由良知子

大学で学び始めてから中国語に携わって40年。 中国に3年間滞在経験あり。 1989年に…

由良知子

大学で学び始めてから中国語に携わって40年。 中国に3年間滞在経験あり。 1989年に全国通訳案内士、中国語検定1級に合格した後、中国語の通訳ガイド、法廷通訳、翻訳などに従事してきました。

マガジン

  • インバウンド最前線の現場から

    • 53本

    日本のことを海外に伝えるお仕事をしているわたしたちは、現役の通訳ガイドです。 インバウンドの現場の最前線で、誰よりも外国人の近くにいるわたしたち。 現場で実践してきたこと、見たり聞いたりして、肌感でインバウンドを理解しているプレーヤーから、現場でガンバル皆さんへお届けしたい情報など、ゆっくりゆったり書いて行けたらと思います。

最近の記事

10月から個人旅行客の入国を解禁

「現在1日あたり5万人としている入国者数の上限を来月10月11日から撤廃し、個人旅行客の入国を解禁する」と、岸田首相が昨日表明しました。これにより水際対策が感染拡大前に近づき、インバウンドの中心である個人旅行者の増加が期待されます。 現状日本政府観光局によりますと、先月の8月、中国からの入国者は12300人、台湾からは5000人、香港からは1300人、シンガポールからは1800人でした。その内訳はビジネス関係や技能実習生、留学生が中心で、観光業復活の起爆剤と期待される外国人

    • 9月7日から入国5万人へ

      新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、9月7日から1日当たりの入国者数の上限が5万人に引き上げられることになりました。インバウンドの回復を期待する関係者にとって、嬉しいニュースです。 中国では2020年1月末、出入国者は健康申告カードの記入で健康状態の申告を行うという制度が始まりました。PCR検査情報、新型コロナの感染歴、ワクチン接種日などの申告も求めてられていました。 しかし、2022年8月31日から新しい出入国健康申告カードになり、申告が簡素化されました。 それなら

      • 中国、2022年ゴールデンウイークの旅行動向

        日本ではコロナ下で迎える3回目のゴールデンウィークでした。過去2年と違い、「緊急事態宣言」や「まん延防止措置」が出されず、各地で賑わいが見られました。 中国では、上海は今なおロックダウンで、北京では地下鉄や市バスが停まっているところもあります。 しかしながら中国のCtrip(オンライン旅行会社)がまとめたレポートによりますと、全体的に見ると、今年の連休期間に旅行に行った人は、2020年、2021年の同時期と比較して大幅に増加し、特徴としては「近場」「ご当地化」で、キャンプ、

        • お客さまに突然異変!

          食事は旅の大きな楽しみの一つです。せっかく出てきたご馳走をアレルギーや宗教上の理由で食べられないのは本当に残念なので、事前にできるだけお尋ねするようにしています。今回は「お客さま」に突然異変が!人命にかかわる一大事!の事例を紹介します。 今から8年ほど前のことです。 台湾の経済新聞の記者5名のグループにアテンドしました。 ある有名な家電メーカーの大阪本社で今後の経営方針などを聞いた後、車で移動してテレビ液晶製造工場に見学に行き、そしてお昼ご飯です。会社が手配した地元で有名な

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        記事

          消えたお客さま

          通訳案内士の仕事をしているとアクシデントやトラブルに遭遇することもあります。今回は「お客さま」が突然消えてビックリ!警察沙汰かとオロオロ!の事例を紹介します。 今から約10年前のことです。 中国絵画、墨絵や書道の先生15人の文化交流団が来られました。 京都での行事や観光を終え、京都から名古屋へ新幹線で移動の時の話です。 ホテルから京都駅までのバスの中で、新幹線の発車時刻と何号車に乗るのかを伝え、指定席だったので、スムーズに着席できるようにと、「1-A」などと座席番号を書い

          消えたお客さま

          中国最大のオンラインショッピングモール「タオバオ」がシニアモード導入

          中国の11月11日は、「1」が並ぶことから「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれる「独身の日」。各大手ECサイトが一斉に大規模な販促イベントを行う「11月11日ショッピングカーニバル」としてここ数年定着しています。昨年のこのカーニバル期間、アリババグループの取引額は4982億元(当時のレートで、7兆9213億8千万円)に上ったそうです。 新浪ニュースによりますと、10月12日、中国最大のオンラインショッピングモール「タオバオ」が、今年のショッピングカーニバルを前に最新バージョン

          中国最大のオンラインショッピングモール「タオバオ」がシニアモード導入

          中国の連休、どこへ行く?

          間もなく中国では、連休の時期がやってきます。 先ず「中秋節」。中秋節は旧暦の8月15日で、新暦にすると今年の中秋節は9月21日になります。中秋節はその前後の3連休です。そして、10月1日の「国慶節」は、中国の建国記念日で、連休期間は7日間です。 このように今年は中秋節の国慶節の2つの祝日が近く、まとまった休みがとりやすいことや、そしてまだ海外旅行は難しい現状もあり、国内旅行がこの連休に大幅に増加すると見られています。 行先で、注目されているのは、やはり 9月20日にオー

          中国の連休、どこへ行く?

