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においフェチの仙人に一度は救われたけど結局40万払った話【前編】

においフェチの仙人に一度は救われたけど結局40万払った話【前編】

今までの人生で一番高い買い物は何ですか?

私は、歯だ。
正確に言えば、インプラント。この歳で。

歯医者に行くと十中八九待合室にインプラント関連のポスターがあるけど、自分には無関係だと思ってた、そう、2年前までは。

これは、私が小6で歯に異常が起きてから、25歳にしてインプラントを入れざる負えない状況に追い込まれるまでの13年間のドキュメンタリーだ。
正直13年前のことなんて詳細は忘れているの

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「コンドームを買ったら笑われる」

「コンドームを買ったら笑われる」

わたしはアフリカにある小国、ルワンダの農村で暮らしている。

ここに来てからずっと気になっていることがあった。

聞きにくいなあと思いながらも、勇気を出して同僚のティックトックおにい(いつも空き時間に延々ティックトックを見てる、貧困問題担当の人)に聞いてみた。

「なんで、この人たちは貧しいのに子どもをたくさん産むの?」

案の定同僚は「ん~」と考え込んだけど、教えてくれた。

彼が言うには、理由

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私の中の釜爺に従ったら、ひとつの家族を救っちゃったかもしれない。

私の中の釜爺に従ったら、ひとつの家族を救っちゃったかもしれない。

この話は、これらの話の続きです。
未読の方はぜひこちらから。

思いが溢れすぎて、何から書いていいかわからない。

そんな時は、結論から言おう。

マコと、弟ガソレが、学校に通い始めた。

こんなこと、誰が信じるだろうか。
あの時うなだれてた私、聞いてるか?
お前とんでもないことをしたぞ。やったぞ。やったんだ。

とりあえず結論を言ったので、話を遡っていこう。

遡ること、何日前、かわからないが、

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700人のルワンダ人の前でうろ覚えのあいみょんを歌った話

700人のルワンダ人の前でうろ覚えのあいみょんを歌った話

私は今、アフリカ大陸の真ん中らへんに位置するルワンダという小国の農村部に住んでいる。

火曜の夕方5時半、家の裏にあるバーで、ルワンダの超低予算映画を見ていた。

※私の家は教会の広い敷地内にあり、教会、我が家、バー、私立の中高一貫校、その教師たちの家がある。

この国では基本、瓶の飲み物を買った場合は買った店に返す。

その日も瓶を返しに行ったら、従業員が見てるテレビで、その映画が流れていた。

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お前最近何してたん?

お前最近何してたん?

大変ご無沙汰しております。

いろーんなことがあり、やっと諸々決まったので、ご報告を。

実は、うつになっていた。

約二ヶ月前、ニャムガリで。
外に出ることができなくなった。

原因は、多分まあ、色々あるのだけれど。

それは、今回は省略するとして。

趣味の裁縫をすることも、お香を焚くことも、床に落ちたゴミを拾うことさえできなくなった。

18時を過ぎると襲ってくる、暗くて深い、地獄のような夜

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「いらっしゃいませ」が「こんばんは」に変わった日

「いらっしゃいませ」が「こんばんは」に変わった日

それがいつのことだったか、具体的に覚えているわけではない。
だけどその日からそこはいつも私を温かく迎え入れてくれる、大好きな店になった。

1.一人暮らしを始めて
大学を出て社会人になり、初めての一人暮らしを始めた。
それまで一度も降りたことのなかった都内の街で、一人。

大学時代は一人暮らしの友達が心底うらやましくて、就職とともにそれができると決まって、ずっとワクワクしていた。

自分で選んだも

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にわか、余白を愛する。

にわか、余白を愛する。


美術館
 美術館が好き。

でも、アートのことはあまりわからない。
画法とか、画家とか、歴史とか、何もわからない。
絵の横にある説明文を毎度毎度熱心に熟読するが、帰りの電車ではさっぱり忘れている。現代アートや抽象画はもっと理解できない。

私の美術館の楽しみ方といえば…

遠い国の、昔のアーティスト、世界に認められ、偉人と呼ばれるような人たちが、何かを見て、何かを想い、何かを伝えたくてその手で作

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そろそろハライチのターン!への愛を語りたい

そろそろハライチのターン!への愛を語りたい

私が”TBSラジオ ハライチのターン!”と出会ったのは1年前のことだ。
当時イラストレーターの仕事をやっていた私は口さみしさならぬ耳さみしさを感じ、あらゆるところがイカれていたが笑いのセンスだけは確かだった当時の恋人に「なにかおもろいBGMはないか」と聞いたところ、「かもめんたるの聞き流しコントとハライチのターン!がおもろい」と教わった。

かもめんたるがおもろいのは知っていたが、ハライチにはあま

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死にかけの子猫を、トイプードルの母乳が救った話

死にかけの子猫を、トイプードルの母乳が救った話

猫を拾ったことがありますか?

私はあります。二度も。

正確に言えば拾ったのは私ではなく母親で、しかもそれも近所の人だとか祖母だとかに押し付けられるようにして拾ったのだが、結果的に拾った。

一度目は、約八年前、家の敷地内で。
紫陽花の下で弱り切っていた、目やにだらけの淡い色の三毛猫は、我が家に迎えられた。
病院で綺麗にしてもらった彼女は、見違えるほど美しく、可憐だった。
今ではリビングの一番高

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曲げわっぱとの愛おしい毎日

曲げわっぱとの愛おしい毎日

職場で、木でできた小判型のお弁当箱を使っている人がいた。ちらりと覗くと、いろいろなおかずがぎゅうっと詰まっていて、とてもおいしそうだった。

「曲げわっぱっていうんですよ」と教えてもらった。

それからわっぱに憧れを持ちつつ、お弁当箱に500円以上は出せないなあなんてケチっていたけれど、でもやっぱり欲しくって、ついに買った。3000円と、お弁当箱としてはお高いけれど、本当に欲しいのなら早く買うのが

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16歳で見た夢のスタート地点へ

16歳で見た夢のスタート地点へ

私は今年、アフリカに行く。
”青年海外協力隊”というやつだ。
アフリカのルワンダという小国で、2年間暮らす。

「きっかけは?」とよく聞かれるのだけれど、
上手く答えられた試しがない。
いつもふざけているので、熱い話をするのが苦手なのだ。

どこかに記しておきたいと思いつつ、戸惑っていた。

だから今回はここで、時間をかけてじっくりと、思うままに書いてみようと思う。

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