強歩会での事件
瞼を閉じると今でも思い出す。
俺の通っていた高校には
強歩会
という鬼のようなイベントがあった。
良くわからん山に置き去りにされ、33キロの道のりを歩いて、高校に戻ってくるというイベントだ。
1人でこの道のりを歩くのはさすがに苦しい。
だから四人組で歩くことがルールになっている。
俺、たくちゃん、まえぞの、みくる
この四人で長い道のりを歩くこととなった。
当日………
俺「ついにきてしまったか、このゴミみたいなイベントの日が……」
たくちゃん「この山はどこだ……」
まえぞの「バスケ部と野球部は試合があるから、途中でバスにのって帰るらしいぞ」
みくる「俺もバスに乗って帰りたい……」
というやる気具合いだった。
先生「よし!!お前ら!!がんばれ!!!33.33キロメートルの距離だ!!!3年間で100キロ歩いたことになる!!」
俺「いや、0.01キロメートル足りんやん。」
たくちゃん「他人事だと思いやがって」
まえぞの「俺去年休んだから100キロならんわ」
みくる「低血圧だからきつい……」
こうしてついにスタートされてしまった。
と言っても、ただ長い道を歩くだけなのでたいして述べることもない。
きついのと、足が痛いだけだ。
しかし、事件が2つ起きたのだ。
この事件は今後、長距離を歩いたり、強歩会に参加する可能性がある人たちのために記載しておく。しっかり読んで、活かして頂けると幸いである。
事件1
交換留学生のジョセファニーブラブランカくんは、なぜか一位を狙うグループに配属された。
山の中にいく際のバスの中で、アホみたいにお菓子やらジュースを飲んで、みんなに心配されていた。
案の定、ブラブランカくんのお腹の調子が悪くなった。スタートしてすぐのトイレに立ち寄り、うんこをする。
しかし、トイレからいっこうにでてこない。そのせいで一位を狙うグループのメンバーはイライラが募ってしまい、
「テメー!ふざけんな!!母国に帰れ!!」「いつまでうんこしてんだ!?ジュース飲みすぎなんだよ!!」
「おい!!!うんこ漏らしてもいいからはやくでてこい!!」
などの暴言をはいてしまい問題になってしまった。国際問題にならないか心配したものだ。
事件2
このイベントには体操服で挑むことになっている。
俺たちの体操服は左胸のところに高校のロゴが入っている。
これが俺たちにとんでもない苦しみを与えた。
たくちゃん「ちっ、乳首がすれて痛い……」
俺「ぐっ……乳首がとれそうだ…」
まえぞの「くそ、俺の乳首がなくなってる。」
みくる「まえぞの、お前は陥没乳首なだけや」
そしてついに、
たくちゃん「ぐあああぁぁぁ!!!」
俺、まえぞの、みくる「どうしたっっ!?」
たくちゃん「乳首が擦れて、血が出てきた………」
これが後に語られる
ロゴで乳首出血事件
である。
もう二度と……
こんなイベントせんでいい。
意味がわからん。
目を閉じると、今でも瞼に浮かぶ…
青き山々に囲まれし果てなき道……
そこを歩く友の笑顔と、血のにじんだ乳首……
~fin~
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