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「男性が育休取って何するの?」

夫の育休が始まって1ヶ月が過ぎた。

この1ヶ月、控えめに言っても人生で最も幸せな期間のひとつになるのだと確信している。
20年余つづく子育ても、この思い出を何度も何度も反芻してツライことも乗り越えていくのだろう。

当たり前だけれど戦力が1人と2人とでは物理的にはもちろん、心の余裕も段違いだ。パパとママに見つめられる娘も心なしか嬉しそうに映る。



わたしの夫は会社で初めての「男性の育休」を3ヶ月取得した。夫の会社はほぼ男性で構成されている。
(年齢の近い先輩があまり居ないこともあって、わたしの夫が第一号となったようだ)


ありがたいことに、夫の直属の上司たちが育休を後押ししてくださった。当然負担の増えることになる上司や同僚の皆さんには、わたしからも本当に感謝している。

男性の育休が実現しつつあるのも、諸先輩方が声をあげてきてくれたからなのだと思うと頭が上がらない。



会社によっては未だに圧力や復帰後の冷遇があるなどと聞く。

夫の場合は年配の女性の先輩から「実際、育休取って何するの?」と聞かれたそうだ。


本当に純粋に育休を取って何をするのかわからなかったのかもしれない。いやそんなわけないか、「育児休暇」なのだから育児だということくらいわかっているはずである。

「いやあ〜たくさん寝て、読みたかった漫画読み切りますわ〜」くらいの返しを期待していたのだろうか、単なるコミュニケーションのつもりだったのかもしれない。

ただ、「男性が育休なんて必要ないでしょ」といった意地の悪い意味を内包している気がしてしまうのは、わたしの意地が悪いのか。



わたしは常々、自分の不幸を他人の幸せのせいにする人間を見ては寂しさを感じている。

自分が不幸なのは、他人が幸せだからではない。自分が不幸だからといって、他人も不幸であるべきというのは暴論である。



学生時代、先輩から理不尽に厳しく当たられたからと言って、自分が上級生になったら同じように後輩に厳しくしてやろうと息を巻く人が大多数を占めていた。

「自分たちが上級生になったら、むしろそのようなことは私たちで辞めにしよう。」と言える人はカッコよかった。


せめてわたしは後者でいたい。
自分がイヤな思いや大変な思いをしたことを、わざわざ後世に残さなくていい。

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