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NOW ON AIR!!

2016年に、ぼくが創作テレビドラマ大賞(NHK)で受賞させていただいた脚本『HEART NOW ON AIR』のタイトルは、赤い公園の楽曲「NOW ON AIR」からいただいた。

どんなにしんどくても、夢や希望から遠くても。<東京の街のど真ん中 ひとりぼっちで NOW ON AIR>という歌詞の、それでもきっとこの夜に向かって、誰かに向かって、きっと自分は何かの電波を飛ばし続けているんだ、という景色は、東京で一人暮らしを始めて順調に鬱が進行していったときの、僕自身によく重なり、励まされた。つんざくような大音量の音楽、パワフルな歌声、そして自信満々にカメラに向かって微笑む女の子たちのMVも、すごくすごく好きだった。あんなふうにありたいと思った。

ひとりぼっちでも、死にそうになっても、目を閉じて耳を澄ませれば、ラジオからは「あの声」が聞こえてくる。それを「幼い日に聴いたラジオの朗読番組」に重ねたのが『HEART NOW ON AIR』。自分が助かるためには書き上がらなければいけなかったシナリオだった。ぼくが生涯生み出せた中でも一番気に入っている、大切な物語。心の中の孤独の暴風雨を、音楽に変えられる魔法のフレーズ、「HEART NOW ON AIR」。レディオ!冴えない今日に飛ばしてくれ!日本中の耳にむけて!

フジファブリックの志村正彦も、そういえば29歳だった(死因は「不詳」だけど)。もう11年前になるんだな。あの時以来の衝撃として、日本ロック界にも記録されていくだろう。でもまぁ、音楽家は別にいいのだ。残した音楽は永遠に鳴り止まないから。

合掌。

<いつもありがと/この先もずっと/二人の電波/たぐり寄せて>


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