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纏う色で完成される

私の住む村の景色は、ほぼ4色だ。

どこまでも続く土の、赤茶。
バナナツリーや畑の、緑。
ペンキを塗ったように濃い、空の青。
その空を飾るように広がる、雲の白。

私の住む村に限らず、市街地を除けば大体どこもこの4色で構成されている。

時間帯によって、天候によって、霧がかかってくすんだり、夕日に照らされてキラキラと輝いたり。

とてもシンプルなのに、ルワンダの風景を表そうとすると、「カラフル」という言葉が浮かんでくるのは何故だろう。

それは、人々が纏う色鮮やかなアフリカ布が、その4色のキャンバスの上で輝きを放っているからだ。

ルワンダ、特に農村部では、女性たちのほとんどがアフリカ布を纏っている。

美しく縫製されたドレスを纏う人もいれば、色んな種類の布を巻きつけて、チグハグな装いをしている人もいる。

上下黒、なんて人はほとんどいなくて、誰もが極彩色の、まるで絵画のような色柄を纏っている。

一人一人がチグハグだったとしても、三人、四人集まるとなぜかまとまる。

全員集まって、一つの作品のようになるのだ。

村会議の時などは圧巻である。

一面緑の草の上に、この世のすべての色が散りばめられる。

世界中を探しても存在しない色の花や、鳥、幾何学模様や、謎の柄。

私はいつも、話なんてろくに聞かずに、彼らの纏う布の、個性豊かな鮮やかさに釘付けになっている。


ルワンダに来る前から、アフリカ布という存在が気になってはいたものの、ここに来て、心をがっしり掴まれ、瞬く間に虜になってしまった。

アフリカ布は、このアフリカの4色のキャンバスの上で最も、その実力を発揮するのだ。


日本からこちらに帰任する際、ミシンを持って来た。

市場に行くたびに、心奪われた布は必ず手に入れて、「何を作ろうかしら」とワクワクしながら帰路につく。

家に帰り、柄とにらめっこして、「スカートにしてやろうか、それともパンツか?いや、ワンピースにした方が映えるだろうか?」

悩んだのちに何かを縫製し、完成させる。

「うん、良い、良い。」

思い通りにできると、嬉しい。

そうしてできた服を纏い、外に出てみると、作品が表情を変える。

赤土の上で、ルワンダの突き刺すような日光に照らされ、布がぱあっと輝く。

心躍るような鮮やかさと、それを引き立てるような陰影に、つい顔がほころんでしまう。

もう、この楽しみは、やめることができない。


ルワンダの景色は、人々が纏う色で完成される。

赤茶、緑、青、白の風景を、その独特な色づかいや柄が、美しく彩る。

自然と人々が境なく共生する、素晴らしい風景が、ここにはある。


ここが私のア(強制終了)

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