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映画『青春18×2 君へと続く道』、OPUSシリーズのファンは見るときっと嬉しくなる

2024年5月3日、映画『青春18×2 君へと続く道』が公開されました。
台湾と日本の合作の本作。台湾では既に3月に公開されており、日本はこの5月3日が公開日でした。

物語は、主人公のゲームプロデューサー、ジミーの恋愛を描いた物語です。
ジミーはゲーム製作で会社を作ったものの、トラブルにより全てを投げ出してしまった状態。
実家に戻り、見つけた昔の思い出。
そこには、まだ大学生にもなっていないころに出会った日本人「アミ」の存在を思い出させる手紙がありました。
仕事の休みを取り、彼女に会いに行くために日本を旅するジミー。
18年ぶりに彼女に会えるのか、会えないのか。
過去の思い出と現在の旅が交互に描かれる、思い出と現在が交錯する恋愛映画です。

私が見たのは品川のTジョイPRINCE品川。
5月4日の日中でしたが、客入りはまあ……1割くらいでしょうか。1人で来てる人とカップル・夫婦で来てる人半々くらいでしたね。

普段恋愛映画を、しかも映画館で見ることなんて全くないんですが、それでもこの作品にはインディーゲーム好きとして外せない点が。

台湾のインディゲーム会社であるSIGONO、あのOPUSシリーズを開発したSIGONOがIP協力するというニュースが!

SIGONOを立ち上げたブライアン・リー氏と、この映画の原作エッセイを書かれた方が知り合いのようで、今回の話に繋がったようです。

これは見なければ。OPUSシリーズ、特に『OPUS:星歌の響き』に泣かされた自分としては、数か月前から公開を楽しみにしていました。

映画は、主人公のジミーと日本から台湾へと旅をしたアミの恋愛模様を描く作品です。
シャイなジミーが頑張るも、なかなか身を結ばない過去。そして、仕事に疲れてアミを探す現在。その2軸で描かれる物語は、過去パートのもどかしさと現在パートの紆余曲折感が丁度良く、また台湾と日本の美しい景色が魅力的で、台湾旅行に行きたいと強く思えるものでした。
がっつりとした恋愛、例えば「花束みたいな恋をした」のような、付き合ってからどうこうという物語ではないため、どちらかというとジミーの人生を見ているような気持ちにもなります。
私にとっては、特に、劇中で出てくる「一休みはより長い旅のため」という言葉が強く刺さりました。まさに今、仕事や人生など今後について考え、それこそ少し休みたいなと思っていた矢先だったので、なんだかカツカツな精神状態で仕事をして、疲れ切っていた今のメンタルを優しく支えてくれるような……。

物語としてはなんとなく予想が出来るシンプルなものでしたが、それはいわゆるOPUSシリーズでもそうで。まさに、この映画とOPUSシリーズの親和性を感じずにはいられませんでした。

OPUSシリーズは3部作、『OPUS 地球計画』『OPUS 魂の架け橋』『OPUS 星歌の響き』があり、全て独立した作品。私は星歌の響き→地球計画→魂の架け橋の順でプレイ。最新作『OPUS: Prism Peak』の発売も楽しみです。

どの作品も、圧倒的な切なさ、叙情的な物語が魅力なのですが、この映画もまさにそうで。じわじわとした寂しさや切なさ。主人公のジミーが割と感情を爆発させず、ときにはちょっとオドオドしたりするのもいいですね。冒頭で、ジミーは会社で大暴れしてしまうんですが、あれもまた適切で粘り強く、人と円滑なコミュニケーションが苦手な感じが出ていて良かったです。


さて、このOPUSシリーズとコラボをした映画ということで、一体どんなシーンにどういう使われ方をしているのか目を凝らしていたのですが、しっかり過去3作全て出ていて、ファンとして嬉しいものでした。
一番大きく出ていたのは2作目、『OPUS:魂の架け橋』。これはもはや、映画の中でそのゲーム画面や文章が読めるくらいがっつり登場。にやけました。
そして1作目は、過去編。ジミーが初めて作ったゲームとして、『OPUS:地球計画』が少しだけ写っていました。
『OPUS:星歌の響き』については、本当に一瞬。会議室のモニターに、一瞬だけ写っていたように見えたのですが、それが正しいかは正直微妙です。
もしかしたら見間違えの可能性もあるかもしれません。ただ、スタッフロールではちゃんと3作のタイトルがあったので、おそらく合っているとは思います。
映画はジミーの過去現在の物語ですが、OPUSシリーズの登場シーンも、ちゃんと1作目は一番昔、3作目は現在の最新のゲーム、と時系列に沿った登場だったのが丁寧で、ここもファンとして嬉しい部分でした。


映画のピークではさすがに切なすぎて涙してしまいましたし、繰り返しになりますがOPUSで感じる切なさと相似している感情。
恋愛映画が好きな方、台湾が好きな方、俳優が好きな方はもちろん、OPUSシリーズが好きな方もきっと満足できる作品では無いでしょうか。
ぜひ、劇場公開されているうちに足を運ぶのがお勧めです。


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