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書けないとき、その理由を理解して書けるようになる方法(+AIの利用)について。

ライターなら誰もが、理由の如何に関わらず「書けない」ときがあると思います。

これはウェブライターだろうと、雑誌のコラムニストだろうと、新聞記者だろうと、文豪だろうと同じ、そして「書き物」を仕事とする人の、世界共通の悩みかもしれません。

しかも「書けない」事自体をネタにする作家も多いのです。
むしろ、ほとんど定番と言っても良いくらいです。

例えば下で示した〆切本には、「夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話94篇」が収録されており、ライターであれば一度は読んでおきたい本だと、私は自信を持って推奨します。


さて、「どうしても書けない」とき、文豪ならば出版社が待ってくれますが、私のような一介のライターは、そうは行きません。

〆切に遅れれば、メディアや雑誌の編集者は、「はー、こいつ使えねえ」と、ほかのライターを探します。
そして、そのライターがコンスタントに、そこそこのクオリティで書いてくれれば、そのままライター交代、ということも特に珍しくありません。

というのも、メディアにとっては、「圧倒的なコンテンツ力のある書き手」でない限り、多少文章のクオリティが下がろうとも、「コンスタントに必ず原稿が出てくるライター」のほうが、〆切に頻繁に遅れるライターより、ありがたい存在なのです。

これは、事業としてメディアをやっている以上は、仕方ありません。

会社員なら、同僚が「調子のいいときはものすごく働くけど、いつ休んでしまうかわからない人」よりは、「コンスタントに作業し、作業量がある程度読める人」のほうが、いっしょに働きやすい、というのと全く同じです。

したがって「書けないときに、書けるようになる方法」を持っておくことは、ライターにとって死活問題と言っても良いくらいです。
「書けない原因を知り」「この手続に従えば書けるようになる」というやり方を持っておくことも一つの解決法ではないかと思います。


なぜ書けないか

まず、「なぜ書けないのか」を知ることが、書けない状態を打開することで重要なのは言うまでもありませんが、書けない状態は大きく3つにわけることができます。

1.テーマが決まっていないので書けない
2.テーマが決まっているのに書けない
3.やる気が出なくて書けない


1.テーマが決まっていないので書けない


まず、1.の状態です。
テーマが決まっていない、つまり「何を書いても良い」と言う状態は、かなり書きにくく、プロの作家でも苦労するようです。

例えば米原万里は〆切本の中で、「今から15年ほど前に、とある奇特な編集者から、「どんなものでも、いつでも本にしてさしあげます」と声をかけられたことがあるのだが、未だに、そのご厚意に答えられずにいる。なのに「一週間後の今月15日までに原稿用紙30枚、『一人旅』というテーマで」と時間も量もテーマも限定されると、噓みたいに素早く仕事がはかどる」と言ってます。


おなじように、学者が論文を書く際にも「テーマが決まったら、研究は半分終わったようなもの」と聞きました。

また、仮にYoutubeチャンネルを運営しなければならない、となったら、何をやるのか決めるのは大変でしょう。

起業においてももちろん最初に「何の商売をするのか」を決めねばなりません。

書き物も全く同じです。
つまり「テーマ決め」というのは、クリエイティブな活動においては、かなりの苦労を伴う活動、と認識することが始まりです。

では「テーマ決定をどのようにするのか」について答えはあるのでしょうか。
小説など、全くの創作であれば、唯一の答えはないかもしれませんが、少なくとも商業ライターにおいては、答えは存在します。


それは「テーマのマーケットサイズ(そのテーマに関心のある人の数)」を手掛かりにすることです。

例えば本マガジンのテーマは「webライターとメディア運営者の、実践的教科書 」ですが、それ以上のテーマは何も決まっていません。ですから「webライター」と「メディア運営」に関する実務的な指針であれば、内容は何でもよい、ということになっています。

では、「本当に何でもよい」のでしょうか。もちろん、そういうわけにはいきません。これは商業ライティングですから、多くの人に読まれないと、存在意義がないわけです。
ですからできるだけ、「話題になりそうなこと」について書くことが求められます。

ではそれをどうやって調べるのか。
最も手っ取り早いのは、ChatGPTをはじめとした、AIによるアドバイスを使う事です。

例えばChatGPTで「ライティングスキルでよく語られるテーマ」について聞くと、次のような回答があります。

ここでは、
1.文章の構造について
2.語彙力の向上について
3.文章のスタイルとトーン(日本語ではおそらく文体)について
4.文法と構文について
5.創作のヒントとテクニックについて
という5つのテーマが挙がっています。また、他にも挙げてもらうと、

6.コピーライティング
7.ブログライティング
8.技術文書の作成
9.ビジネスライティング
10.エッセイライティング
といった、その周辺のテーマを挙げてもらえます。AIはその原理上、「正解」を導くことは非常に苦手ですが、「関連する知識・話題」を上げるのは非常に得意ですので、このような活用方法は正しいと言えるでしょう。

また、我々が自社で作った「AIタイトルメーカー」も、同様の機能を出力することに特化しています。

AIタイトルメーカーは、日本語圏のSNSやブログ、ニュースなどを中心に学習を行っていますが、出力された結果を比べると、コピーライティングやセールスライティング、技術者のライティング技術など、「テーマ」の一部が非常に似た結果になっていることに気づくでしょうか。

学習をさせているソースが異なるために、結果が完全には一致しませんが、要は「ライティングスキルと言うキーワードと同様の文脈で語られる話題」をAIは表示させていますので、似た結果になるのです。

そしてこれは「AIが「関連がある」と判断するほど、多くの人が気にする話題」ということになります。
ですから、「テーマに困ったら、周辺の話題をAIに聞け」というのは、間違っていないと考えます。

なお、このような出力のしかたは、Googleのキーワードプランナーでは不可能です。
なぜなら、キーワードプランナーは、「キーワードと、その関連のサーチボリューム」しか出力できないからです。
同様に、キーワードの調査ツールは、キーワード周辺の関連性のある話題を出力することには、あまり向いていません。


ChatGPTが大きく話題となりましたが、面白いことにそれと同時に、「AIタイトルメーカー」の利用者も大きく伸びています。
AIを記事づくりに活用することの有用性に気づいた方が多くいた、という事なのかもしれません。
無料で使えますので、試してみてください。
われわれが自社でそのまま利用しているツールなので、役に立つはずです。

以上のことから私は個人的に、AIはライターの能力を強化するツールとして非常に有用であると考えています。


2.テーマが決まっているのに書けない

では次に、2.のテーマが決まっているのに書けない、と言う時の対処方法について説明します。

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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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