見出し画像

自由時間製造機とは?

新宿歌舞伎町の東宝ビル横、通称「トー横」がいま話題だ。

「トー横」とは、歌舞伎町にある東宝ビルという建物の横手のことである。そこにたむろしている若者たちのあいだでいろいろと事件が起きているので知っている人も多いだろう。

ちなみに、ぼくは去年の7月の段階でこの東宝横についてすでに語っているので、相当ナウい。そのとき引用した記事がこれである。

当時は、まだ「TOHO横」と呼ばれていたが、いまでは「トー横」になってしまった。若者がそう呼んでいるのなら仕方がないけど、東横インの風評被害もバカにはならないと思う。マスコミとしては「東宝横」と書いたほうがいいような気はする。

この手の風評被害は訴えることができる場合と、だまって耐えねばならない場合があって、ポリティカリーにコレクトな場合以外は耐えるしかない。

たとえば、コロナ禍で「インド株」とか「南ア株」というのはポリティカリーにアレではないか?ということになった。つまり、国に対して差別的ではないのかということになり、ギリシャ文字なら無害だろうということで「ラムダ株」とか「ミュー株」と呼ばれるようになったことは記憶に新しい。

しかし、「デルタ株」と呼んでしまったらこんどはデルタ航空が被害を受ける。ただでさえ痛手を受けている航空機産業である。「これ以上いじめるのはかんべんしてくれ!」と言いたかっただろう。しかし、世界中が苦しんでいる時に、

やめてくれ

ともいえない。泣き寝入りするしかないのだ。

ちなみに練馬区には、「デルタ(株)」という不動産会社があるらしい、いま「デルタ 株」でググったらデルタ株より先にヒットした。

もしかすると当時の風評被害はデルタ航空以上だったかもしれないが、練馬区の賃貸に特化した中小企業が声を上げることなどできない。

こういう泣き寝入りは、いつの時代にもある。

たとえばオウム真理教だ。今日はじめてこのnoteを読まれた方にはなんとことやらわからないかもしれないが、何度か読んでいただいている方におかれましては

またオウムかよ

といわれそうだが、またオウムなのだ。あのころ、「オーム出版」や「オーム電機」などの会社がオウム関連企業と勘違いされて被害を受けた。

ちなみに真理教の「オウム」はヨガの「オームー」であり、オーム出版のオームは電気抵抗の「アンペア×オーム」のオームなので、ぜんぜんちがう。しかし、オウム真理教は「マハーポーシャ」というパソコンショップを経営して電子部品などを販売していたために、電気系の会社は軒並み誤解されてしまったらしいのだ。

ところで、関係ないけどマハーポーシャのパソコンが去年売りに出されていた。

現物を見るのは初めてだけど、90年代前半の当時で29万8000円のDOS/V機だそうだ。いま2万円は安い気もするし高い気もするし、もし出会ったらその場のいきおいで買ってしまったかもしれない。

そして、このnoteで2か月に1回くらい「マハーポーシャのノートPCを持っている」とドヤ顔をするのである。ところでこの記事の

自由時間製造機
1時間を40分にしてみませんか?

というのはコピーとしてどうなのだろう。
ぼくとしては、

アタマのいい理系の人が就活で自己啓発本を読んで思いついた

風な感じがするけど、オウムの社内製にしてはまあまあかなという気もしている。

さて、話がズレたが風評被害についてである。被害を受けてもなかなか訴えるのが難しいことが多い。

あの連続幼女誘拐殺人事件の際にも、犯人からマスコミに「所沢市 今田勇子」を名乗る犯行声明文が送り付けらている。

実際のところ、犯人は東京都あきる野市の在住だったらしく、犯行もあきる野市や八王子市で行われているのだが、捜査を混乱させるためにわざと埼玉の地名を出したのだそうだ。

犯行声明文でも「入間川にしずめて殺した」などとウソの供述があったといいわれるが、

所沢&入間 = 田舎の名前を出しておけば捜査をかく乱できるだろう

という底の浅い発想が読み取れてなおさら腹立たしい。当時、この町もずいぶん被害を被ったはずだ。

保育園などはかなりのダメージを受けたと思われるが、親たちも気が気ではなかっただろう。ダメージの大きさでいえば、蛭子能収さんや東尾修さん(元西武監督)が賭けマージャンで逮捕されたときの比ではなかったはずである。

しかし、遺族の心中をおもえば、埼玉県民はだまって耐えるほかない。

そういうわけで新宿歌舞伎町の東横インもだまって耐えていると思われる。しかし、上京したての若者がトー横にあこがれて、まちがえて東横インの横でたむろするようになったらさぞ困るだろう。

ところで、さきほど散歩したついでに東宝ビルを覗いてみた。もちろん所沢を散歩しつつ、ストビューで歌舞伎町を覗いたわけだけど、「横」といってもデカいビルだから「どこが横なのかわからないかもなあ」と思ったら、すぐにわかる。正面の右手だ。わき道にはいると若者たちがたむろしているのですぐわかる。

上京したての若い人は、まちがえないようにぜひ確認してから言ってほしい。

さて、今日は「場」について書くつもりだった。そういう若者たちが集まりやすい「場」の特徴について、都市のコスモロジー的な観点から考察しようと思って3000字分くらいアイデアを練っていたのだが、マハーポーシャのPCを見つけて熱くなってしまったのでコスモロジーはやめました。明日書くかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?