作家に対する家族の理解

こんにちは、憂芽です。
前回ハンドメイド作家であることをカミングアウトすることについて書きましたが、その中でも 同居家族 について言及します。

同居している家族へのカミングアウトや、作家活動に理解を得る方法について、色々と考察してみますね。



同居家族へのカミングアウトは必須 


これについては前回の記事でも書きましたが、製作だけならともかく、販売をすることまで考えれば、室内で完結できません。つまり、カミングアウトせざるを得ないわけです。

通販サイトを使っていても、委託販売をしていても、郵送 という一手間が発生します。
余程 同居家族が家を空けている時間が多いか、あまりにも家族に対して無関心な人でなければ、どこかのタイミングで目に留まるわけです。

ハンドメイド品を取り扱うイベントに自ら出展するならば、出掛ける理由を伝える必要はあるでしょう。
自身の製作活動についてSNSで発信するのであれば、何らかの了承は取った方が無難です(特にライブ配信などを行う場合には)。

また(こんな作家は一握りですが)利益の出し方によっては税金の問題が発生します。
同居家族に対しては「いつか打ち明ける日が必ず来る」と認識しておいてください。


いつ 打ち明けるべきか



同居家族へのカミングアウトは、本格的な作家活動(商売)を始める前が丁度いいと考えています。
趣味で作っている間は、話しても 話さなくても どちらでも良いでしょう。「これ、自分で作ってみたんだ ^ ^」と にこやかに話せる仲であれば、作ったものを見せながら作家活動について打ち明けてしまうのが理想的ですね。


「話して良いものかわからない」のであれば、暫くは自分の胸に収めて、作家活動を夢見て創作を進めましょう。
ここで大事になるのは、同居家族には見えないように、今まで通りの生活をしながら創作をすること。仕事をしている方は、自分の仕事が削られないように。家庭のあれこれを担当しているのであれば、それらが疎かになることがないように。

もしも仕事や家事が疎かになったり、経済的に厳しくなるようなことがあれば、残念ですが作家を名乗るのは諦めましょう。無理を通して作家になっても、どこかで必ず躓きます。

仕事や家庭に何の悪影響も生じることなく、実際に幾つか作ってみて「作家デビューをしたい」と思えるのであれば、次は販路の選定です。自前の通販サイトを作るも良し、ハンドメイド品を取り扱うお店に作品を卸すも良し、自分が出来る範囲の販路を前向きに検討します。


この辺りで、家族へ打ち明けましょう。

①自分の創作物を売りたいこと
②仕事や家族への悪影響は出さないこと
この2点を、打ち明けるお相手が不機嫌でないときに、落ち着いて伝えます。
打ち明けるタイミング以前から創作活動をしており、それでいて家族の生活に何の影響も及んでおらず、販路など具体的な構想も練っているのであれば、反対される可能性は低いと思われます。

本当に反対されるのは、
「私、作家になりたい! 何を作るかって? それはこれから考える!」のように、夢だけ見て理想で話をしている場合。
または「私、作家になります!だから仕事を辞めるね。もしくは家事全部よろしくね」のように、家族の生活に影響を及ぼす場合。

「仕事や家事を辞めて、退路を絶って作家活動をする」というのは、お勧めできません。
作家活動をするには元手がかかりますし、作家活動だけで十分に稼げる保証はありません。
いつか仕事を辞めるにしても、それは作家として生活が成り立つ見通しがついてからにしましょう。



作家活動を始めてからは



そんなこんなで実際に作家活動を始めた後も気をつけるポイントがありますので、それについても書いておきます。

①楽しむ(楽しそうに見せる)


まずは作家活動を楽しむこと。色々と手を回して、せっかく家族へのカミングアウトをしたのですから、後は楽しそうにしていてください。
もちろん作家活動の全てが楽しいとは限りませんが……

「売り上げ上がらなくてつらい」
「SNSの閲覧数が少ない」
「面倒な作業がある」
「他の作家さんや、お店とコミュニケーションを取るのが大変」

このような不満を持つのは当たり前ですし、上手くいかないことに苛々することも少なくないでしょう。
ですが、そんな作家を眺める家族の立場はどうでしょうか?

「嫌なら、辞めれば?」

遅かれ早かれ、そう言い出します。
それはそうでしょう。家族が愚痴だらけで、苛々していたら、それの元凶である作家活動を止めるのは当然のことです。

何も、ずっと楽しくしていなさい とは言っていません。
せめて、家族の前では、楽しそうに、前向きな態度を貫きましょう という意味です。

「売り上げが上がらない」と愚痴るのではなく、「売り上げが上がらない理由は何だろう」と、前向きな態度で追求しましょう。もしくは「数は少ないけれど、誰かの手元にアクセサリーが届いて幸せ!」と喜びましょう。

それで家族は許すのかって?
許しますよ。経済的に困窮させていないのならば。


②家族の趣味に寛容になる


ご自分が作家活動に邁進するのであれば、家族が同じように 何らかの物事に夢中になるのを、応援してください。
自分が作家活動にかける時間と同じくらい、自分が作家活動にかける金額と同じくらい、家族が何かするのを受け入れるわけです。

自分が製作をしている間、家族だって何かしていて良いではないですか。仕事でも、遊びでも、家庭に悪影響を及ぼさない限りでは。


③謙虚な態度



作家として売れっ子になったら、特に気をつけたいのがこの部分。
作家として活動を始めると、何故か態度が大きくなる人がいます。

自分でデザインを考えて、資材を集めて、時間と手間をかけて作ったものが、お金と引き換えに誰かの手に渡って、その人が喜んでいる。

……すごいこと、ですよ。作家として幸せなこと、ですよ。
でも、それを理由に傲慢な態度を取っていいわけではない。

作家として実力があって、それが世間に認められても、家族にとっては作家である前に「家族」であるから。
間違っても「作家をしている私は偉い」なんて考えてはいけません。


結論



同居家族に作家活動に理解を示してもらうのは、それほど難しいことではありません。
ただし、それは、自分が家族の一員であることを自覚して、他の家族への思いやりがあるからこそです。

それをなくしては、作家活動に理解を得られないどころか、そもそも 家族から距離を取られても致し方ないですね。

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