伏線回収(前編)
お笑いを始めてから2度どん底を味わったことがある。
1回目のどん底はNSC(吉本のお笑い養成所)に通っていた頃だ。
小中高12年間朝鮮学校に通い、日本の大学を卒業し昔からの夢だった芸人になるべくNSCに入学した。
就職活動をしていたが、芸人になるという昔からの夢を諦めきれず就活を辞めNSCに入学する決断をした。
私がNSCに通うという噂は朝鮮学校出身者の中ですぐ広まり、周囲からばかにされまくった。
それでも私は自分が一番面白いと信じてやまなかったし、周りに負けるわけがないと思いNSCに入学した。
今も人並みにとがっているとは思うが、養成所に通い始めた当初が一番とがっていた。
ガイダンスでアシスタントをしてくださっていた芸歴が1年上の先輩方が前でお話しをしてくださっていたのだが、当時の私はとがりきっていたので腕を組んで足を広げながら座り睨みながら聞いていた。
本当にイタかった。
しばらく経ちネタ見せの授業が始まった。
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