辛かったねと言ってもらえた。
昔、毎日息が苦しくて、気がついたら泣いていて、働けなくて、ご飯も食べられなかった時があった。
私はそんな姿を、知り合いには見られたくなかったから、外に出た時には元気に振る舞っていた。相談をしても、励まししか返ってこないと思っていたから、誰にも言いたくなかった。(結局外でも泣いてばかりで精神的におかしかったから結果的にはバレていたんだけど。)
"そんなことで"と言われるのが怖かった。
「大丈夫大丈夫」と笑って辛くないフリをするのがしんどかった。
何にも出来なくなっていくのが怖かった。
そんな中で、もうどうしようもないくらいになって、誰か助けてと駆け込んだ病院で、大泣きしながら初対面の先生に全部をぶちまけた時、その先生が「辛かったね」と言ってくれた。なんだかそれがすごく染み渡って、「はい、辛かったんです」と答えた。そうか、私辛かったって言ってもよかったんだと思えた。大丈夫なフリをしなくても、大丈夫だと自分に言い聞かせなくてもよかったんだと思った。辛いという感情を抑え込まなくていいんだと思った。
「辛い」という感情を見ないふりしてその時にちゃんと思いっきり悲しんで辛いってぶちまけなかったから、ずーっと心が悲鳴をあげていたんだ。
年齢を重ねると、思い切り悲しんだり怒ったりすることが難しくなる。「大人なんだから」と言い聞かせることが当たり前になっている。だけど、やっぱり自分の心の言葉にはちゃんと応えなくちゃいけないんだと思う。
「辛かった」という感情をちゃんと受け容れて向き合ってからは、少しずつ元気になれていった。もちろん周りの人の助けも大いにあった。見捨てずに私と向き合ってくれた人が居たから少しずつ心を取り戻せた。
辛い時は辛い、
悲しい時は悲しいって、
そう言っていい。
ネガティブな感情のことも
大切にしてあげて欲しい。
私はずっと変わらず、
そんな歌をうたいたい。
「辛かったね」って言えるような
そんな歌をうたいたい。
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