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改革と不安。そして信じること。

こんにちは、吉川です。
社会起業家として実践したからこその学びを、未来の実践者に向けてお届けしています。

さて今回は、『チームを改革するときに必要なこと』というテーマです。

改革は、必要になる

まず、「チームを改革する」というと、なんだか大げさに聞こえるかもしれません。

具体的には、
働くルールを変更する
目標を新たに設定する
新しい人を多く採用する
今までやっていなかった事業に取り組む
より大きな成長に挑む

などなど、チームで事業をしていると様々なシーンがあります。新たに目標を設定すること自体は、すぐできると思います。
また、採用活動をすれば、新しい人が組織に入ってくると思います。
「より成長するぞ!」とリーダーが意気込むこともあります。

ただ一方で、基本的に人(という動物)は、すぐに変われるものではありません。これまでやってきた慣れ親しんだやり方がやっぱりやりやすいし、新しいことは慣れません。
目標を変えたからと言って、それに応じてすぐにチームメンバーのやり方や考え方が変わるものでもありません。

何か大きな節目であったり、大きな変化が起きた時、大きな変化を起こそうとしていくときには、
チームメンバーとのコミュニケーションや、新たなルール(働き方の指針ですね)などを、再度整理、設定することが大切です。

それがあれば、次第にチームは変化していき、あらたな組織へと成長していくんだと思います。

こういった認識がないと、
・なんで理解しないんだろう
・一体感がない
といった齟齬や焦り、互いの衝突にも繋がりかねません。

誰しも、「未知なる領域」や「大変したことのない変化」は不安です。
特に女性脳としては、「安全で安心な環境を確保する」という生存本能が男性脳よりも強いので、「変化」には特に敏感だと思います。

これは、「変化をしたくない」という部分もあるかもしれませんが、それよりも、「変化することへのリスク対応」や、大きな問題が起きないようにしたい、という欲求がベースだと思います。
なのでこれを無くしたりよくないものにするのではなく、その視点や観点をしっかり受け止め吸収し、その不安を少しずつ一緒に解消していくことで、より良いチームに進んでいけると思います。

ここから、改革するときに必要となる3つのポイントについて書きたいと思います。

1.ルールの明文化、運用のサイクル化

それまで慣れ親しみ、定着してきたルールや組織の働き方、コミュニケーションの仕方があると思うんですね。ある程度、それによってみんなの心理的安全性があり、いい意味でもカルチャーが構築されていると思います。

(ただそれはいつだって、ときになーなーになったり、油断や弱さが出たりもします。なので、ときに変化をもたらすことは、自分たちが不完全な動物であることを自覚すると、やっぱり必要と感じます)

変化が起こると感じると、人は不安になります。
そして、その不安を解消するべく、コミュニケーションを取ります。ここが、大きなポイントです。

それまでは、「相手のためにコミュニケーション」をとれていたとしても、不安になって自分の不安を解消する、自分を防衛するためのコミュニケーション、ということが少し増えると思います。これは、大事な本能的な行動で、なくすことは難しいと思います。

だからこそ、その不安を理解し解消することが大切です。
そのために事前に設定、共有すると良いのが、ルールです。

こういうときは、こうする
こう判断する
これはみんなで守る
これはやらない

様々な観点があると思います。「決める」ということが、とっても大きなパワーを持ちます。それがあれば、みんな、「それは変わらない、揺るがないものなん」として、少しずつそこをベースに不安定から安定へと積み上げていくことができるんだと思います。

すべてを規定する必要はないし、そんなことがそもそもできません。シンプルでもいいですし、本質的なこと、考え方、行動基準、目標のような、いわゆる大きな指針となるようなことは、しっかり明文化しておくことが大切です。

少人数のベンチャーだと必要性を感じることも最初は少ないかもしれませんが、労務の規定、就業時間、休みの取り方、そういった事務的なルールについても、少しずつ明文化していくことが大切です。

