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活動のこととか、ルワンダでの生活とか。
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そういえば帰国

そういえば帰国

言うの忘れてたけど、帰ってきました。

16日前に。

ただいま。お待たせ、ニッポン。

帰るまではあれだけ「カウントダウンはどうちゃら」とか騒いでたわりに、帰ってきたら二週間以上のだんまり。

なぜかというと、スーパーエンジョイしていたのと、普通に発熱していたので。

8月2日、帰国前夜、隊員仲間たちと飲むように酒を浴び、歌い、踊り、潰れ、若干の二日酔い状態で、搭乗。

機内ではダウンロードして

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一年前のわたしへ

一年前のわたしへ

こんにちは。

あ、あなたは今日本にいるので、「こんばんは」か。いや、もう寝てるか、午前1時を過ぎているし。

数日前にルワンダからボロボロの状態で帰国して、今はつおくんと愛猫さいと一緒に、すうすうと寝息を立てていることでしょう。

ルワンダではあんなにも寝付けない日々が続き、顔を青白くさせていたのに、帰ったとたん深い深い眠りにつくことができ、随分と安心したことをよく覚えています。

さて、あなた

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大袈裟すぎるぐらいのほうが

大袈裟すぎるぐらいのほうが

ニャムガリに帰ってきて、二週間くらい経った。

えぐい。

歓迎が。

その熱さ、戦火の最前線から生還したかの如し。

説明が面倒くさくて「ベリーシリアスな病気だった」としか言ってないため、多分日本で生死を彷徨ってたと思われてるのだろう。

おまけに、ルワンダで増えすぎた体重を日本で落としていったために幾分かスリムになり、その姿がますます心配を助長させるのであろう。

近所のおばあちゃんが、私の腕

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纏う色で完成される

纏う色で完成される

私の住む村の景色は、ほぼ4色だ。

どこまでも続く土の、赤茶。
バナナツリーや畑の、緑。
ペンキを塗ったように濃い、空の青。
その空を飾るように広がる、雲の白。

私の住む村に限らず、市街地を除けば大体どこもこの4色で構成されている。

時間帯によって、天候によって、霧がかかってくすんだり、夕日に照らされてキラキラと輝いたり。

とてもシンプルなのに、ルワンダの風景を表そうとすると、「カラフル」と

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リプレイすればいつでもまた会えるさ

リプレイすればいつでもまた会えるさ

週末、友人たちが帰った後、庭で家庭菜園を始めようと土をいじっていた。

すると、我が家の警備員、ジャンクロード(21歳男性、あだ名はクロちゃん)が、「ゆり、今日時間あるの?」と控えめに聞いてきた。

クロちゃんは、史上初めて英語が少々話せる優秀なボーイである。

何を頼まれるのだろう。

「家にいるなら帰ってもいい?」だろうか。

「よかったら僕とデートしない?」だろうか。

ドキドキしながら「時

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見習いてえよ、その自己愛

見習いてえよ、その自己愛

一日中降り頻る雨の中、ふと思い立って現在の東京の気温を見てみると、20度だった。

11月の頭、この時期の平均的な気温がいかほどだったか、冬のない暮らしの中で忘れてしまった。

ルワンダ人は頗る寒さに弱い。

私が半袖でちょい寒いかしらと思ってる日に、彼らはフェイクファーのついたダッフルコートを着ている。

彼らを真冬の日本に送り込んだら、きっとこたつに潜り込んで春先まで出てくることはないだろう。

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お前最近何してたん?

お前最近何してたん?

