見出し画像

No.12 GTO Wizard Blogの解釈記事【What are Pot Odds in poker?】

本記事はGTO Wizard Blogを私なりに解釈し、友人に説明するならどのように書くかな?と再まとめしたものとなります。
今回の記事は「What are Pot Odds in poker?」になります。

承認欲求を満たすために是非「♡」をお待ちしております。
X(Twitter)のフォローもお待ちしております。


今回はこれまでの記事にも出てきている「ポットオッズ(Pot Odds)」について、詳しく説明していく。

ポットオッズは、君のコールを正当化するための判断基準を教えてくれ、どれくらい勝つ必要があるのかを教えてくれる。この指標は計算が簡単で、全てのプレイヤーが知っておくべきである。

さぁ、本日もしっかり座学をしていこう。

■ ポットオッズって、そんなに重要なの?

ポットオッズは「ポーカーの一番基本的な計算である。」と言ってもいい。それくらい重要な指標である。

簡単に言うと、ポットオッズは「$5のベットにコールしたい場合、(長期的には)ポットから少なくとも $5を回収しないといけない」ということを示してくれる。

ポットにお金を投入しても、後で回収できなければ意味がない。ここで言っているのは、コールに対する目先の結果ではなく、長期的な期待値であることを忘れないでほしい。場合によっては、コール分を取り戻すこともあれば、コール分の一部しか取り戻せないこともあるだろう(完全に取り戻せない場合もある)。

「コールをする。」と判断した際には、これらを平均した時に投資した分を回収する必要があるのである。そのため、リターンの指標を与えてくれるポットオッズはポーカー理論の基本的な要素となっている。

ポットオッズは基本的にリスク/リワードの計算である。ポットに対するベットのサイズを調べることで、コールを正当化するためにどれくらいの頻度で勝つ必要があるかを正確に計算できる。リスクとリワードを天秤にかけ、損益分岐点を見つけるのである。


■ ポットオッズの計算について

ポットオッズを計算するために必要な情報は、ポットに対する相手のベットのサイズだけである。

例えば、相手が 20ドルのポットに10ドルをベットしたとする。コールする場合には、そのポットから少なくとも 10 ドルを回収する必要がある。では、勝つためにはポットの何パーセントが必要だろうか?

簡単に理解をするために、将来のストリートではベットは行われず、このベットはAIされているとしよう。その場合、我々が獲得するポットの一部は単に我々のEQになるのである。

(筆:現時点での、ポットの取り分がEQでしたよね!)

実際の計算は以下の通りである。

コールに必要なEQ = (コール金額) / (コール後のポットサイズ)
コールに必要なEQ = $10 / ($20 + $10 + $10) = 25%

コールした後、25% の確率で勝つことができれば、$10の投資を回収できるのである。従って、お金を取り戻すには、平均して新しいポットの 4 分の 1 を獲得する必要がある。勝つ確率が 25% 未満の場合はコールを正当化できないのである。


■ オッズとしての計算方法

あるプレーヤーは、「パーセンテージ」ではなく「オッズ」を使用して計算することを好むだろう。

我々はポットと相手のベット (計$30) を獲得するために $10 のリスクを負っている。従って、オッズは3:1になる。つまり、コールの損益分岐点を達成するには、少なくとも 1/(3+1) = 25% 勝つ必要がある。

(筆:私はパーセンテージで確認するのが好きです。本当に自分の理解のしやすさで選べばいいと思います。)


■ 一覧表について

数学的な考えが苦手なプレイヤーは、単純にシートを使用することも可能だ。ベットサイズの列を見て、相手のベットサイズを選択し、次にポットオッズの列にてポットオッズを確認できる。


■ プリフロップのAIについて

プリフロップAIの例を検討してみよう。

① CO vs SB shove

100BB キャッシュ ゲーム(50NLレーキ)を検討する。

CO (ヒーロー) は 2.3BB にオープン、SB は 3 ベットで 11.5BB、CO は 4 ベットで 25BB、SB は100BB をAIする。

このアクションに直面しているCOのレンジは以下の通り。

どのハンドをコールすべきだろうか?正しいコールを判断するために必要なことは、ポットオッズを計算し、少なくともその程度のEQを持つハンドでコールすることだけである。

コール額: 75BB 以上
コール後のポット : 201BB – レーキ (4BB) = 197BB
コールに必要なEQ: 75/197 = 最低38%

次に、SB のAIレンジを見て、それに対するエクイティを計算する必要がある。

このAIに対してのEQは以下のとおりである(数字はEQ)。

コールするには少なくとも 38% のEQが必要であることを思い出そう。つまり、(TT+, AK) でコールする必要があるのである

GTO ソリューションと照らし合わせて仮説検証をしてみよう。

ポットオッズに従って、正しいEQを持つハンドのみをコールしていることがわかる。


② SBがニットの場合

相手の特徴を考えて、検討を進めることはとても重要なことである。ポットオッズを理解することの利点は、その戦略に合わせてアジャストできることが挙げられる。例えば、SB が QQ+、AK のみをAIしたとする。そのレンジに対するEQはいくつになるだろうか。

前にも計算した通り、コールするには 38% が必要である。これに有益なハンドは、KK と AAだけである。AKs は損益分岐点に近いものの、そのラインをわずかに下回っている。QQ のようなハンドは、ニットとの勝負に直面するとトータルで見ると、負けてしまうのである。


