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父と夫の違い

 虐待サバイバーのゆうかです。
  
 今日は、結婚後の話から始まります。
 私は26歳のときに、夫と結婚しました。
 
 結婚して間もない頃、キッチンで何かを落としたんです。
 ガシャン!と。

 私は、反射的に身をすくめました。
 罵声が飛んでくると、反射的に体が反応してしまったのです。

 夫はすぐに
 「大丈夫!怪我してないか!」と、とんできたんです。私は、ビックリしすぎて声も出ませんでした。
 
 こんな言葉をかけてもらえるなんて、今までの考えたこともありませんでした。
 こんなに優しい言葉があるなんて知りませんでした。

 
 つまり、私が育った家庭では、絶対にあり得ないことだったからです。

 私はが小さい頃、我が家では、台所で母が皿や茶碗を割る音や落とす音がすると、父は罵声を浴びせるのです。
 「何してるんだ!」
 「いつもいつもなんなんだ!」
 「うるさい!!」
 「気をつけないからだ!」
 「だからお前はだめなんだ!」

 と、延々と続きます。
 母は「ごめんなさい」と謝り、ただ黙って片付けるだけでした。
 
 もちろん、私たち子供が、何かを落としても同じです。
 落とした瞬間にまず謝り、その後に罵声が飛んでくるのを、体を固くして待つだけです。
 
 罵声だけで済むこともあれば、父の興奮が高まると、殴られることもあったのです。

 これが、私にとっては普通の日常でした。もちろん、父は怖かったですが、それすら当然のような光景でした。

 だから、何かを落として大きな音を出したり、落として壊したりすると、罵声を浴びせられると思い、体が反応してしまうんです。

 結婚後に、そうではないことを知りました。今では子供たちも夫の真似をして、私がなにか大きな音を出すと、必ず「大丈夫?」と声をかけてくれるようになりました。

 こんなにも違うものかと実感しています。

 ただ、帰省した時は、何か音がするたびにビクビクし涙が出てしまう私ですが…。


 

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