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スカート8枚を重ねばき

 今まで様々な国を旅してきたが、残念ながらどの国もある程度欧米化されていて、人々の服装は皆日本と大して変わらなかった。ボリビアを除いて。

 先進国だろうと発展途上国だろうと大量生産の安い服が一番大衆受けするのだろう。どこの国でも、よくある面白みのない格好で皆生活していた。各国に民族衣装、伝統的な服はあっても日本の着物と同様、日常的には着られなくなっていた。だから、ボリビアを訪れた時の驚きは大きかった。
 首都ラパスに住む人々の中に今も民族衣装で生活する人々がいた。

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 すり鉢状の地形のラパスの中心部のビジネス街は、どこの国でも見かける服装の人が大半だったが、すり鉢の縁を登っていくにつれ、民族衣装率が高くなっていった。
 浅黒い肌の人々。女性は黒々と長く伸ばした髪を左右に分けて三つ編みのおさげにして垂らしている。頭には小さめの帽子。直径が小さめで高さがあるので、かぶっているというより乗せている感じ。皆揃ってずんぐりとした体型で、肩には大判の三角形のショールをかけ、南米らしいカラフルな、ボーダー状に柄が連なった布地を風呂敷のように扱い、荷物を入れて背中に背負っている。下半身はかなりボリュームのある柄スカートでお椀を逆さにしたかのようなシルエット。そういう体型なのかと思っていたら、実はスカート8枚を重ねばきするものなのだそう!8枚に何の意味があるのかまで聞かなかったが、ボリビアの気候に関係するのかと想像する。

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 ボリビアは標高が高い。首都ラパスは標高4000mにもなる。富士山より高いのだから、もちろんとても寒い。分厚い布1枚より薄い布を何枚も重ねた方が間に空気が入るので暖かい。窓辺に置いていたので色褪せてしまったが、写真の置物のようなアルパカが生息している国。アルパカの毛も暖かかろうが、きっと日常使いできるほどには取れないのだろう。そうすると、薄手の布8枚重ねにも納得がいく。

 中の7枚はどんな柄で隠れたお洒落ををしているのか、とても気になった。

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