羽生結弦選手の「男子フィギュアスケート4位入賞」について思ったいくつかのこと

本日、冬季オリンピック北京大会のフィギュアスケート男子シングルのフリーが行われ、ネイサン・チェン選手(米国)が第1位となり、第2位に鍵山優真選手、第3位に宇野昌磨選手が入りました。五輪3連覇が期待された羽生結弦選手は第4位で、3大会連続での優勝はなりませんでした[1]。

大会前は「日本勢がメダル独占も」と言われた男子フィギュア陣は、結果として第2位から第4位を占めましたから、実力を発揮したと言えるでしょう。

優勝したチェン選手も含め、いずれも見ごたえのある演技を披露したことは、各国の選りすぐりの競技者が集まるオリンピックという舞台にふさわしいものでした。

羽生選手については第1日目のショートプログラムが第8位であり、今回も序盤に2度の転倒があったため、最小限の減点に抑えなければ優勝できない、高度化した現在の男子フィギュアスケートの状況に照らしても、3連覇は難しいものでした。

一方、冒頭の失敗にもかかわらず最後まで優雅さを失わず、長い手足を活かした華やかで表情豊かな演技を行ったことこそ、男子フィギュアスケート界の第一人者である羽生選手の真価であったと言えるでしょう。

私が羽生選手の競技を始めて本格的に鑑賞したのは2011年の全日本選手権のテレビ中継でした。この時は17歳であった羽生選手の繊細な演技が印象的で、誰もが思ったように、髙橋大輔選手や織田信成選手、小塚崇彦選手の跡を継ぐ有力選手になると感じたものでした。

しかし、実際には日本を代表するだけではなく、男子フィギュアスケート界の歴史に一時代を築く偉大な競技者となったのが羽生選手であり、故障などを乗り越えつつ着実な成長と発展を遂げる様子は大変に印象的でした。

今回、画面越しとはいえ、持てる力を最大限発揮した演技を鑑賞できたことはありがたく、改めて羽生選手の活躍を讃える次第です。

[1]フィギュアスケート【速報】鍵山が銀メダル 宇野が銅 羽生4位. NHK NEWS WEB, 2022年2月10日, https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220210/k10013476931000.html (2022年2月10日閲覧).

<Executive Summary>

Miscellaneous Impressions of Mr. Yuzuru Hanyu's Performances at the Beijing Olympics (Yusuke Suzumura)

Today Men's Olympic Figure Skating, Free Skate is conducted and Mr. Yuzuru Hanyu became Fourth. In this occasion I expression miscellaneous impressions of Mr. Hanyu's performances.

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