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Jellyfish「Spilt Milk」(1993)

70年代のパワーポップが大好きなんですが、やはり90年代のパワーポップバンドをご紹介しない訳にはいきません。でもこのバンド、最近まで殆ど聴いたことがありませんでした。そのバンドがジェリーフィッシュ
実はある動画を見て、この人、只者じゃないなと思い、彼らのセカンドを聴いて、一発で気に入ったという次第。

この鬼才のバンドの中心人物がアンディ・スターマー。1989年に結成されたジェリーフィッシュは、2枚のアルバムを発表して1994年に解散。後にアンディはパフィーの名付け親となるなど、奥田民生と親交を深めていきます。

今回ご紹介するアルバムが邦題「こぼれたミルクに泣かないで」。彼らのセカンドですが、パイロットばりのポップス&ハードロック風な楽曲、場合によってはクィーン、ビートルズからの影響がビンビン感じさせる作風に、聴かれたことのない方は驚かれると思います。

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ジャケットが…(苦笑)。どうも好きになれません。
曲のご紹介の前に、私が「この人(アンディ)只者でない」と思った動画をアップしておきます。この時からしっかりとユニコーンと共演してますね。外人の男性がこれほど完璧な日本語でピンクレディーを歌うとは…。

アンディの音楽のベースにピンクレディーがあったっていうのは分からないではないです。非凡なポップセンスありますからね。
そのセンスが思う存分発揮したと感じた作品が⑪「Too Much, Too Little, Too Late」。イントロからパイロットっぽい。適度にハードで、適度にポップ。そしてコーラスはビートルズというよりクィーン。間奏のギターソロの部分は後期ビートルズっぽい。

なかなかいいですよね。上の楽曲がいいと思ったら、間違いなく本作はマストアイテムかと思います。
②「Joining a Fan Club」は完全にクィーンの世界。曲調、ギター、コーラス、どれを取ってもクィーンへのオマージュ。アップしたのは彼らのライブ映像。この映像も見てビックリされるかと思います。なんとフロントのアンディ、ドラムを叩きながら歌ってます。しかもそのドラムセットがスタンディングドラムなんですよね。これは二重に驚きです。スタンディングドラムというとストレイキャッツを連想しますが、ジェリーフィッシュの曲調に敢えてスタンディングドラムっていうのも斬新です。

本作からのファーストシングルが⑥「The Ghost at Number One」。イントロは一瞬奥田民生風。曲は結構複雑に展開されていきます。ここでも基本はポップス。カラフルなコーラスも私のお気に入りです。エンディングはまさにビーチボーイズのペットサウンズの世界。これをライブでも完璧に演奏してます。アップした映像はスタジオライブですが、特にエンディングの演奏。かなりスゴイですね。歌えるプレイヤーが複数いて、演奏力も相当高いバンドだってことがお分かり頂けるかと思います。

本作中、一番穏やかな楽曲が⑨「Russian Hill」。この曲、あまり人気ないんだろうなあと思いますが、アルバムの中にこの曲が混じると、実に味わい深くなる楽曲です。どちらかというとウルサイ楽曲が多い中で、突然この曲が挟み込まれると、実に心が穏やかになります。曲中のスティールギター(っぽい音)やフルートはいい味出してます。

本作は⑫「Brighter Day」のエンディングトラックの最後の音と、オープニングの①「Hush」のイントロが音が繋がるようになってます。ずっと繰り返していくってイメージでしょうか。実に充実したアルバムです。

アンディのみならず、もうひとりの中心人物のロジャー・マニングも、My Little Loverに曲を提供したりと、J-POPと交流があるようです。J-POPもワールドワイドにクロスオーバーしてきているんですね。

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