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【不妊治療記録vol.45】「心拍が全てなので」

心拍が全て

 前回医者から「次回心拍が見えなかったら望みは薄いです」と言われてしまった低hcgの私。毎回病院に行くたびに不安な気持ちになるのは不妊治療あるあるだろうか。
 自然妊娠の人も、心拍見えるかなって不安になって、Xで検索魔になったりするんだろうか?不妊脳の私は心拍が普通何週目で確認できるものなのかを調べ、確認できなかった世界線を想像しすぎて暗い気持ちになっていた。

緊張の6週4日

 私が心拍確認に訪れた時は、妊娠6週4日の頃だった。ネットを見ても、体外受精をしているならこのあたりには心拍確認はできている人が多かった。(自然妊娠の場合はそもそも排卵日が確定できないので、病院で見積もられた週数と実際の週数に乖離がある場合も)
 緊張で汗が滲む中、内診室に呼ばれて経膣エコーをする。今回も、すぐには目を開けられず、ぎゅっと目を瞑ったまま数秒経過し、ゆっくりと目を開けた。
 素人ながらエコーを見ると、胎嚢は前回通りあるが、あまり大きくなってない気もするし、心拍ももちろん見えない。”ああ、やっぱりそんなうまく行くわけないんだ。期待した私ってバカだなあ”と思っていた。

全く気づかない小さな鼓動

 するとエコーを医者がぐっと拡大して一言。

医者「ここですね。このぷくぷくと動いてるのが心臓です

 素人目には全くわからなかったが、確かに拡大すると何かがぷくぷく動いてるのが見える。これが心拍なのか、と生命の神秘に思わず涙がこぼれそうになる。拡大しなければ見えないほどの小さな小さな鼓動。私は、初めて心拍確認ができたこの日の様子を忘れることはないだろう。

「心拍が全てなので」

「今回も赤ちゃんの大きさは小さめですか??」
医者「そうですね、成長的にはまだ3〜4日程度遅いですね」
「ということはやっぱり危ないのか…」
医者「まあ医師としては成長の大きさよりも、心拍が確認できたかどうかが大事なんですよ。この時期は心拍が全てなので。小さくても、心拍さえ確認できてればクリアです

 「心拍が全て」ー。色々検索して不安になってたし、ずっと胎嚢も小さいままだし、いつか成長が止まってしまうんじゃないかと不安だったけど、こうして心拍確認ができるまでこの小さい命が生きようとしていることに感動した。

心拍は一回ではない

医者「ではまた来週来ていただいて、心拍の確認を行います。」

 心拍は1回確認できればいいというものではなく、2回確認するのがセオリーのようだ。俗にいう”心拍確認の壁”。心拍確認が2回できると8割くらいはOKらしいよと夫に言われたが、不妊治療をしているといつも自分が確率の低い側にいるような気がしてならない。
 帰宅してもやはり検索魔が止まらず、「心拍 2回目 確認」などと検索しては、「心拍の2回目が確認できなかった」というポストばかりを見つけてしまう。前回見えていたはずの心拍が確認できないとはどれほど心が引き裂かれる思いなんだろう。

余談:海外からの不妊治療

 夫は海外からLINEで色々調べて相手してくれるけど、やはり私のように毎回極度の緊張状態で病院に行き、エコーを見て、を繰り返してという当事者でもないからちょっと他人事に感じるというか、寄り添う限界はあるなと感じた。これは無事妊娠が継続して一緒にエコー見たら変わるかな??

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