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ランド・ノリスのF1初優勝に想う | 20世紀生まれの青春百景 #36

 こんなことを書くと会社の人には怒られてしまうけれども、ついにランド・ノリスが初優勝。ようやく掴んだ初優勝。一旦仕事は置いておいて、今日はお祝いだ!!

 いや、ついにその時がやってきた。ついに、やっと、ようやく、掴み取った初勝利。ランドのことは2019年にマクラーレンからデビューして以来、ずっと応援してきた。スマートフォンの壁紙もランドのもので、初表彰台も、何度かあった優勝を逃した時も、チーム全体として苦しかった時も、ひたむきに頑張り続ける彼の姿があった。デビュー後はたちまち速さを見せつけて、トップドライバーとしての評価を確立したけれども、まさか初優勝までこんなに時間がかかるとは思わなかった。ここからは2勝目、3勝目……と積み重ねていくだろうし、そうなれるだけの実力と経験はすでに持っているよね。

 マックス・フェルスタッペンもまだかなり若いけれども、ランドのデビューは「いよいよ新世代がF1にやって来るんだな」というワクワク感に満ちていた。そこから同年代の角田裕毅くんがアルファタウリからデビューして、ローガン・サージェントはウィリアムズで苦しんでいるけれども、ランドのチームメイトであるオスカー・ピアストリはついに歳下。アイドルが歳下になった時も驚いたが、歳下のF1ドライバーが誕生する時代になったんだなあ……と感慨深いものがある。

 WRCで二年連続のチャンピオンになったカッレ・ロバンペラはわたしが生まれる24時間前に生まれてきたのだから、わたしにだって、そういった世界を掴み取れる可能性があるのだと思い込みたい。やっぱりね、身の回りのどんなに小さなものだって、可能性を諦めちゃいけないんだよ。どれほど可能性が小さくても、無理なことでも、言葉にし続けないと叶わない。やり続けないと、新しいことを始めないと、なんだって形にならないんだから。ランドを見ていると、あらためてそう感じるんだ。

 マクラーレンにとっても、この優勝はほんとうに大きな価値がある。特に、メインマーケットのひとつであるアメリカのマイアミで優勝を果たしたことは、マーケティングの側面からも大きい。グーグル、DELL、BAT、コカ・コーラといったスポンサーたちも喜んでいるだろう。ランドの加入からV字回復が始まって、ダニエル・リカルドが復活の証明ともいえる優勝を果たして、あれから3年が経とうとしている今年、復活に向けた物語の始まりとなったランドが初優勝を掴み取った。

 ランド・ノリス、オスカー・ピアストリのコンビは大好きだし、ランドの優勝をもっともっと見たい。今、わたしはマクラーレン(とフェルナンド・アロンソ)をいちばん応援している。さあ、次はオスカーの番。

 今日も仕事を頑張れそうだ。いや、ほんとうにうれしくって。夜更かししてよかった。

 2024.5.6
 坂岡 優

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