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台南で過ごす1日

朝は牛肉湯から。初めて食べたら美味しくて、ついもう一軒別のお店でも食べてしまった。

牛肉湯とは、台南ならではの朝ごはん。台南では新鮮な牛肉が手に入るそうで、生の薄切りお肉をさっとお湯にくぐらせて、レアの状態でスープに入って出てくる。これが牛肉湯。スープと一緒に、小皿に入った甘い味噌と細く切った生姜がついてくる。味噌はお肉につけてもいいし、スープに浸してもいい。

シンプルな素材でつくる料理だからこそ、店ごとの違いが面白い。

一軒目のお店は、スープのお味がやさしくてあっさりめ。お肉は一つひとつにボリュームがあって、割としっかり火を通してあった。

二軒目は、ガイドブックに紹介されていた有名店。ここのスープにびっくり。まるでビーフシチュー!?ってくらいに濃厚な牛肉の香り。お肉の風味がぎゅっと凝縮されてる。味噌だけじゃなくて酒とかお酢とかも置いてあって、自分で自由に味付けするスタイル。

お店の人がつくった味を大切にする日本も素敵だけど、「あなたの好きにして〜」というスタイルの台南も好き。外食文化が盛んだと、自然とそういうふうになるんだろうか。タイでもいつもテーブルに調味料置いてあるもんね。

話を牛肉湯に戻さねば。ここの牛肉はうすーくスライスしてあって、ふんわりした食感。やわらかいパストラミビーフみたいな感じ。

シメにご飯を入れなよ、と身振り手振りで勧められたので、言われるがままに頼んでみる。濃厚牛肉スープと白米がこれまた合う。スープの中にご飯を入れるのもアリらしい。

生姜も入れるから、食べてるうちにからだもポカポカ。自然と元気が出てくる。普段は朝食を食べそこねることも多くて、なんだかからだに悪いことしてたなぁと少し反省してしまう。そりゃ元気でないよね、コーヒー1杯じゃ。

元気が出たところで、海沿いの古い街、安平へ向かう。どこの国へいっても、海辺の田舎町につい惹かれてしまうのはなんでなんだろう。

ほんとはサイクリングがしたかったのに、自転車屋さんが休みだった。地球の歩き方には定休日ないって書いてあったのに。

今年の東京はすごく暑いから、台南に来てもそんなに気温の差は感じてなかった。だけど日差しそのものがすごく強い。体感温度は変わらないのに、肌が日に焼かれてピリピリする。

安平の街は、台南市内よりさらに田舎で、落ち着いてて、高い建物なんてなくて、猫が路地裏でのんびりしてて、すごくいい場所だった。

向かいから来たおっちゃんに何か怒鳴られて、ひぃっと思ったんだけどどうやら怒ってはいなかった。日本から来ました、と伝えると全力の笑顔で「ひとりで観光か、気ぃつけな!」と言ってくれた。なんで最初怒鳴ってたのかは結局謎。

まっすぐ歩けば5分くらいの距離を、つい路地裏探検したくなってしまうせいで30分くらいかけて歩いた。建物がかわいいし、素顔の台湾を垣間見られるのが楽しい。

あまりに顔がぴりぴりするから、一度宿に帰って洗濯&パック。「私的美麗日記」の黒真珠パックを試してみる。

宿のランドリーを使ったら、洗剤がめちゃくちゃ好みの香りだった。思わず「どこの?」ってスタッフに聞いたら、「ドイツのだよ」とのこと。調べてみたとこ、ヨーロッパのシェア1位のブランドみたい。どうりでどこかで嗅いだことある香りなわけだ。買って帰りたいくらい好きなのに、どこのスーパーにも置いてなくて悲しんでる。

肉まんを食べたりドラッグストアを探索したりしたあと、夕飯は夜市へ。台南の夜市は、日替わりで場所が変わるという不思議なシステム。40分くらい歩いて会場へ。移動遊園地みたいなものもあって、大賑わい。ご飯は麺線を試してみた。醤油ベースのスープににんにくがガツンと効いてて、パワフルな味。「おいしい」と店員のお姉さんに伝えたら喜んでくれた。台湾語ぜんぜん覚えられないから「にぃはお」「しぇいしぇ」「はおつー」ばかり連呼してる。悲しい。

昨日の玉井で買ったマンゴーを食べながらこれを書いてるのだけど、皮むきがすごい難しかった。何あれ。種があるなんて知らなかったし、最初の一個はかなり無残な形状になってしまった。もちろん美味しくいただいたけど。

明日こそ、早起きして台南名物「サバヒー」を食べねばなので寝ます。おやすみなさい。


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