2.経営者としての自分、人としての自分

「変化」については、様々なタイミングで起こると思うのですが、多くの場合、経営者が、「こういう変化を乗り越えていこう」というような形で、前に進めようと意思決定する場合が多いと思います。

つまり、「変化を起こそうとしている経営者」と、「変化に不安を感じるメンバー」という構造になることがあります。
これは、経営者がどうとかメンバーがどうとかではないです。

例えるならば、車の運転手は、ガタガタみちとかでも別にそんなに大きな衝撃はないと思います。ハンドル握ってますし、どういう道かも見えていますし、自分でハンドル操作をしていて、準備ができているというか、自分で選んでますよね。

一方で、後部座席に座っている人は、道が全部が見えにくいし、直前で右にハンドルを切ったりしたときには、体は揺さぶられます。つまり、「いつどんな衝撃が来るかわからない」ということで、体を少し硬直させ準備しておかないと怪我をしそうです。

そんな感じで、変化を起こす側と起こされる側で、その捉え方は違って当然なんだと思うんです。

ということで、変化を起こす側に立っているときには、起こされる側の人の体感や観点とは完全には一致できないことがあると思います。「不安をなくそう」と歩み寄ったとしても、不安をなくすためには変化をなくすことが良い、みたいな話になってしまいます。それでは、目的は達成できません。

不安もあるけれども、前に進み続ける意志が大切です。そのときには、経営者として、ある種一線をひくというか、「経営者という役割をする」ということに集中することが大切なんだと思います。
きっと、メンバーとの距離も感じたり、孤独感を感じることもあるかもしれません。ただ、前に進むためにはこれはみんなにとって必要です。

メンバーは変化への不安を感じているので、経営者も違う形での不安を感じながら、進めていくことになるんだと思います。

その分、オンとオフを分けて、経営者としてではなく、人としてメンバーと接する機会、コミュニケーションをとる機会も大切なんだと思います。会社のメンバーだけで集まるのも良いですが、家族とか友人も交えることで、会社のメンバーとしてではなく、人としての関わりを深めていくことで、ベースの信頼関係を大切にしていくのが良いと思います。

3.目標達成に明るく邁進するスタンス

大きな目標に向かって突き進んでいく場合、あれもしたほうがいい、これもしたほうがいいと、やるべきことは山のようにあると思います。そして、リーダーは、「あれができていない」「これもやっていない」といった形で、「目標からの差分」として、できていないことに目が向きがちです。

これを把握することもとても大切で、それによって、どんどん改善が生まれると思います。

一方で、本当に大切なことは、「目標に向かって進み続ける」ということであって、できていないことを発見して改善する、ということではないはずです。それは手段ですよね。

そもそもメンバーが不安を持ちながら、あれやこれやワークしているときに、「できないないこと」が話題の中心になると、精神的には前向きになりにくいです。

できないないこと、十分でないことは、そのメンバー本人もわかっていると思います。この方向性であっているのだろうか、これで結果が出るのだろうか、と不安ながらも頑張っているメンバーに対しては、「大丈夫、その調子でいこう!」と前向きに明るく背中を押し、少しずつアクションを後押ししていくことが大切です。

このあたりが、目標達成を信じること、メンバーを信じること、につながるんだと思います。
信じなくなると、不安に負けていいチームの雰囲気になりにくい。
信じることで、少しずつその思考を現実化させていく。

一人でやろうとしない

ということで、3つ大切になることを書きました。
自分の実体験として、どうにもこうにもうまくいかないな、どうしたらいいのかな、と悩み考えているときに、新たに腹落ちした3つのポイントです。

かつ、これらも自分一人だけで実践しようとするのではなく、チームの外の方も含めて相談したり共有したりしながら、ときにラジオとかでも発信しながら、みんなで目線をあわせて取り組んでいくのが、いいと思います。

遠くへ行きたいなら、みんなで。

バランス、中庸。

目標に向かって、やっていきましょう。

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