コンサル時代に教わった「アジェンダを事前に伝えるべき2つのワケ」
コンサル1年目のころの話。
私がお世話になった上司の中に、プロジェクトを1回も炎上させたことがないスーパーマンAさんがいました。
細部にわたって生産性にこだわる人で、
ミーティングの冒頭は「今回のゴールは、●●がXXになっていること」の一言から入らないと怒られる
ミーティングが終わった後は「この30分で君、10回"~だと思う"と言ってたよ。"思う"じゃダメだ、言い切りなさい」と語尾・言い回しの1つひとつまで指摘される
などなど、一挙手一投足にフィードバックをいただきました。
その山のようなフィードバックの中で、最近ふと思い出した学びがあったので、備忘録がてら書いておこうかなと。
アジェンダを書いていないカレンダーは、ブッチされる
Aさんが仕切るプロジェクトにはいくつかルールがあったのですが、中でも特徴的だったのが
「参加する意味が不明な社内ミーティングは、無断で欠席してよい」
Aさんは基本的に即レスで、ミーティングのカレンダーを設定すると、その30秒後とか1分後には「ミーティングへの参加を承諾しました」と通知が飛んできます。
しかし、カレンダーの件名がふわっとしていたり、アジェンダを書いてなかったり、書いていても意味不明だと、Aさんは絶対にカレンダーを承諾しませんでした。
例えば、カレンダーの件名に「ご相談」とか「〇〇について」とだけ書かれた予定は、絶対にブッチされます。
とはいえ、現場の下っ端からすると、クソ忙しいなかで、ミーティング設定のためにカレンダーの件名を考えるのに頭をひねったり、アジェンダを長々と書いたりする時間って勿体ないじゃないですか。
だからAさんに聞いてみたんですよ。
「なんで、そんなにカレンダーの情報量にこだわるんですか?カレンダーを丁寧に書く時間があれば、別のことに時間使ったほうが生産的じゃないですか」と。
このときにAさんに教わった「アジェンダを事前にカレンダーに書く2つの意味」が味わい深かったので紹介させてください。
意味①:業務効率化ができる
アジェンダを事前に伝えると、業務効率化ができます。
…なんて書くと「何を当たり前のことを」と思えてきます。
しかし、効率化されることは3つくらいあって。
1つ目:事前準備が効率化できる
アジェンダを事前に教えてもらえると、ミーティング当日までに案を考えたり、必要なデータを用意できたりする。
誰かが5分くらいサクッと事前準備すれば、ミーティング時間が15分(×参加人数)効率化されることも。
この点は想像しやすいかと。
2つ目:ミーティングで決めたいことに対して、必要なメンツを確実に呼べる
よくミーティング当日になって、議論が進んでいくなかで「えーっと、これはあの人に聞かないとわからないので、持ち帰ります」ってやつあるじゃないですか。
「持ち帰り」って本当に非生産的なんですよ。
次のミーティングが1週間後だとすると、1週間後まで「持ち帰った結果」を待たなきゃいけないなんてザラですからね。
逆にいうと「持ち帰り」を減らせると、1週間仕事を早く進めることができる。
だから、ミーティングの場で決着をつけるためには、決着をつけるためのメンツを確実にそろえる必要があります。
そのためにも、「この人を呼べばいい」と判断できるだけの情報をアジェンダとして記載しておく必要があります。
ここをわかっていない人が本当に多い。
この点をわかってたら、タイトルが「ご相談」だけのカレンダーなんて絶対入れないはず。
このカレンダーの入れ方ひとつで、段取り力が透けて見えます。
3つ目:ミーティングせずに決着できることもある
事前にアジェンダを詳細に伝えた結果、ミーティングは行わずに、チャットやメールで決着できることもあります。
「ミーティング入れてもらったこの件、XXXの案で進めてください。OKそうでしたら、ミーティングは流会にしといてください」とメールをもらって終了。これで終われるならラッキーですよね。
もちろん、最初からメールやチャットでサクッと解決できるのであれば、それに越したことはありません。
しかし、相手との関係値がまだ足りていない場合は、チャットとミーティングどちらで判断を仰ぐべきか迷って、結局ミーティングを入れる判断をするシーンもあるじゃないですか。
そんなときに、しっかりカレンダーにアジェンダなり資料を添付しておけば、確実に関係者の助けになります。
意味②:ミーティング前の不安感の払拭
個人的には、効率化よりもこっちが大事だと思っていて。
カレンダーの件名に「ご相談」とか「○○について」とだけ書かれていて、アジェンダの記載は特にない。
こんなカレンダーの通知が急に飛んで来たら、どう思いますか?って話なんですよ。
大なり小なり、心がざわつきませんかね。
特に、上位の役職の人から、こういう雑なカレンダーが同期されたら、下っ端からすると「あの件かな?それともこの件かしら?もしかして、いろいろ指摘を受けるんじゃ。でもアジェンダ書かれていないし、何の件なのかわからないな。でも、個別にチャットして聞くのもなぁ…」とモヤモヤするわけです。
このモヤモヤって、けっこう脳内のメモリを食うんですよ。繊細な人ほど気にしちゃいます。
なので、カレンダーを入れられた側が「あ、あの件か!」「こういう話をするのね」とピンとくるようにアジェンダを書く必要がある。
この配慮が抜け落ちている人が本当に多いこと。
以上、「なぜ事前にアジェンダを通知すべきなのか?」という、当たり前だけど大事なテーマについて、学びメモを書いてみました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?