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安心できない【妊娠判明】

心待ちにしていた第一子の妊娠、判明したときには飛び上がるほどの喜びや達成感のようなものが湧き上がるのだろうと思っていた。

ところが妊娠判明までにはいろんなハードルがある。


まずは自身で行う妊娠検査薬での陽性反応だ。
生理予定日の1週間後に使うのが確実とされているが、三日後とかに検査を行った。

時期的に検査結果がまだハッキリ出なかったら嫌だなと思っていたのだが、夜な夜な「妊娠超初期 症状」「妊娠 生理 違い」などと検索をしては何度も目を通したサイトを見てしまう自分に嫌気がさした。

朝イチで検査を行い、くっきりはっきりと陽性が出た。嬉しい!よっしゃ!の気持ちの一方で、どこか確信めいたものがあったので意外と冷静に「やっぱりそうだよね」と思っていた。


次に産婦人科の予約を取って、実際にお腹の中を見てもらう。

妊娠検査薬が陽性でも、病院で診てもらうと妊娠していなかったなんてパターンもある。
検査薬を見ても冷静に気持ちを抑えていたのは「まだわからない」という自己防衛でもあったのかもしれない。
そのため、検査薬で陽性が出たタイミングで夫に報告したが、「でもまだわからないからね」と何度か念を押した。


そして産婦人科に行けばすぐに妊娠が確定するわけでもない。

まず初回の検査で見えたのは赤ちゃんではなく、「胎嚢(たいのう)」と呼ばれる赤ちゃんが育つための三日月型の“袋”である。

まずは一安心なのだが、袋を見せられてもあまりに実感が湧かない。
わたしはこの時点で「卵黄嚢(らんおうのう)」と呼ばれる栄養を蓄える丸い点らしきものも見えた。


再度産婦人科に足を運んで、心拍が確認できればとりあえず妊娠確定となる。

2回目の検査では卵黄嚢がはっきりしたが、心拍は確認できなかった。よくあることらしいが、これだけでもう生きた心地がしない。
3回目の検査で、懸命に点滅する小さい心臓が確認できたときにはホッと胸を撫で下ろした。これが心拍確認というものらしい。


夫と嬉しい気持ちを分かち合い、お祝いと称して何度かちょっと良い夕ご飯を食べたりした。

とはいえ、ここから無事に産まれてくれるまでにもたくさんのハードルがある。
調べすぎも良くないのだけれど、どんな可能性があるのかは心得ていた。

心拍が確認できたとしても、次の検診で止まってしまうこともある。
よく聞く「安定期」というものは医学的には存在しないことも知った。


お医者さんたちの配慮なのか、よくドラマで見る「おめでとうございます、妊娠していますよ」という言葉もかけられなかった。

妊娠しましたヤッター!ではなく、実際は無事に産まれてくれるまで、順調にせっせと育ってくれることをずーっと祈っている感じだった。


なんとも不確定であやうい存在だけれど、同時に強い生命力も感じる。
わずかに点滅するのみだった小さな心臓が、強く早い音を鳴らすようになって、外の世界に産まれてきてくれる。

妊娠・出産は奇跡の連続なのだと、身をもって感じた。

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