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見習いてえよ、その自己愛


一日中降り頻る雨の中、ふと思い立って現在の東京の気温を見てみると、20度だった。

11月の頭、この時期の平均的な気温がいかほどだったか、冬のない暮らしの中で忘れてしまった。

ルワンダ人は頗る寒さに弱い。

私が半袖でちょい寒いかしらと思ってる日に、彼らはフェイクファーのついたダッフルコートを着ている。

彼らを真冬の日本に送り込んだら、きっとこたつに潜り込んで春先まで出てくることはないだろう。


そんな猫のような彼らが、誰にも負けないこと。

それは自己愛の強さである。


ルワンダにきて間もない頃、同僚のスマホをちらと覗くと、ロック画面が自撮りだった。

「うわ、やっべえもの見ちまった…」と思い、なんだか微妙な気持ちになったものだが、それが彼に限ったことではないと、のちに知ることになる。

私が見てきた中で、おそらく、八割のルワンダ人が自分の写真を待ち受けにしている。

残りの二割は、自分の家族である。

日本人で自分の写真待ち受けにしてる奴いたらだいぶ引いちゃうよな。

初デートで発覚したら普通に仮病早退でLINEブロックだよな。こわすぎて。


あと、ワッツアップ(ラインみたいなやつ)のステータス(インスタストーリーみたいなやつ)でも、自分の写真めっちゃ載せる。

「God makes me strong😤😤😤」みたいなキャプションとともに。

同じタイミングで撮った微妙に違う写真は全部載せる。厳選しない。

タップしてもタップしても、ほぼ同じ写真。ストップモーションのアニメかよ。

配属先の同僚(畜産担当)は、定期的に自分の写真と、「🧠🧠」というキャプションを載せる。

毎回「🧠🧠」である。意味がわからない。こわすぎる。

自己愛とほぼ等しいが、自己肯定感もすこぶる高い。



同じ敷地内に住む仲良しのティーチャーズが、毎朝6時から大声で歌っててうるさかったもんで、

「朝はやーくにとても大きな声で上手に歌を歌ってるのは誰?」とキレ気味に聞いてみたら、

うち一人が「あ、多分自分っす😝」と言ってきた。照れながら。嬉しそうに。

ちげえよ。

ルワンダ人に"はんなり嫌味"が通じると思った私がうつけでござんした。(ティーチャーズとはマブダチどすえ)


基本的にみな、イライラをぶつけても全然くらわない。まさか自分が怒られるわけがない。嫌われるわけがない。と思ってる。基本的に。

たまにイラつくが、自己愛が強く自己肯定感が高いことは良いことである。

私も日本人の中ではかなりそっちタイプだが、ルワンダ人と並ぶと比べ物にならない。


嗚呼、おもしろきかな、国民性。


下書きに保存したまま半日熟成させ、夜になってしまった。

明日は雨が降りませんように。おやすみ。

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