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思考力をつける方法


1.思考の仕組み

 思考は感性、理性、霊性の順に働いて認識し決断する。感性は外からの刺激と情報を五感で受け取り、感情や印象、言語に変換する。理性は感性が受容した素材を吟味して、解釈する。その分析結果をもとに魂の性質である霊性が最終判断を下し、正しいかどうか、するかしないかなどの意志決定をする。

2.哲学的思考力

 哲学的思考力とは世間の常識や多数派の意見、直感を鵜呑みにせず、色々な視点から考える力を指す。「私は何者か」「愛とは何か」といった問題について自問自答することで、価値観が更新される。人の発達過程は1冊の本作りのようなものといえる。加筆修正して改訂版を出すたびに、知性に奥行きが増していく。 
 哲学的才能のある人は
▽制限された知の枠組み内で考えていることを自覚している
▽「何が正しいか」よりも、まず「正しさとは何か」について問題意識がある
▽存在や意識、善悪などに対する独自の見解を秩序立って語ることができる
▽過去の偉人の思想や世の通説によっても揺さぶられない信念をもつ
-などの特徴がみられる。

3.思考力をつける方法

 思考力をつけるには
▽仮説を立てて検証、修正する
→常識に課題を、非常識に創造性を見出す
▽自分の思考や価値観の前提を疑って、第三者の視点で自己観察する
→思い込みや偏見に気づきやすい
▽会話や読書をするとき、その考えの根拠になっている情報源に着目したり、先の展開や結論を予測するーことが必要になる。
 情報の扱い方にも注意すべきで、▽入れる情報を精選する▽インターネット上にない希少情報を吸収する▽考えを巡らし、本質を抽出する-ことを意識する。
 まず、質の低い知識を処分して新陳代謝を図る。さらに、インターネット上の情報よりも、知恵ある人との無言の交流で得る情報を優先する。そうすることで、内容を掘り下げることで洞察が鋭くなり、事実内容の真偽や発信者の言外の思いを見抜けるようになる。 

4.思考法の種類

 思考法の種類は主に4つある。宗教型は神の存在を土台に探究する。ソクラテスや空海など、霊感を織り交ぜた思想体系をもつ場合もある。
 哲学型は主観による認識のあり方を分析する。芸術型は非言語的な直感によって表現する。対人型は人の感情を読み取って、それに応じた行動をとる。教育・医療・福祉などに携わる人に必要な思考法になる。
 哲学と宗教の思考法の違いとしては、哲学は先入観を排して現時点の判断を仮決定として保留し、相対的な見方で検証する。迷いを生みやすいが、独善的になりにくい。
 一方、宗教は偏狭さや排他性をもつ危険が絶えずつきまとうが、論理を超えて信じ抜く行為が浄化を促す場合が多々ある。
 意識の視点で概観すると、哲学は主に顕在意識帯によって肉体人間が真理を求め、宗教は潜在意識より下層の超意識帯によって魂が救済を求める営みといえる。


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