストカウンター、手札がなくなった後はスルー。

2.《ドミナリアの英雄、テフェリー》への《力線の束縛》はむやみに《ドビンの拒否権》で打ち消さないようにしましょう。《創案の火》を通される原因になります。

VSエニグマファイアーズ

+2《霊気の疾風》
+1《ドビンの拒否権》
+1《船砕きの怪物》
ー4《至高の評決》


・相性
メイン:有利
サイド:有利


・ゲームプラン
ケルーガファイアーズ相手と基本はほとんど同じですが、入っているクリーチャーの多くが貧弱なので、《奇怪な具現》さえ通さなければ、プレッシャーもさほどありません。

これだけは通せません

《ドミナリアの英雄、テフェリー》と《記憶の氾濫》で打ち消しをかき集めましょう。

戦い方自体はケル―ガファイアーズとほとんど同じです。


・意識すること
1.《創案の火》は序盤はマストカウンター、手札がなくなった後はスルー。

2.《ドミナリアの英雄、テフェリー》への《力線の束縛》はむやみに《ドビンの拒否権》で打ち消さないようにしましょう。《創案の火》を通される原因になります。

3.《奇怪な具現》は《魂の仕切り》で対処可能。

4.《月恵みのクレリック》のサーチ後に《廃墟の地》を起動することでサーチを無効にできます。

VSアゾリウスコントロール

+3《才能の試験》
+1《船砕きの怪物》
+1《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
+1《勢団の銀行破り》
ー4《至高の評決》
ー2《冥途灯りの行進》
ー1《ドミナリアの英雄、テフェリー》


・相性
メイン:五分
サイド:五分

・ゲームプラン
《記憶の氾濫》を一方的に打ち続けて勝利、または《サメ台風》と《放浪皇》でビートダウン。

前者はメイン・サイド共に狙うことができ、後者は主にサイド後です。

お互いにターンエンド時が安全だと思ってフルタップで《記憶の氾濫》や《ヴァントレス城》に手をかけると、《放浪皇》を通されるので注意してください。《放浪皇》の返しに《ドミナリアの英雄、テフェリー》が出せれば良いですが、アクションがないとほぼ負けです。

強すぎる、このカード

また、《放浪皇》の返しのアクションを打ち消されてもそのまま負けてしまいます。
攻める際はこの勝ち手段を意識しましょう。

サイド後は《船砕きの怪物》を引いた方が有利になりますが、《記憶の氾濫》を《才能の試験》で抜くことで、片方だけがリソースを稼ぎ続ける、一方的なゲームになります。

《船砕きの怪物》は《魂の仕切り》でなかなか場に定着しないので、実は先に引いたからと言って必勝というわけではありません。

《船砕きの怪物》の再キャストには9マナかかるので、《記憶の氾濫》なしで土地を9枚並べつつ、《船砕きの怪物》の誘発を発生させる呪文を唱えるのも困難です。

《才能の試験》で《記憶の氾濫》を抜いた際は、《船砕きの怪物》が定着しても諦めないようにしましょう。

・意識すること
1.《放浪皇》を出す隙を与えてはいけません。特に気を付けるべきは6マナある状態での《放浪皇》+《ドビンの拒否権》です。《ヴァントレス城》を起動する際は必ずこの構えを作られないように、こちらも打ち消しのマナを確保できるようになってからに。

2.《才能の試験》は《記憶の氾濫》に打ちましょう。リソースを一方的に取れるようになり、勝利します。

3.《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出す際は必ず《ドビンの拒否権》を構えながら。逆に言えば、構えている状態ならどんどん《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出して良いですが、《吸収》に対して決して深追いはNG。

4.同型とわかったらとにかく土地が多いハンドをキープしましょう。初手全部土地でもOKです。

5.ディスカードフェイズに絶対に入らないようにしましょう。手札が7枚の状態で《記憶の氾濫》を打ってはいけません。

6.サイド後の《サメ台風》はなるべく大きなサイズに。土地を置ける限りは手札に温存し、手札の土地がなくなったらサイクリングするイメージを持ちましょう。

■おわりに

アゾリウスコントロールについて、僕が伝えられることをすべて詰め込みました。

長い文章ですが、楽しんでもらえたら何よりです。

この記事がこれからパイオニアを遊ぶ皆様の助けになることをお祈りしています。

それではまた。

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