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美しくてあまい日本人の心

数年前に仕事先で知り合いになった染め物の先生に起こったとんでもないことです…のんきな先生で私が思うほど何も思ってはいなかったかもしれませんが。額に入れて飾るような美しい作品の作り方を生徒さんに教授していらっしゃいました。

今日はその彼女に起こったこお話を書きたいと思います。

彼女はある日、市内の中学でアシスタントティーチャーとして働いている若いカナダ人女性からの電話を受けました。話は、ぜひ、日本の染め物を習いたいということでした。ただし、お金がないのでレッスン料は払えないとの事でした。

その先生って本当にいい方なのです。日本の文化をぜひ知らせたいと思われたのでしょう。

それからそのカナダ人女性は毎日のようにその先生の家にやってくるようになりました。

レッスンにかかる費用すべて先生もちでした。そして、そうこうしているうちに、夕食は先生の家で食べるようになりました・・・。

60代の先生も一人住まいだし、先生も構わないと言われたみたいです。そのカナダ人にとってはさまざまな意味で居心地がよかった?

で、そろそろ任期が切れてカナダに帰るという1か月前、いったいこのカナダ人は何を言い出したと思いますか?そこまで考えだし、行動に移す日本人ていないと思いますが、たとえ兄弟間であっても。

「たった1週間だけのために家賃を1か月分払うのは嫌、ここに住まわせてくれる?」とそのカナダ人は先生に持ち掛けたのでした。

ろうけつ染めです。美しいですね。

そんなことを言われたら、私なら絶対断りますが、先生はそれを了承してしまったんだから、ここまでくると外国人に甘い典型か、と私は思ってしまいました。でも、ただのんきな「悪」とか「邪」と言うものを知らないいい人なんでしょうね。

私はそこまでの話しでもあきれてしまい、ひょっとしてこのカナダ人はイタリア系カナダ人かと思ってしまったり・・・。で先生にその人の名前や住んでいる州などを聞いてみたのですが、先生は忘れてしまっていました。

忘れてしまうほどの人にそこまでする?

しかし、話はここで終わりではないのです。

彼女がカナダに帰ってしまって、1,2年たったころ、先生は東京からまたもや突然その女性からの電話を受けたのでした。

日本に観光でやってきた、先生の所へ来てもいいかって・・・そりゃあ先生のことです、OKて言ったんのは自然だったでしょう。

なつかしかった?

しかし、やってきた彼女は再び先生におねだり…
カナダの皆に染色のお土産を持って帰りたいのだけど作ってほしい、と。そして、またもや材料費はすべて先生持ち。

ここまで図々しい人って日本ではお目にかからないでしょうね?そして、先生のような人もそういないのでは?

人に親切にすることは悪いことではないけれどほどほどにしないと。そして、これが黒人やアジアの人たちだったとしても同じことをするのだろうかと、私は疑問に思ってしまったのです。やはり、日本人はなめられているのかと思ったりします。「なめられている」と言うことに関しては以前記事を書きましたが。

市内の知り合いにも似たり寄ったりの家族がいます。彼らと個人的な付き合いがあり、夫がノルウェー人と言うこともあり、彼らはたまたま日本に観光でやってきたノルウェー人と知り合い親しくなったというわけです。彼らは私たちゆえに、ノルウェーに対してして親しみを感じたのかもしれませんが。

そのノルウェー人の男性はコロナ前には年に3回くらいやって来ては、その家族のところに宿泊・・・で、荷物は置きっぱなしで帰国と言うように親しげに付き合っていました。

もちろん悪いことではないです。

ただ、この件も黒人、アジア人でも同じようにしてもらえっただろうか、と疑問に思っています。

今年は久しぶりにそのノルウェー人がやってくるとか…。その人も日本がよほど好きなのでしょうか。奥さんは日本人だったけど離婚したとか・・・。

日本人はとにかく西洋人に甘い…これが日本人が同じように向こうでしてもらえるかと思ったら大間違いです。

こんなことを言っていますが、私が若いころ、フランスの友人(先日書いた「ワサビ」の友人です)を家に迎えた時には最大級のもてなしをしたと思います。新幹線のまだなかった頃、朝一番の列車に乗り込み、伊丹空港まで迎えに行きました。列車とか、観光とかすべて私持ちでした。どれだけお金を使ったか・・・。

海外に住んだり旅をしているうちに私も様々なことを学びました。はっきり言えるのは、そこまで彼らにする必要なない、と言うことです。

ちなみに、私がヨーロッパに旅した時、フランスには3人の友人がいました。できたら会いたいと連絡しておいたのですが、実際はフランスの友人たちには誰にも会えませんでした(ほかの国の友人には会えたということです)。あの「ワサビの友人」も含めて3人ともが、ちょうど私が日本に帰国するころ、手紙をよこして「私がフランスにいる時、会えなかって残念」と言っていました!


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