旅をして、もっと好きになる
私は、友情にアツいほうだ。
友だちとの付き合い方として、たまにランチして世間話に花を咲かせるというよりは、一晩中飲んで熱い話をして泣きながら抱き合ったり、会いたくなったら無理してでも飛んでいったり、お互いの好きなところを褒め合って愛を深めていくタイプ。
まあ結局類友なので、親友たちは結構みんなアツい。ルーキーズ系。
ルワンダに戻る前夜にわざわざ新幹線で会いに来るヤツとか、4,000字以上使って私の好きなところをnoteに書くヤツとか、何も言ってないのに欲しいときに欲しい言葉をくれるヤツとか、カラオケで肩組み歌って泣き笑いするヤツとか。
家族や恋人はもちろん大事だけど、同じくらい、友だちが大事。いなきゃ生きていけない。
辛いときや苦しいとき、腹が千切れるほど笑ったとき、涙が出るくらい幸せだった時、そばにいてくれたのはいつも、友だちだったから。
先週、19とか20のころ出会った友だち2人が、山を越え海を越え砂漠を越えて、ルワンダにやってきた。
わりと「人生ハッピー☆たのしく生きよ☆パーティー!」みたいな女2人なので、「ルワンダ行きたーい!」の言葉も話半分に聞いていたら、航空券を取っていた。
「まじで来るの!!??」と、嬉しさ8割、焦り2割。
そしてその1か月後くらいに、本当に来た。どでかいスーツケースを持って。
空港で会ってもなお現実味がなかったが、確かに、1万5千km、丸一日のフライトを経て、ルワンダにやって来たのだ。どうかしている。
どでかいスーツケースを開けると、半分は私へのお土産だった。
「梅系のお菓子が欲しい」と言ったら、スーパーの梅コーナーまるごと買ってきたかと思うくらいよこしてきた。
その他にもチータラや缶チューハイ、グミやせんべいなど、具現化された愛が詰まっていた。
「カラサワこれ好きそうだよね~」「きっとそろそろこんなん食べたいよね~」などと言いながらスーパーで吟味する2人の様子が目に浮かぶ。
きっとこれが無かったら、一回りも二回りも小さなスーツケースで来れただろうに。
古くてどでかいスーツケースを不便そうにヨタヨタと運ぶ姿を思い出し、目頭が熱くなる。
旅(とくに不便な場所、とくに長い期間)をすると、人の本性が見える。
昔、2週間ほど一緒に過ごした人のことを嫌いになってしまった苦い思い出もある。
ルワンダは、私にとってはもはやホームだが、日本でOLをする2人にとってはとんでもない僻地である。
だけど、この旅で、私は2人のことをもっと好きに、大好きになった。
旅の途中、私の計画が上手くいかなかったことがあっても、嫌な顔一つせず、「計画してくれてありがとう。やり取り大変だったよね」「でもこっちのほうが楽しそうじゃない?」と言ってくれたこと。
初めて野生の象を見て、感動して涙を流していたこと。
キャンプ場にあると聞いていたシャワーがなくても、長い髪を懸命に井戸で洗ってくれたこと。
電気のないトイレで、かわりばんこに照らしながら用を足したこと。
夜停電しても、ランタンを点けて楽しそうにしている姿を私にアピールしてきたこと。
連れて行った場所で、一つもネガティブなことを言わずに、全部楽しんでくれたこと。
お世辞にも綺麗とは言えない子どもたちを、躊躇いなく抱きしめてくれたこと。
最後の空港で、涙をポロポロ流してくれたこと。
すべてが、私の心をあたため、幸せで満たしてくれた。
2人のうち1人がふと、「私たちっていつも、もちろん!って言うよね」と言い出した。
今まで意識していなかったが、言われてみればいつも、お互いに言っていた。
「ごめん、これ借りてもいい?」
「もちろんだよ!」
「ちょっと手伝ってもらってもいい?」
「もちろんもちろん!」
5泊6日、初めてのアフリカで、嫌な素振りを一切見せないこと。
簡単そうに聞こえて、実際かなりすごい事だと思う。
常にお互いを思いやり、気持ちよく過ごせる努力をし続けることは、ものすごい、愛だと思う。
出会った頃はまだ若くて、ただ大勢で出かけたり、飲んでどんちゃん騒ぎする仲間だったけれど、気づけばかけがえのない親友になっていた。
それはただ時間を重ねただけではなく、たくさん語り合ってお互いを知り、尊敬して、好きになって、それを続けていく努力を、みんながしたから。
友情は、一日にしてならず。
年を重ねるごとに、失うものも増えるが、大切なものがより大切になっていく。
大切なものが増えるということは、心配が増えることでもあるが、私はそれを不幸なことだとはとても思えない。
片桐はいりがエッセイでそんなことを言っていた。
何が言いたいって、とにかく、ありがとう。
あなたたちに出会えて私は本当に幸せです。
直接だとあまりうまく言えないから、想いを文字にのせて。
次に会える時まで、この思い出を胸に、また頑張るよ。
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