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魚座土星・解放と慈愛のエネルギー

前回、魚座0度あたりにあるトランジット土星の影響について書きました。10月末から11月はじめにかけて、私自身がこの土星を中心とした星の影響を受けていると感じる体験がありましたので、よかったら共有してくださいね。



出生図とは、そのまま個人の意識の縮図(意識の癖とそれによる行動パターン)であると気がついてから、占星術における私の興味の対象はそこにありました。仕事運だの恋愛運だの相性だの成功する時期だの、そんなことばかりを深堀りして、一体何になるんだろう。正直、本音ではそう思っていました。



相性が悪かったら別れるの?向いていないと言われたら、それで止めちゃうの?成功する時期が来ないと何も始めないの?誰かに相性が悪いと言われて別れるくらいなら、そんなの最初から好きでもなんでもないじゃん。誰かに向いてないと言われて止めちゃうくらいなら、そんなの最初から嘘っぱちでしょーーー



そんなことより、傷ついてボロボロになってもいいから、人を本気で好きになってみようよ。失敗してもいいから、本気で情熱を感じられることを追求してみようよ。意味とか結果じゃなくて、私たち、体験するために生まれてきたんだよ。あなたの本心を見せてよーー運命なるものがあるとしても(まあ、ありますよねw)私たち自身が主体であり本体でしょう!



という暑苦しいスタイルwが私のスタンスでした。今もその軸は変わりません。でも、土星の影響をもろに受けて、その考えが形を変えてしまったんです。私とは全く異なる視点を持つ、様々な占星術師さんの考えに触れてみて、真逆の方向から本質にたどり着く人もいるってことを知ったからです。



はじめは痛かったです。私が信じてきたことは本当に正しかったのか、私はもう占星術を発信する自信がないーーとまで思いました。衝撃的に落ち込みました。でも、その後、価値観がぐちゃぐちゃになり、撹拌されて、もっと遊びの部分を取り入れた方がより楽しいし、生きることをもっと丸ごと肯定できるよね!と気がつきました。



ならば、やり方を変えようと思いました。もっと自由にやっていいんだと思いました。市場のニーズを読まないことは独りよがりでもあって、実のところ、一抹の虚しさを感じていたのです。結婚運、仕事運、相性、幸運な時期・・・上等ですよね!それも大事ですよね。現実をよりよく生きるために、特性を知る、相性を知る、時期を知るーーそういった方向からの占星術もステキだなと純粋に気がついたんです。



魂が求める方向性を無視して、現世利益を求めても砂上の楼閣です。自分を見つめることをせずに、現象ばかり追い求めても、いつか必ず底なしの虚しさがやってきます。でも、現実をより上手く生きていく、運なるものを活かして生きるってことも同じくらい大事。意識の学問というより「占い」として、占星術を大いに役立てるという方向だって、とっても素敵じゃないかと、思い直した私です。



現在、トランジット土星は私の出生図の5ハウスに位置しています。もっと自由に遊んだらいいよ。君はそもそも堅物なんだよ。真面目ばかりでもつまんないでしょう。自分の思い込みや縛りを解き放てば、もっと自由に人生を楽しめるってこと、もうそろそろ気づいてもいいんじゃない?ーーと、魚座土星が強く語りかけてきたのだと感じています。




魚座1度のサビアンーー偏見なき視点、海のような心
つまり、私たちそれぞれの偏りに気づかせ、私たちを海のような制限のない自由な境地へと解き放つエネルギーです。現在の空模様は、古いものを捨てて、生れ変るようなエネルギーに満ちています。これはもしかしたら、どなた様にとっても千載一遇のチャンスでもありそうです。




土星は制限を示します。私たちがどうしても受け入れたくない物事や視点を示しています。制限とは外側からの鎖でも呪縛でも何でもありません。それは自分が自分にかけた呪であり、自作自演の黒魔術のようなものです。潜在意識で抱いている恐怖・正しさ・思い込み・ジャッジメントなどによって、私たちは自分の人生にあらゆる制限を与えているのです。それが土星の正体です。



私の土星は蟹座9ハウスにあります。9ハウスに土星がある人は頑なにひとつの信念(自作の神話)に拘り、如何せん頑固になりがちで、新しい価値観を受け入れることが苦手です。無意識的に形而上学的な物語を持ち、その中で自分に呪縛をかけています。具体的には、神という概念であり、そして、善と悪、光と闇という二元論的世界観です。



私は神に愛されていないという無価値観、闇の存在なるものへの底なしの恐怖、清く正しく生きなければならないという呪縛、運命は私を不幸にするに違いないという恐れ、私はいつか裁かれるに違いないという呪ーーそういったものが、深層心理的に見た9ハウス土星の特徴です。



また、蟹座土星を持つ人は「自分は守られないし、永遠に根無し草の孤独な存在である」という潜在下の傷と思い込みを持っています。安全な枠を自ら設定し、この枠の外に出ると、とんでもないことが起こるに違いないと思っています。けれど、それは幻です。それはとてつもないリアリティーを持った制限として感じられますが、それらすべてが幻なんです。




信頼できる潜在意識リーダーに読んでいただいたのですが、「あなたはまるでドッグランの中で生きているようだ」と伝えてくれました。ある程度の広さと自由があり、とりたてて不満があるわけではない。けれど、この枠の外に出たら、きっと私は殺されるに違いない、本当の私を表現してしまったら、きっと消されるに違いないーーそれが私の潜在意識にある最大の呪縛でした。



自分でも、薄々、気がついてはいましたが、私が作り出した土星的呪縛は壮大な物語で、それによって、過去、何度も処刑されてきたようです。その呪縛(=土星)が前提としてあると考えると、これまでの人生の出来事も私の出生図もことごとく納得がいきます。失われたパズルのピースがハマったように、腑に落ちました。



潜在意識にある絶対的な思い込み=物語が、現実の運命となって、私たちを縛り付けます。その制限を解き放つエネルギーに満ちているのが今です。土星と共鳴してみましょう。何の思い込みも物語もない、赤子のような視点で人生を生きてみようよ、それは可能なんだよ、籠の中にいると思っているのは自分だけなんだよーーと星たちが語りかけています。


ホロスコープは魚座12ハウスで終わりというよりも、肉体を持って生きたまま、牡羊座1ハウスに還るーーということを教えているのかもしれません。すべての価値判断や意味づけを超えて、すべてのロゴスを超えて、真っ白な命そのものに戻るということ。それは無であり無限です。

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