見出し画像

ハロー、台南。

台南までは新幹線ならぬ台湾高速鉄道で。2時間弱のあっという間の乗車。乗ってる間にひたすら現像。外の景色も楽しみたかったけど、夕日が眩しくてあんまりまともにみられなかった。

台南についた瞬間雷雨。やっぱり南にくるとスコールは増えるよう。

市内まではバスで。シャトルバスがなんと無料で出てる。インフォメーションのおじさんに教えてもらい、ちょうどいい時間のバスに乗る。市内までは40分くらい。乗ってるうちに雷雨もおさまり、大きな大きな虹がかかった。

バスの運転手さんがすごく世話好きだったので、観るべき景色とかフォトスポットなんかを全部教えてくれた。言われるがままに写真を撮った。言ってる言葉はひとつもわからなかったけど、言ってる意味はわかった。

「あんた!こっちやこっち!はよはよはよ!ここ見とかなあかんでぇ!!」

無事、教わったとおりのバス停につき、ホテルへ。宿を探してるときにTwitterで検索かけたら次々にここのレビューが出てきて、しかもどれもすごく好意的だったので即決したところ。

ホテルへ向かうまでの道でも、近所に住んでると思しきご夫婦が道を案内してくれた。「あなた、ひとりできたの?勇敢ねぇ」と握りこぶしをつくってジェスチャーをしながら褒めてくれた。両親が早めに帰国し、解散した直後で寂しかったタイミングだったからなんだか嬉しくなる。

さてこのホテル。おしゃれレベルが半端じゃない。無骨な内装にアンティークの家具が映える。屋外に広々したおしゃれバルコニーあるし。フロントブックカフェだし。共有スペースも広いし。オリジナルグッズ(すごくかわいい)あるし。鍵がブックバンドケースになってて、一人一冊本を貸してくれるシステム。素晴らし。スタッフもみんな気さくで優しいし。ベッドも広くてきれい。木材のいい匂い。

とりあえずお腹がすいたので外へ。バスの運転手さんが「オイシイ!」と指さした通りへ。わけもわからぬまま頼んだご飯、鶏肉にしてはクセがあるなぁと思ったら七面鳥でした。どおりで。

デザートを欲してフルーツやさんへ。宿で貸してくれた本に載っていたお店。マンゴーミルクを頼む。これがんまい!マンゴーもミルクも新鮮。青さがまったくなく、濃厚な甘みのマンゴーと、フレッシュなミルクの相性といったら。スタバのグランデサイズくらいのどでかいカップで出されたけど、するする飲めちゃう。

飲み始めてそこそこのタイミングで、近くの席のおじさんに声をかけられた。この人は黎明さん。ぼくもカメラが好きなんだよ、と穏やかにほほえみスマホのカメラロールに収められたコレクションを見せてくれた。

「あひるを撮るのが好きなんだ」というなんとも可愛らしい発言をしながらも、コレクションは超絶本格的。出てくるわ出てくるわ、アンティークレンズの数々。1mくらいあるんじゃなかろうかというサイズの望遠。ライカやらなんやら、素人の私でもおののく高級レンズたち。しかも自分で改造してるって言ってた・・何者・・。次のフォルダには勾玉やら銅鏡やら仏像やら、博物館でも開くのかしらってくらいの量。やっぱり何者・・。

ぼくのミラーレスはマイクロフォーサーズだから遠くまで写せるんだよ、君のフルサイズもいいけどね、ってところですんなり話が通じてなんだか嬉しかった。趣味は国籍も性別も年齢も越えるね。

うちに来る?と言われて一瞬身構えたけど、ただ本当に善意だったらしい。今日は遅いからやめとくよ、というと、「そうだね、じゃあ私は散歩してから帰るね。おやすみ」とすたすた歩いていってしまった。

台南。ここはどうやら本当にあったかい街らしい。

サポートいただけたら、旅に出たときのごはん代にさせていただきます。旅のあいだの栄養状態が、ちょっと良くなります。