見出し画像

Art Garfunkel「Break Away」(1975)

今日から4連休ですか…。暑いし、外出自粛だし、まったりした音楽でも聴き倒すのがいいかもしれません。

さて、今日ご紹介のアルバムはアート・ガーファンクルのセカンドソロアルバム「Break Away(愛への旅立ち)」です。全体的にアートらしく、スローで静かな曲が多いのですが、バラエディに富んだ選曲で、著名なミュージシャンが参加しております。まったり感にはピッタリ。

画像1

プロデューサーはリチャード・ペリー。S&G、そしでデビューアルバムは第三のS&Gと呼ばれたロイ・ハリーがプロデュースを務めていましたが、今回は敢えてロイ以外の人とアルバムを作ってみたかったとのことで、リチャードに白羽の矢が立ったということのようです。

本作では、当時は無名なスティーヴン・ビショップの楽曲を取り上げ、その曲が話題となりました。アルバムの半分はリチャードが持ち込んだ楽曲のようですが、スティーヴンの場合はアート自身が見出したとのことです(たまたまアートがTVを見ていた時に、スティーヴンの楽曲が流れ、それを痛く気に入り、直接スティーヴンにアプローチしたらしいです)。
スティーヴンの楽曲は⑧「Looking For The Right One」と⑩「The Same Old Tears On A New Background」の2曲収録されてます。後にスティーヴンはデビューを果たしますが、⑧はセカンド、⑩はファーストに自身で収録することとなりますね。
アップした⑧「Looking For The Right One」のギターソロはアンドリュー・ゴールド、スティーヴンもアコギで参加しております。

それからもうひとつの話題はポール・サイモンとの共演でしょう。1970年にS&Gは解散。あれから5年・・・、ポールが素敵な作品を提供してくれました。それが⑥「My Little Town」。結局ポールのソロにも収録されることとなり、S&G再結成の機運も高まったのですが、再結成自体は1981年のセントラルパークまでお預けとなりました。
この曲、後半にはホーンも鳴ってきますが、いかにもマッスル・ショールズ・サウンドって感じで、このグルーヴ感がたまらなく大好きです。当時のポールはここでアルバムを収録していましたし。もちろんピアノはバリー・ベケット、ベースはデヴィッド・フッド、ドラムはロジャー・ホーキンスのマッスル・ショールズ部隊。

アルバム・タイトル・トラックの③「Break Away」も素敵な楽曲です。Gallagher&Lyleの作品。彼らも自身で発表しているようで、演奏シーンがYouTubeにもありました。アレンジはアートのバージョンより、少しロック寄りでしょうか。
アートのバージョンのイントロの印象的なエレピはリトル・フィートのビル・ペイン。バックでねちっこいギターが聞こえますが、これはスティーヴン・クロッパー。またコーラスがこの曲のよさを引き立ててますが、このコーラスが盟友のグラハム・ナッシュデヴィッド・クロスビー。いかにもG&Nらしい優しいコーラスですよね。

また④「Disney Girls」も秀逸です。これも言わずと知れたブルース・ジョンストンの名曲。これはアートの方が先出しですね。ブルースは1977年のソロアルバムでセルフカバーされてます。ふくよかなバックコーラスには当然ブルースが参加してます。こうしたドリーミーなポップスには、アートの声はぴったりですね。

本作の③~⑤は本当に秀逸。その⑤はボサノバの名曲「Waters of March」。これ、大好きなんですよね。特にオリジナルのジョビンとエリス・レジーナのデュエット、これがまた素晴らしいのです。それが頭にこびりついているので、アートのバージョンはちょっと物足りないかな~と。この曲のよさは、単調なメロディの中の言葉遊びみたいなところ、それがなかなか難しいのですが。
すみません、せっかくなのでオリジナルの方をアップしておきます。恐らくアートもこれを見ていたのではないでしょうか。

70年代のアートは、この後も素晴らしい名作を量産していくのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?