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【今でしょ!note#173】組織の上に行くほど、問われてくるもの

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

人数が多い大企業で勤務していても30代半ばの中堅管理職くらいになってくると、役員クラスと話す機会も増えてきます。
また、自分が若い頃に課長や部長だった人が、役員になったり、グループ会社の社長になったり、事業部責任者になったりということも出てきます。

私は若手の頃から比較的機会には恵まれており、会社の役員やお客さんの要人と直接話す機会を何度かいただいてきて、20代のうちから「組織の上に行けば行くほど、問われてくるもの」を直接聞く機会がありました。

このトピックは、私が発信活動を通して伝えたいことの一つ「管理職という仕事の面白さ」にも通ずるところがあると思ったので、本記事で論じていきたいと思います!


1 先読み力と仕事の価値定義

まず一番はこれです。
階層型組織において、上に行けば行くほど、先を見て時勢を読んでいくことが大切です。

仮に、「社長」、「本部長」、「事業部長」、「部長」、「課長」、「係長」、「一般社員」という役職がある組織があるとして、目の前の仕事をきちんと完遂させていくという役割が与えられるのは、大体「課長」「係長」「一般社員」くらいのレイヤーでしょうか。
当然、今すぐやらないといけないことも仕事の中にはたくさんあって、それはそれできちんと向き合う必要がある。
多くの組織では、上の役職になればなるほど、責任所掌範囲が広がりますよね。だから、社長が全ての目の前の仕事を細部まで全て自分でやるということは到底不可能なのは想像しやすいでしょう。

では、「課長」以上の役職の人は、どういう役割かと言うと、組織という名の船全体が向かうべき方向を示していくことです。
会社の大小で変わる部分もあると思いますが、私の感覚としては、課長くらいの役割であれば、大体3〜5年後の自分たちの事業をどうしたいかを考えて日々の判断を行うのが大切です。部長以上になってくると、5〜10年後、社長は10年以上先を見据えた判断が必要という感触です。

どうしても現場側では、目の前の船の操縦に精一杯になりがちです。だから、役職のレイヤーが上がるに連れて、ヘリコプターくらいの視点で船が向かう先に嵐がないかを確認して行き先を決める役割(課長)、雲の上から船の行き先を確認する役割(部長以上)、宇宙視点で行き先を決める役割(社長)という役割が必要なのです。

そうなるとそれぞれの役職で求められる役割として、「視座を上げて、視野を広げていくことが必要」なのは分かったけど、「実際にそれができるのか?」という問題に直面します。
だから、大人になっても、もっと言えば年齢を重ねれば重ねるほど、勉強が大切なのです。現実問題として、役職が上がれば勝手に視座が高まっていくなんてことはないですよね。自分で乗り物を変えて、より高い場所から全体を見るためには、世の中の動きを知り、自分たちはどこへ向かうべきなのかを判断していく必要があります。
このあたりの考え方が根底にあるので、「リスキリング」なんて言葉は何言ってるんだろう?という気持ちになってしまうのです。

そして、より高い視点から自分たちの船が向かうべきところを決めたら、なぜ自分たちはそちらに向かう必要があるのか(=このまま進んでも、嵐が待っている)を、自分の組織メンバーに示すことが必要です。
これが、「仕事の価値定義」に込めた意図で、いくら役職が上の人の意見でも、その判断が合理的でないと感じたら、下は付いてきません。
こちらに向かうことには意味がある。そちらに向かうことで自分たちの事業が社会にもたらす価値が最大化される。こういうことを示すのが大切になってきます。

2 「言葉」を使って成果を出す

次の論点は、「言葉」を使って仕事ができるようになることが問われるというものです。
1点目でも述べた通り、組織の上に行けばいくほど責任所掌範囲が広くなり、自分が全ての仕事の中身の細部まで全部を自分でやることなど到底できなくなります。
その一方で、自分たちの事業が向かうべき場所を定めて、船員たちを先導していくためには、各現場の実情をできるだけ把握しようと努め、マネジメントリーチを長くしていくことが必要です。

そこで大切なのが「言語化能力」です。
誰でも分かる言葉で、より多くの人の共感を得ながら、多くの人の心に火を付けて事業を運営していくためには、洗練された言葉を発信して端的にポイントを伝える能力が問われます。

また、マネジメント対象の組織が大きくなるほど、一人一人の社員と時間をかけてじっくり話すことは難しくなってきますから、社員側から見ればたまにしか会わない・話す機会がないタイミングで、いかに現場側で頭を使うための問いかけができるか。
同じ1分という時間でも、この問いかけ方・求めるレベルの伝え方次第で、現場側のパフォーマンスが大きく変わってきます
別にこの話は役員クラスの話だけではなく、現場の担当課長レベルにおいても、「どのような伝え方をすればチーム成果が最大化されるか」と言うことに日々直面します。

チームで生産性を上げていく時に必要なのは、無駄なことにかける時間を最小化して、本来時間をかけるべきところに十分に時間をかけることです。

この無駄なことにかける時間を最小化する手段として、「管理職側が現場ですぐにその目的を理解して動けるような伝え方をすること」というのが非常に重要です。
伝え方が曖昧で仕事の目的が十分に理解されないと、現場側で「あの意図は何だったのか」というコソコソ話が始まり、ああでもない、こうでもないと無駄な資料作成が始まったりします。

「伝え方次第でチームのパフォーマンスが変わる」の分かりやすい例ですね。

また、役職が上がるほど、自分が思っているよりも、配下のメンバーから見たパンチ力が上がっていますから、この点も注意が必要です。パワハラは当然論外ですが、自分が何気なく放った言葉でも、現場を混乱させてしまうことがあります。

これは、特定の分野に限った話ではないと思います。あらゆるフィールドにおいて、「書く」「話す」の筋肉を常時鍛えておくことが自分の価値を高めることに繋がります。

3 若い人を見る

最後は、上に行けば行くほど、若い人をよく見ることが問われると言う論点です。
詳細は過去記事でも紹介しているので、よければぜひご覧ください!

過去記事で紹介している論点は「若い人からこそ学べ」「若い人は上の一挙手一投足を見ているから、それに恥じない振る舞いを」「若い人との仕事は楽しい」です。
本記事の1、2の論点と紐付けてもう一つ付け加えるとするならば、「先を読んで仕事の価値を定義し、言葉を使って全体でパフォーマンスを上げていく」ために必要なのは、どのような伝え方・言葉がより響くのか?をよく理解することです。

それを理解するためには、市場調査・顧客調査と同じで、「自分よりも若い人のことをよく理解すること」が肝要になってきます。
若い人をよく理解するためには、彼ら・彼女らとよく話すことが必要で、若い人にとっても「この人と話すことは時間の無駄ではない」と思ってもらえるように、わざわざ時間をかけて話すに値する人、と認識してもらう必要があるのです。

「最近の若い人が考えていることが分からない」と世代ギャップを憂いているマネージャーは、「自分は仕事ができない」と公言しているのと同じですね。
幾つになっても自分を磨き、若い人から選んでもらう人間的な魅力を高めていくことが求められているのです。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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