カラサワ

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「いらっしゃいませ」が「こんばんは」に変わった日

それがいつのことだったか、具体的に覚えているわけではない。 だけどその日からそこはいつも私を温かく迎え入れてくれる、大好きな店になった。 1.一人暮らしを始めて …

カラサワ
3年前
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健やかでいたいね

ルワンダでは、挨拶の時にいろんな表現を使って、元気かどうかを確認し合う。 日本語に直訳するのは難しいけど、「調子は良い?イイ感じ?平和?」みたいな。 日本人には…

カラサワ
9時間前
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カウントダウンはまだ早い

帰国まで3か月となった。 愛し愛されたニャムガリを離れるのはあまりにも寂しく、帰りたくない思いでいっぱいだ。 ...なんて言ったら、嘘になる。ごめん。 正直、もう私…

カラサワ
4週間前
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欲しいのは、金メダル

先日JICAから、進路希望調査と、任地ニャムガリを離れる日のお知らせが送られてきた。 それもそのはず。あと4か月もしないうちに、私は焼き鳥を片手にへべれけになってい…

カラサワ
1か月前
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拝啓、大好きです。敬具

拝啓、自分宛だと分かってるであろう、君へ。 私は、友だちに「大好きです」なんて言うタイプの人間ではなかった。 何故なのか考えた。 そもそも、日本人は、友だちに「…

カラサワ
2か月前
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旅をして、もっと好きになる

私は、友情にアツいほうだ。 友だちとの付き合い方として、たまにランチして世間話に花を咲かせるというよりは、一晩中飲んで熱い話をして泣きながら抱き合ったり、会いた…

カラサワ
2か月前
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私のヤバさ

他人が私のことを評価する時に、「しっかりしてるよね〜」という評価をいただくことが、よくある。 これは、半分正解で、半分間違っている。 確かに私は礼儀作法や常識は…

カラサワ
3か月前
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ひとり暮らし、キライ。

アラームはかけない。大体同じくらいの時間に目が覚めるから。 何に起こされるわけでもなく目を覚まし、片目でカーテンを見つめる。 まだ暗かったらもう一度目を瞑り、ぼ…

カラサワ
3か月前
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おなかぴーぴーと大のろけ

新年あけまして…なんて記事を書こうと思って少々ボーっとしてたら、明日で1月が終わることに気が付いた。 時の過ぎゆく速さに驚きを隠せない。 1月は「行く」、2月は「…

カラサワ
4か月前
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バカ高いかまぼこが見たい

壁掛け時計を見て、カレンダーを見て、スマホのロック画面を見て、SNSを見て、ゾッとする。 12月30日… 年末ってこと…? 一年中気温20度越えのこの国で迎える年末は、…

カラサワ
5か月前
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纏う色で完成される

私の住む村の景色は、ほぼ4色だ。 どこまでも続く土の、赤茶。 バナナツリーや畑の、緑。 ペンキを塗ったように濃い、空の青。 その空を飾るように広がる、雲の白。 私の…

カラサワ
6か月前
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リプレイすればいつでもまた会えるさ

週末、友人たちが帰った後、庭で家庭菜園を始めようと土をいじっていた。 すると、我が家の警備員、ジャンクロード(21歳男性、あだ名はクロちゃん)が、「ゆり、今日時間…

カラサワ
6か月前
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見習いてえよ、その自己愛

一日中降り頻る雨の中、ふと思い立って現在の東京の気温を見てみると、20度だった。 11月の頭、この時期の平均的な気温がいかほどだったか、冬のない暮らしの中で忘れてし…

カラサワ
6か月前
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物事の背景を考えられる人・考えられない人

昨日友人に、「SNSで見た、ゆりちゃんの作ったブックカバーがとても良かった。買わせてほしい。ファンである。」と言われた。 とても嬉しかった。 この言葉を、「普通じ…

カラサワ
8か月前
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大袈裟すぎるぐらいのほうが

ニャムガリに帰ってきて、二週間くらい経った。 えぐい。 歓迎が。 その熱さ、戦火の最前線から生還したかの如し。 説明が面倒くさくて「ベリーシリアスな病気だった」…

カラサワ
8か月前
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お前最近何してたん?

