せっかくなのでバゲットについて考えてみる
フランスは言わずと知れたパンの国。仕事帰りにバゲット片手に帰宅なんてよくみる光景で、日本でコンビニの袋を持っているのと同じくらいの感覚です。
フランス人宅に食事に行くと、ご飯やパスタがメインの料理であろうとそこにはバゲットも置かれています。おつまみでもあります。
国民一人当たりバゲット半分を毎日消費しており、言い換えると1秒に320バゲットが作られ、消費されているそうです。
ジャムを塗ればおやつや朝食に、サンドイッチにすればランチにと、確かに便利。なんなら歯が生え始めている息子に与えるとムズムズ感にも丁度良いようで、バクバク食べてます。
バゲットの種類
実はここで言うバゲット、2種類あります。
バゲットクラシックとトラディション。
フランス語の意味は
バゲット:箸だったり、棒状のもの、クラシックは古典。
トラデション:伝統という意味。
そういえば周りのフランス人は、ほぼ全員トラデション派です。なぜでしょう。
というわけで、違いを調べてみます。
トラデション:食感→中がもちもちして重さを感じる
伝統の名をとっているだけあって、政府により制定された材料
(小麦粉、水、酵母、塩)のみ使用可。
4−6度で15−20時間の発酵時間
バゲット :食感→中が軽くふわふわしている
ルールは少なくグルテンや酵母の発酵を止める添加物など混入可
20度から29度で3−4時間の発酵時間
かかる手間に比例してか、トラディションの方が30円ー50円程高いです。
見た目は似てますが、大抵バゲットの方が少々長めです。
この様に比べてみると、有機なものや職人仕事が好きなフランス人がトラデションを選ぶのも頷けます。友人に理由を聞いても本人達は分からない様でしたが、
恐らく始めは両親かそのまた両親がこのふたつのパンの作り方の違いを知っていて、トラデションを選んだのではないかと想像が膨らみます。
袋
バゲットを入れてくれる紙袋、いつも足りてません。こんな感じでバゲットがいつも袋からはみ出てます。↓
なんでもしっかりと包装されている日本から来た当初は物足りなさを感じていたものでした。これ、埃が付くなぁ〜とか考えたりして。
それが今は袋から出ているのが当たり前。不思議なものです。
どうやら理由はこの3点に絞られそうです。
*全てカバーしてしまうと、焼きたてのパンが蒸気で湿ってしまう
*これは袋ではなく、あくまでバゲットを持つための持ち手
*家に帰るまでのつまみ食いをする為
最後のは後付の理由だと思われますが、確かに買ったばかりのバゲットをつまみ食いしながら歩いている人をよく見かけます。
この3つの理由では一番最初が最もではないかと思います。
好み
フランスについたばかりの頃、語学学校に通っていたのですが、クラスメイトに日本人のパン職人さんがいて、興味深い話を聞いた事を思い出しました。
それは日本とフランスの焼き方の違い。
日本 : 定期的に転がし、全てのバゲットを均等に焼く
フランス:オーブンに入れたらそのまま、
それぞれのパンの焼きムラを残す
というのもフランスではパン屋でバゲットを買う際「バゲット下さい」の他に、焼き加減も注文する人がほとんど。
お店で聞いていると、よく焼けたものを好む人が多いのかな?!と思っていたのですが、先日友人が注文してたのは「あまり焼きすぎていないものを下さい」いるんですね、カリカリし過ぎてないのが好きな人も。
という訳でそれなりに需要と供給が成り立っているようです。
パリでは毎年春にバゲットコンクールなるものが開かれます。
勝者には約50万円の賞金と共に1年間大統領官邸にバゲットを卸す権利が得られます。50万円かぁとも思いますが、これは大きな宣伝になるので、お客さんが増える事間違い無し、最終的には50万円以上の利益を得る事間違い無しです。
パンの国フランスでもパン屋は様々。イーストを自家製で作っているところもあれば、既製品を使用しているところも。パン屋にあるタルト生地も然り。以前キッシュを食べて、タルト生地が冷凍の匂いがして愕然としたのを覚えています。
誰でも行きつけのパン屋があり、好みの焼き加減があります。
我が家の行きつけは歩いて6分程。そこにたどり着くまで2つのパン屋を通り過ぎますが、これも数々試してたどり着いた結果。
折角なら美味しいものを食べたいものです。
というわけで材料、それにかかる仕事量、味を知った上で選ぶ今の私の一番はすぐに食べるのなら、よく焼けたトラデション。
まとめ買いをして冷凍し、朝オーブンで温めたホカホカを食べるのなら、焼きすぎていないトラデションとなりました。
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