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Various Artists「A GRP ARTISTS' CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES」(1995)

当時、偶然立ち寄ったブックオフで見つけたCDです。これは1995年にリリースされたGRPレーベル系所属アーチストによるビートルズのカバー集。GRPはデイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが設立したレーベルで、スムースジャズ系の洒落た音楽が連想されます。そのGRPがメロディメーカーであるビートルズをどう料理するのか、非常に聴き手の心をくすぐるアルバムですが、そのアルバムがブックオフの250円コーナーに・・・。当時、こんな良さそうなアルバムが安値で売られていることに驚いた記憶があります。

ビートルズのカバーアルバムというと数多くありますが、私はカントリー系アーチスト達が制作した「Come Together」やL.A.WORKSHOPのノルウェーの森なんかが好みです。

さて本作の中身ですが、以下に曲目と演奏者をアップしておきます。

「The Long And Winding Road」 George Benson
「She's Leaving Home」 McCoy Tyner
「She's So Heavy (A/K/A I Want You)」 Groove Collective
「And I Love Her」 Diana Krall
「The Fool On The Hill」 Tom Scott
「Michelle」 Ramsey Lewis
「A Day In The Life」 Lee Ritenour
「Let It Be」 Nelson Rangell
「Eleanor Rigby」 Chick Corea
「While My Guitar Gently Weeps」 Russ Freeman
「In My Life」 Spyro Gyra
「Here, There And Everywhere」 David Benoit
「Blackbird」 Arturo Sandoval
「Yesterday」 Dave Grusin

スゴイメンバーが集まったものです。音楽的には全体的にフュージョンタッチの味付けが多いですね。またどれも原曲に忠実に、また彼等なりのアレンジで聞かせます。

そんな中でもアレンジ的に一番驚いたのがアルトゥーロ・サンドヴァールの⑬「Blackbird」。恥ずかしながらアルトゥーロ・サンドヴァールという人、知りませんでした。キューバ出身の名トランペッター。
トランペッターらしい豪快なブラスアレンジで、イントロは原曲の繊細な「Blackbird」はひとかけらもありません(笑)。
所謂「4ビート」的ジャズアレンジで、これがまたかっこいい。数ある「Blackbird」のカバーのなかでも、この豪快さは秀逸ですね。

逆に「おやっ?」と思ったのがラス・フリーマンの⑩「While My Guitar Gently Weeps」。アップテンポで打ち込みリズムなアレンジにちょっとがっかり。この曲はやっぱりブルージーにやって欲しいものです。

このアルバムのなかで演奏シーンがないかなあと思ったらありました。やはりこの人、ジョージ・ベンソン①「The Long And Winding Road」。スキャットを交えたジャージーなギターソロはベンソンならではです。
しかしそれにしてもこの人の容姿はキマリすぎてますね(笑)。神館和典著「音楽ライターが、書けなかった話」によると、ベンソンは取材条件に「メイク・アップ・アーチストを付けること」だったとのこと。う~ん、なるほどと思わず唸ってしまいました。
この映像、すっかり歌謡ショーになってます。そして突然ブリージンを演奏します。やっぱりベンソンはギタリストなんですよね。

私の好きなトム・スコットの⑤「The Fool on the Hill」、リー・リトナーの⑦「A Day in the Life」、スパイロ・ジャイラの⑪「In My Life」は期待を裏切りません。

昔、デヴィッド・ベノアのフュージョンタッチのピアノが大好きでした。そのデヴィッドの⑫「Here, There and Everywhere」。
原曲も大好きな1曲ですが、その原曲の持つ優しさと、ベノア独特のピアノタッチが見事にマッチしてます。彼のアルバムをよく聴いていた頃をふっと懐かしく思い出してしまいました。

やっぱりビートルズもいいし、GRP系アーチストもいいですね。

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