大変ご無沙汰しております。 いろーんなことがあり、やっと諸々決まったので、ご報告を。 実は、うつになっていた。 約二ヶ月前、ニャムガリで。 外に出ることができな…

カラサワ
9か月前
63
「いらっしゃいませ」が「こんばんは」に変わった日

「いらっしゃいませ」が「こんばんは」に変わった日

それがいつのことだったか、具体的に覚えているわけではない。
だけどその日からそこはいつも私を温かく迎え入れてくれる、大好きな店になった。

1.一人暮らしを始めて
大学を出て社会人になり、初めての一人暮らしを始めた。
それまで一度も降りたことのなかった都内の街で、一人。

大学時代は一人暮らしの友達が心底うらやましくて、就職とともにそれができると決まって、ずっとワクワクしていた。

自分で選んだも

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健やかでいたいね

健やかでいたいね

ルワンダでは、挨拶の時にいろんな表現を使って、元気かどうかを確認し合う。

日本語に直訳するのは難しいけど、「調子は良い?イイ感じ?平和?」みたいな。

日本人にはあまりそんな感覚がなくて、最初私は「おっはーこの前の話だけどさ」などと無礼をはたらいていた。

けど最近はちゃんと、元気かどうか確認してから本題に入るようにしている。

多少不調であっても、ルワンダ人には「元気だよ~調子いいよ~」と答え

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カウントダウンはまだ早い

カウントダウンはまだ早い

帰国まで3か月となった。

愛し愛されたニャムガリを離れるのはあまりにも寂しく、帰りたくない思いでいっぱいだ。

...なんて言ったら、嘘になる。ごめん。

正直、もう私の気持ちは9割方日本にある。
ルワンダにあるのはせいぜい足の指先ぐらい。

帰りの飛行機に乗るのは、92日後。約2,200時間後だから、サザエさん4,400回分である。

幼いころ私は、テーマパークでのアトラクション待ち時間を、な

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欲しいのは、金メダル

欲しいのは、金メダル

先日JICAから、進路希望調査と、任地ニャムガリを離れる日のお知らせが送られてきた。

それもそのはず。あと4か月もしないうちに、私は焼き鳥を片手にへべれけになっている予定なのだから。そしてカラオケで新宿に豪雨を降らせている。

進路。

今年30歳になるのに、進路希望調査を書くだなんて、おもしろい。

中3くらいから定期的に行われてきたイベントが、この年まで続くとは思わなかった。

だがしかし、

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拝啓、大好きです。敬具

拝啓、大好きです。敬具

拝啓、自分宛だと分かってるであろう、君へ。

私は、友だちに「大好きです」なんて言うタイプの人間ではなかった。

何故なのか考えた。

そもそも、日本人は、友だちに「大好きです」などとあまり言わないのかもしれない。

でも、何故なのか考えた。

結論、”相手が自分のことを大好きかどうか自信がない”から、もしくは”相手のことを100%大好きかどうかわからない”からなのではと思った。

今回、その両方

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旅をして、もっと好きになる

旅をして、もっと好きになる

私は、友情にアツいほうだ。

友だちとの付き合い方として、たまにランチして世間話に花を咲かせるというよりは、一晩中飲んで熱い話をして泣きながら抱き合ったり、会いたくなったら無理してでも飛んでいったり、お互いの好きなところを褒め合って愛を深めていくタイプ。

まあ結局類友なので、親友たちは結構みんなアツい。ルーキーズ系。

ルワンダに戻る前夜にわざわざ新幹線で会いに来るヤツとか、4,000字以上使っ

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私のヤバさ

私のヤバさ

他人が私のことを評価する時に、「しっかりしてるよね〜」という評価をいただくことが、よくある。

これは、半分正解で、半分間違っている。

確かに私は礼儀作法や常識はわきまえているし、幹事とかもよくやるし、ある程度他人に頼らず生きていけるし、ラーメン屋も一人で入れる。

自分の意見を伝えられるし、人生の分岐点ではちゃんと決断ができるし、国家斉唱とかもちゃんと歌う。

しかし、だ。

その残りの半分が

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ひとり暮らし、キライ。

ひとり暮らし、キライ。

アラームはかけない。大体同じくらいの時間に目が覚めるから。

何に起こされるわけでもなく目を覚まし、片目でカーテンを見つめる。

まだ暗かったらもう一度目を瞑り、ぼんやりと明るかったらスマホで時間を確認する。

明るかった場合は大体、7時から8時の間。

どこに行くにしても、その時間に起きれば間に合う。

眠い目をこすりながら、SNSをさらっと徘徊する。

「おはよう」と言う相手はいないので、もう

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おなかぴーぴーと大のろけ

おなかぴーぴーと大のろけ

新年あけまして…なんて記事を書こうと思って少々ボーっとしてたら、明日で1月が終わることに気が付いた。

時の過ぎゆく速さに驚きを隠せない。

1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」なんて言われているのは、日本の忙しない生活の中での話かと思っていたが、そうとも限らないらしい。