          無念の東京五輪

          東京五輪、開幕式に先立ち、競技開始 東京五輪は今夜、開幕式です。7月21日午前、開幕式に先立ち、競技が始まりました。新型コロナウイルス感染防止のため、競技会場がある9都道県のうち、東京、埼玉、千葉、神奈川、福島、北海道の6都道県は無観客での開催となりました。東京都に発令された4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言(8月22日まで)が、疲弊した観光業界にさらに追い打ちをかけています。 「コロナに打ち勝った証として、東京五輪を開催する」とのかつての政府の宣言は、残念ながら

          無念の東京五輪

          旅行予約サイトの中国版「ガチャガチャ」人気爆裂

          中国語圏からの観光客で、特に若い年代には日本の「ガチャガチャ」、「ガチャポン」が人気です。何がでるのか、 開けてみるまで中身がわからない「ワクワク感」は万国共通のようです。 販売機は、コインしか受け付けません。小銭のないお客様に、「お札をくずせない?」と聞かれることもあり、「はい、大金はありませんが、小金はありますよ」と笑いながら、両替をします。 日本の「ガチャガチャ」は、普通フィギアやキーホルダーなどですが、先月、中国人向けの旅行予約サイト、シートリップは、この「ガチャガ

          旅行予約サイトの中国版「ガチャガチャ」人気爆裂

          言葉の誤解や勘違いの事例

          新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種が本格化し、国内での接種が6月9日時点で2000万回を超えたというニュースを見て、コロナ終息に少しずつ近づいていると信じてやみません。 コロナ終息後の来たるべき外国人観光客の訪日再開を見据え、やはり、現場においてお客様と接する際の対応力を強化することが大切です。訪日外国人の感情表現や価値観、発想の違いなどを前もって知っておいて、円滑なコミュニケーションがとれるように具体的に準備したいものです。 この観点から、言葉の誤解や勘違いの事

          言葉の誤解や勘違いの事例

          長いトンネルを抜けた後、これには気を付けてトラブル回避

          ニュース報道によりますと、ヨーロッパではギリシャとイタリアが新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた旅行者などに対して入国後の隔離措置を撤廃する方針を示し、外国からの観光客の受け入れを再開する動きが広がっています。 ギリシャは5月14日からEU加えて、イギリスやアメリカなど合わせて53か国からの旅行者に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた証明かPCR検査での陰性証明を提示することを条件に、入国後の10日間の隔離措置を撤廃しました。 また、イタリアも5月16日から

          長いトンネルを抜けた後、これには気を付けてトラブル回避

          発音により生じる誤解を回避

          私は、今まで約30年間、中国語のガイド、通訳、翻訳に従事してきました。仕事柄、国内外のいろいろな所に行ったり、様々な人と出会う機会が多く、それはたいへん貴重な経験になっています。近年はその経験を活かしてインバウンドの受け入れ側のノウハウをお伝えしています。 習慣の違いや価値観の違いから生じる行き違いやトラブルで不愉快な想いをするのは、お客様にとっても受け入れ側にとっても避けたいものです。 実際の例:言葉の発音により生じる誤解 ある時、中国人女性に頼まれて一緒に百貨店に洋服

          発音により生じる誤解を回避

          満足度UPおまけのサービス

          新型コロナウイルス陽性者数がまたもや増加傾向で、インバウンドの回復は依然として、まだ先は見通せませんが、今できることとして今日はソフト面を考えていきたいと思います。 ハード面はいわゆるメニューや注意書きの外国語表示など実際に行うこととするならば、ソフト面はすなわち精神面や意識改革で、最も根本になることなので、先ずそこから考えていきます。 「満足」とはビジネス全般に言えることですが、私たち通訳案内士にとって一番大切なのは、お客様に「満足」してもらう事だと私は思います。お客様

          満足度UPおまけのサービス

          インバウンド対策に通訳ガイドのノウハウを

          状況は一喜一憂ワクチンの接種が始まった等の明るい要素もあり、観光地にも少しづつ人が戻りつつあります。しかし一方で、3月9日の報道によると東京オリンピック・パラリンピックで、海外からの一般客の受け入れを断念とのことで、五輪で海外観客が来てくれれば、新型コロナウイルスで激減したインバウンド(訪日外国人観光客)回復のきっかけになるとの思いも虚しく、状況はまさに一喜一憂です。 インバウンドの回復にはまだ時間がかかりそうです。しかし、インバウンドは必ず回復します。「いつ回復するか分か

          インバウンド対策に通訳ガイドのノウハウを

          アフターコロナ、インバウンドビジネスチャンスの「大波」に乗り遅れない

          私は1989年から中国語の通訳案内士、いわゆる中国語を使って観光のガイドをする仕事を始め、今年で32年目になります。この間、世界の社会情勢が変わり、中華圏からのお客様にも大きな変化が見られました。例えば90年代は中国本土から日本に来られる方は仕事の合間に観光というのがほとんどで、2000年になって日本政府は中国人団体観光客へのビザ発給を開始し、その後個人観光客にも広がり、そして2010年にそのビザの発給要件が緩和され、訪日観光客が一気に増えてきました。このまま増え続けると思い

          アフターコロナ、インバウンドビジネスチャンスの「大波」に乗り遅れない