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後期高齢者がファストファッションで驚きの大変身!(その1) 

上の二人はどう変わる? おしゃれを諦めがちな日本の後期高齢者

人生100年時代だとすると、定年後の人生も40年近くあることになる。70代80代の高齢者だって健康でさえあれば、外出や旅行を楽しむ時間が充分にある。

筆者は80代の母親、70代の叔母を伴って小旅行に出かけることがあるが、二人とも日ごろから健康に気遣い、サプリを飲んでいるせいか元気だし、まあ実年齢よりは若く見える。

ところが残念なのは、年齢に見合いすぎたその服装だ。「もう歳だから」と、いかにもおばあさん的なデザイン・色の服を着てくる。正直、あまり一緒に歩きたくない。父親になるともっと重症で、ワードローブは灰色(昔はドブネズミ色と呼ばれたらしい)一色である。サラリーマン時代が長すぎて、スーツ以外何を着たらいいのかよくわからないらしい。

欧米ではお年寄りが地味になる傾向はさほど感じられない。海外のリゾート地では派手な色のビキニを着た堂々たる体格の高齢女性がけっこういるし、フォーマルなシーンでは若い女性がブラックドレスに身を包む一方、年配の女性が鮮やかな色のドレスを着ているショットをよく目にする。皆堂々と着こなしているせいか、感心してしまうくらい似合っている。

「日本の高齢者ももっと派手になっていいんじゃない?」 私は素朴にこう思った。

そこで知人の高齢者夫婦に協力を仰ぎ、手頃なファストファッションを利用して欧米調の「明るいシニアルック」で変身していただこうと思いついた。

ご登場いただくのは、群馬県在住のS夫妻だ。お二人は今年揃って77歳の喜寿を迎えられる。その記念に、ということで今回の企画をご快諾いただけた。ご夫妻にはビビットな色とエッジの効いたデザインが揃うH&Mの服を着ていただくことにした。

S氏はこれまでファストファッションブランドを利用したことはなく、また、なんと今まで一度もジーンズをはいたことがないという。理由は、ご本人曰く「O脚が目立ちそうだから」。
その誤解を解くべく、今回、是が非でも初ジーンズにトライして頂きたいと思った次第だ。

S氏のビフォー写真はこちら↓

失礼ながら1ミリの隙もないほどの、見事な爺さんファッションである。スポーツ好きで精悍な顔立ちのS氏を、実年齢より老けて見せてしまっている。

S氏の健康的に日焼けしたお顔には、明るい暖色系のカラーが似合いそうである。そして、最近御髪(おぐし)が気になるというS氏に、普段あまり被らないというキャップを被っていただいた。

以下がコーデ後の写真。比較のため、今一度ビフォー写真も載せてみた。

右の写真;セーター 5999円、カーゴパンツ 4999円、リブニットキャップ 999円 (全てH&M)

元銀行員のS氏は最初こそ緊張した面持ちだったが、1着目のコーデをまとった途端に笑顔になり、10歳も若返った感じになった。 そして、人生初のジーンズ姿。とてもサマになっている。O脚?まったくわからない。↓

ジーンズ 4999円、キャップ 799円、スウェット 左写真 2999円、右写真 3999円(全てH&M)

次にS夫人。ビフォー写真はこちら。↓

元々、丸顔で愛らしいお顔立ちのようだが、この典型的お婆さんファッションではそれがまったく活かされない。残念なケースだ。

色白のS夫人には、華やかなピンクを中心にコーディネートさせていただいた。以下がアフターの写真である。↓

写真左;ジャケット 7999円、中央;カラーシャツ 2499円、パンツ 2999円 右;ワンピース 4999円

S夫人は「ピンクなんて何十年も着たことがない」とおっしゃったが、着た途端に顔色が華やぎ、これまた10歳ほど若返ったように見える。 濃いめのピンクが本人も驚くほど似合い、笑顔がチャーミングだ。

「気持ちまで10歳若返った!」

お二人とも今回の企画を本当に楽しまれたようで、変身後の写真を何枚も撮っておられた。そして、試着した服のほとんどをお買い上げになったのだ。

すごい。後期高齢者の購買意欲、恐るべし。

日本の人口の少なからぬ部分を占める高齢者がおしゃれで活動的で元気になれば、なんとなくではあるが日本自体のパワーも底上げされるような気がしてくる。

日本の高齢者の皆さん、ファストファッションを若者だけに独占させておくのはもったいないですよ。
(*商品価格は撮影当時のものです)

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