いや、ただ単に今月が私にとって楽しすぎたからだろうか。

そう、今月、恋人がついにルワンダにやって来たのだ。

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バカ高いかまぼこが見たい

バカ高いかまぼこが見たい

壁掛け時計を見て、カレンダーを見て、スマホのロック画面を見て、SNSを見て、ゾッとする。

12月30日…

年末ってこと…?

一年中気温20度越えのこの国で迎える年末は、二度目。

しかしながらやはり、半袖で迎える年末というのはどうもしっくりこない。

年末は寒いものだと、体に染みついているのだ。12月生まれだし。

ルワンダにいながらも、誕生日は盛大すぎるくらいに祝ってもらったし、クリスマス

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纏う色で完成される

纏う色で完成される

私の住む村の景色は、ほぼ4色だ。

どこまでも続く土の、赤茶。
バナナツリーや畑の、緑。
ペンキを塗ったように濃い、空の青。
その空を飾るように広がる、雲の白。

私の住む村に限らず、市街地を除けば大体どこもこの4色で構成されている。

時間帯によって、天候によって、霧がかかってくすんだり、夕日に照らされてキラキラと輝いたり。

とてもシンプルなのに、ルワンダの風景を表そうとすると、「カラフル」と

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リプレイすればいつでもまた会えるさ

リプレイすればいつでもまた会えるさ

週末、友人たちが帰った後、庭で家庭菜園を始めようと土をいじっていた。

すると、我が家の警備員、ジャンクロード(21歳男性、あだ名はクロちゃん)が、「ゆり、今日時間あるの?」と控えめに聞いてきた。

クロちゃんは、史上初めて英語が少々話せる優秀なボーイである。

何を頼まれるのだろう。

「家にいるなら帰ってもいい?」だろうか。

「よかったら僕とデートしない?」だろうか。

ドキドキしながら「時

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見習いてえよ、その自己愛

見習いてえよ、その自己愛

一日中降り頻る雨の中、ふと思い立って現在の東京の気温を見てみると、20度だった。

11月の頭、この時期の平均的な気温がいかほどだったか、冬のない暮らしの中で忘れてしまった。

ルワンダ人は頗る寒さに弱い。

私が半袖でちょい寒いかしらと思ってる日に、彼らはフェイクファーのついたダッフルコートを着ている。

彼らを真冬の日本に送り込んだら、きっとこたつに潜り込んで春先まで出てくることはないだろう。

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物事の背景を考えられる人・考えられない人

物事の背景を考えられる人・考えられない人

昨日友人に、「SNSで見た、ゆりちゃんの作ったブックカバーがとても良かった。買わせてほしい。ファンである。」と言われた。

とても嬉しかった。

この言葉を、「普通じゃない?」と思えたあなたは、物事の背景を考えられる人である。

と、いうのも、この世の中には物事の背景を考えられない人がたくさん、そりゃたくさんいるのだ。

イラストレーションを本腰入れてやっていた時、「描いてほしい~!」と言ってくる

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大袈裟すぎるぐらいのほうが

大袈裟すぎるぐらいのほうが

ニャムガリに帰ってきて、二週間くらい経った。

えぐい。

歓迎が。

その熱さ、戦火の最前線から生還したかの如し。

説明が面倒くさくて「ベリーシリアスな病気だった」としか言ってないため、多分日本で生死を彷徨ってたと思われてるのだろう。

おまけに、ルワンダで増えすぎた体重を日本で落としていったために幾分かスリムになり、その姿がますます心配を助長させるのであろう。

近所のおばあちゃんが、私の腕

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お前最近何してたん?

お前最近何してたん?

大変ご無沙汰しております。

いろーんなことがあり、やっと諸々決まったので、ご報告を。

実は、うつになっていた。

約二ヶ月前、ニャムガリで。
外に出ることができなくなった。

原因は、多分まあ、色々あるのだけれど。

それは、今回は省略するとして。

趣味の裁縫をすることも、お香を焚くことも、床に落ちたゴミを拾うことさえできなくなった。

18時を過ぎると襲ってくる、暗くて深い、地獄のような夜

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