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プッチンプリン問題の奥に、日本社会の本質課題を見た気がする

グリコのシステム障害により、プッチンプリンを含む多くの製品が出荷停止中です。システム統合の切り替えに伴い大規模なシステム障害が起きているようですが、個人的に真因は「自分ごと感の希薄化」にあるのではないかと考えています。当然ながらPJ成功には、全体責任者の関与、部門間の連携が重要ですが、そこが不十分でベンダー(SIer)任せだったのでは・・?学ぶべきことが多々ある今回のトラブルですが、まずはプッチンプリン問題の解決に向け、リカバリを頑張ってらっしゃる方々にエールを送ります!出荷再開が待ち遠しいですね!

1. プッチンプリンが食べられない

グリコのシステム障害の件、皆さまご存じでしょうか?
社内基幹システム新規導入で障害が発生し、4/19に出荷停止、5月中旬再開予定でしたが、6月以降(日程未定)にずれ込むそうです。プッチンプリンに限らず、パピコもポッキーもプリッツも・・・グリコ製品広範囲にわたって出荷停止中なのです(泣)。

2. システム障害原因とされているもの

何が起きているのでしょうか?
まずどういうシステムと導入かというと、「これまで生産・営業・会計など部門ごとで分かれていた古いシステムを統合型システムに置き換えるというもの」だそうです。どこの会社でもありそうな切り替えですよね。

当然システムユーザーはグリコですが、Sierがデロイトトーマツであること、SAPであることなどから、世論は原因を、
・SIer(システムインテグレータ)との仕事の仕方
・デロイトが外資であることから文化の差
・SAP難易度
といったあたりに求めているように見えます。ですが私は、真因は違うところにあると考えています。

グリコ・システム障害、なぜ出荷再開「未定」の異常事態が発生?デロイトの責任 | ビジネスジャーナル (biz-journal.jp)

3. システム障害の真因

個人的には、真因は 『大企業内部を侵食し続けている”自分ごと感の希薄化”』 にあるのではないかと考えています。 以前は『自分ごと感不足』 といえば若手故の経験値不足からくるもので、成長に従い意識改善されていくものでした。ですが昨今、多くの企業でこの『自分ごと感不足』が、経営層まで広がりつつあると感じている方は多いのではないでしょうか?

今回のように、部門間を跨る大規模なシステム統合を成功させるには、「全体責任者、および各部門責任者が自分ごととして関与し、PJ成功するうよう導く」ことは必須です。

今回、ここが実質的にSkipされ、「SIerと窓口部門に、最初から最後まで一任」になっていたのではないでしょうか?ベンダからの「システム統合のメリット、SIe実績、ユーザー負担小」といったプレゼンを自分に都合よく解釈していたのでは・・・。

当たり前ですが、システム構築に際し、その具体的な仕様/検証計画/コンテンジェンシープランの妥当性判断は、社内現場にしかできません。自分ごととして捉えていたらここは確実に抑えるよう、信頼できる人物・部門に指示を出しますし、逆にここさえ抑えられていれば、コミュニケーションエラーによる開発長期化はあれど、リリース後にここまでの大問題となることは防げたはずだと考えます。

4. グリコ頑張って!

トラブル発生時に困るのは結局は現場です。おそらく今、グリコ内でトラブル解決をリードされている方々は、立場関係なく、火中の栗を拾う勇気を持った、自分ごと意識の高い方たちが中心になっているのではないかと想像し、敬意を表します。

今回の問題が、社内およ日本社会の学びになっていくとよいのですが・・。経営層レベルで自分ごと感が希薄になっている現状、そこにどう向き合っていくかについては、別途書いてみようと思います。

まずは、プッチンプリン問題の解決に向けて、現場で踏ん張っている皆様に、心からエールを送ります!体調に気を付けてと言われてもという状況かもしれませんが、出荷再開したらグリコ製品たくさん食べますね!

読んで頂き、ありがとうございました。

Yuri Masumi

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