■ 後のストリートでベットが可能な場合

後のストリートでベットが可能な場合、ポットオッズは正しい値を示すとは限らない。ベットが入ると、獲得するポットのパーセンテージが必ずしもEQと同じである必要はないのである。ただし、実際のEVをポットで割った値としてEQを測定した場合、ポットオッズは常に正しい値となる。この指標を「ポットシェア」と呼ぶ。

基本を思い出そう。相手が 5 ドルをベットした場合、コールを正当化するには (長期的には) 少なくとも 5 ドルを取り戻す必要がある。ただし、将来のベッティングラウンドがあるため、EQを過大または過小評価する必要がある。

単純なポットオッズ計算では、BBは任意の2枚のカードで 2.5BBのBTNオープンをコールすることができる。例えば、72oはBTNオープンレンジに対して、約30%のEQを持っているため、コールするためのポットオッズを有している。しかし、このハンドでは将来的には十分なEQが得られないため、1.5BB のコール投資を回収できないのである。

(筆:現状はオッズが合っていたとしても、後のストリートで十分なEQが確保できないので、コールができないわけですね)

ここで、これまでの記事で座学した「インプライドオッズ」、「リバースインプライドオッズ」、「EQR」の概念が登場する。「単純な」ポットオッズの計算では、EQ = ポットシェアと仮定する。実際には、EQがポットシェアと等しくなるのは、コール後にベットが発生しない場合のみである。


ポットオッズ以外の判断例

8Max MTT(トーナメント)、エフェクティブ 40BB、12.5% アンティ
BTN オープン 2.3BB、BB コール。
フロップ: KsQh3d
BB チェック、BTN が 6BBのポットに2BB をベット。

「単純な」ポットオッズの計算では、少なくとも、2 / 10 = 20% のEQを持つハンドでコールする必要がある。

次に、GTO 戦略と比較してみよう。

驚くことに、ソルバーは40% 以上のEQを持つA7oのようなハンドをフォールドし、18%のEQしか持たない42sのようなハンドでコールしていることがわかる。ここでは何を考えているのだろうか?

実際、ハンドのEQが 40% だからといって、ポットの 40% を獲得できるわけではない。A7oのAがヒットしなかった場合、ベットにフォールドする必要がある(可能性ある)。A7oはこのベットに対して 0EV である。42dd はEQは少ないが、多くのバックドアフラッシュ/ストレートドローに対するインプライドオッズドローに優れている(42sも0EV)。

(筆:将来性も加味して、コールをしているわけですね。)

ちなみに集合分析を下記に示す(EQ20%の閾値も示してある)。


■ ポットオッズとEV

ポットオッズは、AIをコールするために必要な損益分岐点EQを計算するための近道にすぎない。以下に正確な計算方法を説明しよう。

コールEVの例

損益分岐点以上かを把握するために、コールのEVの計算方法を学ぶことは重要である。コールがどれだけ有益かを正確に示してくれる。

EVを計算するには、次のような EV 方程式を設定する。

EV (Call) = (Win% x Win$) – (Lose% x Lose$)
※Win%は我々のEQ
※Lose%は (1-EQ)
※Win$ は、コールして勝った時に (フォールドと比較して) 得られる金額
※Lose$ は、コールして負けた時に (フォールドと比較して) 失う金額Win$/Lose$ に関する注意:これらは、アクション時点でのフォールドを基準にして測定される。

CO 対 SB の最初の例を使用した場合に、AKs のコール収益はどれくらいだろうか?

Win$ = コール時の勝ち金額 (197BB) からコール (75BB) を引く = 122BB
Lose$ = コールする金額 = 75BB
Win% = 48.4%
Lose% = 51.6%
EV (Call) = (48% x 122BB) – (51% x 75BB) = 21BB

もし、50NLをプレイしていたら、$10.5になる。


EVからポットオッズの公式を導出

EV (Call) = (Win% x Win$) – (Lose% x Lose$)

win%とlose% を Q (EQ) と 1-Q に置き換えてみよう。また、Win$ を W に、Lose$ を L に置き換える。

EV (Call) = (Q x W) – ((1-Q) x L)

EV を 0 に設定して損益分岐点を見つけ、必要なEQ (Q) を求める。

EV (Call) = 0 = (Q x W) – ((1-Q) x L)
0 = (Q x W) – ((1-Q) x L)
QW = (1-Q)L
QW = L – LQ
QW + LQ = L
Q(W+L) = L
Q = L / (W+L)

L は損失額であり、コールした額と同じであることを思い出そう。W は獲得金額からコールを差し引いたものである。

最終的な方程式は次のようになる。

EQ (Q) = Call / (Pot after we call – Call + Call)
EQ (Q) = Call / (Pot after we call)

(筆:難しいことをしていると思うかもしれないですが、単にポットオッズの計算式を導出しただけです。)


■ まとめ

ポットオッズはポーカーの基本的なツールである。この重要なリスクとリワードの計算により、投資を回収するために、ポットの何パーセントを獲得する必要があるかがわかる。したがって、ポットオッズを計算することはポーカー戦略の基礎となる。

  • ポットオッズは、投資を回収するためにポットの何%を獲得する必要があるかを示すリスク/リワードの計算である。

  • $5のコールした場合、長期的には$5を回収する必要がある。

  • 将来のベッティングラウンドがある場合、判断に利用できるポットオッズにならない場合がある。

  • ポットオッズはEVの方程式から導出できる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?