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土砂災害はザックリ3種類!:土砂災害とは?part1【災害から身を守るvol.4】

※まず冒頭で令和2年7月豪雨に被災して亡くなられた方々に心より御冥福をお祈りするとともに、被災した全ての方々にお見舞い申し上げます。

大地震や火山噴火も怖いですが、土砂災害は毎年と言って良いほど、日本国内のどこかで起こっていますよね。
例え自宅付近に山がなかったとしても、旅先や出張先などで被災してしまう可能性もあります。
相手の正体を知っていれば、被災を免れる可能性は高まります。

※トップ画像は令和2年7月豪雨による土砂災害画像:国交省資料より

土砂災害はザックリ分けて3種類

細かいことを言うとキリがないので、まずは簡単に「3種類」を頭に入れておいていただければと思います。

①:崖くずれ(崩壊)
大雨や地震の影響で急斜面(崖)が崩れ落ちる現象。
突発的であっという間に崩れるので逃げ遅れる場合が多いです。

崖くずれ_国交省

崖崩れのイメージと事例写真:国土交通省資料より

ちなみに斜面の角度が30度以上高さが5m以上の場所は「急傾斜地」と呼ばれ、周辺の一定の範囲は「危険箇所」として国や自治体が指定します。
そういう場所はこれから建物を建てる場合に制限がかかったり許可が必要だったりします。
ですので、例えば住宅メーカーが建てた新しい建売住宅は崖崩れの被害が起こりそうな場所には建てられません。(※対策工事を実施すれば建てられます。)

急傾斜地_東京都建設局

危険箇所設定事例:東京都建設局より

②:土石流
河川や沢の土砂が水と混じり合って一気に流れ下る現象。
時速20~40kmの早さですので、人間の足では逃げられません。
突破力が強いので家ごと流されたりします。

危険な河川・渓流は「土石流危険渓流」に指定されていますが、河川の土砂の溜まり具合などは年月が経てば変わります。
ですので危険渓流ではないからと言って100%安全ではありません。
雨が降っている時やその数日後までの間は河川に近づかないように注意が必要です。

土石流_国交省

土石流のイメージと事例写真:国土交通省資料より

③:地すべり
斜面がゆっくりと滑っていく現象です。
動くペースは年間で数cm単位だったりするので、体感しにくいです。
ですが着実に動いていくので、道路に亀裂が入ったり家が傾いたりなどの被害を受けます。
また大雨などをきっかけに急激に早く動き出す場合があり、その時は非常に危険です。
規模が大きいので非常に大きな被害を受ける場合があります。

地すべり_国交省

地すべりのイメージと事例写真:国土交通省資料より

また地すべりの場合は数千年前から動いたり止まったりを繰り返しているような場所もあります。
そのような場所は地すべり地形という特徴的な地形になっており、専門家によって地すべり地形分布図が作成されています。
例えば里山地域のような昔ながらの農村地域では、裏山が地すべり地形である場合が多いので、事前に確認しておくことをお勧めします。

前兆現象は決してあてにしないで!

よくテレビのニュース番組などで「こんなことがあったら前兆現象です」と紹介したりしてますよね。
例えば「生臭いにおいがする」とか「ミシミシ音がする」とか。

でも、こういった「前兆現象」は決してあてにしないでください!

特にがけ崩れの場合、そういう現象が出た時にはもう遅いです。
次の瞬間にドサッと崩れ、一巻の終わりです。

前兆現象確認までギリギリまで逃げないということはせず、大雨時やその数日後までは急斜面には近づかないようにしましょう。
また自宅の家に裏山がある場合は、大雨の時には避難するのが一番安全です。「とりあえず逃げたけど結局何でもなかったね」と言うくらいで良いと思います。

どうでしょうか?
脅すわけではありませんが、山は必ず崩れると思って下さい。
今まで100年大丈夫でも、今日突然崩れるのが山です。
少しでも多くの方々に知って頂ければ幸いです。

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以上、お読みいただきありがとうございました。

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