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BROCKHAMPTONはいいぞ!vol.14 ライヴ予習(第5回)

こんにちは、フジロック配信のアメフトとデスキャブを観て心がすっかりエモっ子に戻ったナカジです。
しかしそうも言ってられません、BH来日までもう半月ちょいしかないんですよ奥さん!
しかも来月にはマジでBHのアルバムが出ます(ヘッダー画像はKevinのインスタストーリーより)。
というわけで今日も予習をがんばりましょう。

今日のピックアップ曲は4曲ですが、うち2曲は「歌詞を覚える必要がない曲」です。
その理由も併せて解説しますので、参考にしてください。

●HONEY(iridescense収録)

個人的に「iridescence」の中でも一番と言っていいくらい好きな曲。
この曲はKevinとDomが主役です。

冒頭の「My arms are always open, your fears always rollin'
In the deep, and you can't control it
What you want, what you want? Emotion?」は音源ではエフェクトをかけたKevinの声なんですが、ライヴ映像を確認してみるとDomもKevinもJobaも歌ってますね。
ここは合唱ポイントなので覚えておきましょう。
同じコーラスを2回繰り返しです。

続いてKevin単独のラップパート。
単語数とスピード的にはそこまで難しくないんですが、Nワードを含んでいるので合唱するなら気をつけた方がいいですね。

この後の「I could've been homeless
I thought I moved to orphanage for the summer」というコーラスはMerlynの声なんですが、ライヴ映像で観ると歌ってませんでした。
なのでここは覚えなくてもよさげ。

そして後半のDomラップですが、ここは正直真似しようがありません。
それくらいDomのスキルがバッキバキに光る部分なので、がんばって一緒にラップするよりもうDomのフロウに身を任せて気持ち良くなった方がいいと個人的に思います。
というか私の推しがカッコいいから刮目してくれ。

●BLEACH(SATURATION Ⅲ収録)

この曲は非常に歌いやすい&覚えやすいコーラスパートが満載です。
↑の動画でもわかる通り、冒頭のコーラスがもう大合唱です。
しかもメンバーは誰一人歌わず、合唱は観客に任されます。
なので「Who got the feelin'? Tell me why I cry when I feel it / Tell me why, tell me why」この1ラインだけは絶対覚えておきましょう。
日本のファンもちゃんと歌えるってところをメンバーにアピる最大の見せ場っすよ!

●WEIGHT(iridescense収録)

この曲は歌うポイントを考えるのが難しいなと思った曲です。
いくつかライヴ動画を確認したんですが、海外では丸ごと歌ってるファンも割といるようですね。

この曲はKevinの独白的なラップから始まりますが、その内容は極めてパーソナルかつシリアスです。
例えばAshlan(制作メンバー、カメラマンでBHの写真は彼の手によるもの)の自傷癖に触れていたり、まだ彼自身がゲイであるとはっきり自覚する前のガールフレンドとのセックスが上手くいかなかった体験について綴っています。
個人的にですが、彼のこの生々しい苦悩をライヴという場で合唱するのは私はちょっと違うかなと思っているので、ここは聴くに徹したいです。
もちろんこの歌詞に心から共感し、Kevinと一緒に歌って噛み締めたいという方がいればそれは個々の自由ですので、自己判断で。

その後のブリッジ「I don't wanna waste no more time / I'm ready to go / I put my life on standby / I can leave you alone」は1回だけ出てくるラインですが、ここは合唱になります。
内容的にも先述のような体験を経て前に進もうとする心情を歌っている部分で、一語一語ゆっくり発音されているので誰にでも歌いやすいですよ。

この後パートはJoba→Dom→Jobaと移っていきます。
私はBHで一番哲学的なリリックを書くのはDomだと思ってるんですけど、WEIGHTの歌詞はまさにそんな彼らしさが出てると思います。
ここでは母親の言葉を借りながら、「君のことをよく知りもしない他人に自分の人生を支配させるな」ということを綴っています。
Domの歌詞って家族がよく登場するし、子供の頃はお母さんの携帯に入ってたナップスター(懐かしい)で音楽を聴いていたそうなので、母親が彼に与えた影響は大きそう。
ちなみにDom母は息子のライヴでノリノリです。かわいい。

●JUNKY(SATURATION Ⅱ収録)

「JUNKY」も「STAR」同様サビが存在しないマイクリレー曲です。
予習用プレイリストを作った時はまだセットリストに入ってたんですが、2019年7月以降のセットリストを見るとフェスではほぼやってないですね。
もしかしたら新木場の単独ではやるかもですが、サマソニではプレイする確率は低いかなと思います。
この曲は合唱曲でもないので、歌詞は覚えなくてもいいでしょう。
全編ラップなので難易度高いですし。

↑の動画を見ると海外のファンは歌いまくってますが、アジアでこの曲で合唱を起こすことに私は抵抗があります。
それはKevin自身がファンが無邪気にこの曲を合唱することを望んでいないと発言しているからです。
Kevinはツイート消去の常習なので元ツイはすでに消されてしまってるんですが、彼は一度「もうJUNKYをライヴでプレイするのはやめようと思う、キッズがこの曲を合唱してるのを見たくない、だって自分は母親を愛してるから」というようなことを書いていました。

この曲にはKevinがゲイであることを母親にカムアウトしたものの、母親はその事実を受け入れようとしなかったという体験が綴られています。
「母親は息子がゲイだという事実を認めようとしなかった」というのはBHだけでなくKevinのソロにも度々出てくるテーマです。
そのことによって家族の一員だという自信を失ったKevinは実家を出て親戚の家からヒューストンの高校に通うことになったそうです。

しかし彼は母親のことを憎んでいるわけではなくて、そのことはKevinのソロ曲「Empty」や「Georgia」の歌詞からも読み取れます。
「JUNKY」は母親に自分のセクシャリティを認められなかった悔しさ・悲しさを基に書かれたリリックではありますが、そのことをキッズに自分と一緒になって大声で歌ってほしいかというとそれはNOということです。

しかも後半はアフリカ系でゲイという、マイノリティの二乗である彼の存在についても書かれています。
最後の方に出てくる「Faggot」という単語は日本語的には「オカマ」という意味で、ゲイ男性を侮辱する時に使われる差別語です。
「Nigga」という言葉とあわせて一生使わない方がいい言葉です。
そんな内容の歌詞をストレートのキッズや黒人以外のキッズも一緒になって歌っている、というのは実は脱退したAmeerも好ましく思っていないということを表明していました。
なので、もしこの曲がプレイされてもその時は歌わずにステージ上のパフォーマンスに集中するのがいいと思います。

合唱ポイント解説、残すところはあと6曲です。
3曲×2回に分けてなる早で上げられるようがんばりまーす。

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