大変ご無沙汰しております。

いろーんなことがあり、やっと諸々決まったので、ご報告を。

実は、うつになっていた。

約二ヶ月前、ニャムガリで。
外に出ることができなくなった。

原因は、多分まあ、色々あるのだけれど。

それは、今回は省略するとして。

趣味の裁縫をすることも、お香を焚くことも、床に落ちたゴミを拾うことさえできなくなった。

18時を過ぎると襲ってくる、暗くて深い、地獄のような夜

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さよなら、マリア

さよなら、マリア

2023年5月4日、

突き抜けるように空が青く、

暑い暑い晴れの日、

マコたちの母マリアが36歳で急逝した。

その日私は、食あたりで体調が悪く、家にいた。

次の日、体調は悪かったけど、何となくみんなに会いたくなって集落に行くと、近所のママたちが私に駆け寄ってきた。

何事かと思って聞いてみると、彼女たちの口から出てきた言葉は、

「マリア、ヤラプーエ(マリアが死んだ)」

マリアが亡くな

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100日で100万人が殺された。

100日で100万人が殺された。

こんにちは。カラサワです。

私は今、ルワンダの農村で暮らしています。

ルワンダでは、4月7日から100日間、国全体でルワンダ虐殺の犠牲者を追悼します。

初日からの1週間は追悼の週として、全国各地の施設で式典や慰霊祭が行われ、喪に服し、記憶し、反省し、学び、二度と虐殺を繰り返さないための誓いが立てられます。

ところで、ルワンダ虐殺のことは、日本でどれほど知られているのでしょうか。

ルワンダ

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卵雑炊が作れちゃう女

卵雑炊が作れちゃう女

体調を崩した。

ルワンダに来て4ヶ月弱、2度目の発熱。

それまで発熱なんて滅多になかった。

みんながヒイヒイ言っていたコロナワクチンさえ、3度とも何の副反応もなかった。

覚えている限りの日本での最後の発熱は、5年前とかである。

いくら楽しく過ごしてるとはいえ、やはり環境の変化というものは体調に大きく関わるらしい。

ルワンダの子どもたちを見ていると、平気でそこらに落ちてるゴミとか舐めるし

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私の中の釜爺に従ったら、ひとつの家族を救っちゃったかもしれない。

私の中の釜爺に従ったら、ひとつの家族を救っちゃったかもしれない。

この話は、これらの話の続きです。
未読の方はぜひこちらから。

思いが溢れすぎて、何から書いていいかわからない。

そんな時は、結論から言おう。

マコと、弟ガソレが、学校に通い始めた。

こんなこと、誰が信じるだろうか。
あの時うなだれてた私、聞いてるか?
お前とんでもないことをしたぞ。やったぞ。やったんだ。

とりあえず結論を言ったので、話を遡っていこう。

遡ること、何日前、かわからないが、

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学校に行くあの子、弟をおぶる私。

学校に行くあの子、弟をおぶる私。

前回の記事で書いた、うちの前でよく遊んでいる姉弟のお姉ちゃん、マコ(推定7歳)の話。

オチも何もない、今の私の胸の内をぶちまけただけの話。

マコはいつも、弟たちの世話をしている。

そして最近は弟たちだけでなく、うちにいるセキュリティの子ども(生後6か月)の子守もさせられている。

学校に向かって楽しそうに歩く制服姿の子どもたちを横目に、いつもボロボロの服で、子守をしている。

マコだってまだ

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真っ暗闇、土の上で眠る4人家族

真っ暗闇、土の上で眠る4人家族

「手ぇ出すんならしまいまでやれ!」

昨日、うなだれている私に、私の中の釜爺が説教してきた。

(うなだれていた理由はこちら↓)

どんなに厳しい現実でも、知ってしまったら、知る前には戻れない。

マコと、その弟たちには、出会ってしまった。出会う前には戻れない。

私がいる間は、できるときに、できることをする。できないことはしない。

そう決めた。

ということで早速、マコの家を訪ねてみることにし

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「コンドームを買ったら笑われる」

「コンドームを買ったら笑われる」

わたしはアフリカにある小国、ルワンダの農村で暮らしている。

ここに来てからずっと気になっていることがあった。

聞きにくいなあと思いながらも、勇気を出して同僚のティックトックおにい(いつも空き時間に延々ティックトックを見てる、貧困問題担当の人)に聞いてみた。

「なんで、この人たちは貧しいのに子どもをたくさん産むの?」

案の定同僚は「ん~」と考え込んだけど、教えてくれた。

彼が言うには、理由

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