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京都【泰山タイルめぐり】喫茶築地編③

話を喫茶築地の乱張りタイルに戻します。 喫茶築地の乱張りタイルは、どのような経緯で誰により張られたのでしょうか? 喫茶築地が店主自らによる設計であることを知った僕は、当初、一つの仮説を立てました。「店主が集めたタイルを、自ら日曜大工的なDIYで張ったのではないか。」 この説、全くの見当違いでした。 そもそも泰山タイルをはじめとした美術タイルは、建物の室内空間を彩ることを想定して考案されたもの。今でこそ煌びやかなライトやネオンなどがありますが、大正から昭和初期にはまだあ

    • 京都【泰山タイルめぐり】喫茶築地編②

      「泰山タイル=乱張り」と言うイメージがあるほど、その印象は強いと思います。 そもそも乱張りとなんなのか。泰山製陶所で勤めた職人の記録にこんな逸話があります。「とある邸宅で目にした造園家の石組みがあまりにも見事だった。聞けば御影石の方形乱張りと言うらしい。」 つまり、泰山製陶所の乱張り技術は造園技術から発想を得たもの。方形乱張りを調べると、石組み技術としては一般的なものであることも判ります。 泰山タイルの乱張りが語られる際、必ず言われることがある。「余った端材タイルや釉薬

      • 京都【泰山タイルめぐり】喫茶築地編①

        京都で作られた美術タイル「泰山タイル」。その魅力を少しずつ発信していきたいと思います。 そもそも泰山タイルとはなんなのか。大正から昭和にかけ、京都市下京区(昭和30年以降は南区)東九条の泰山製陶所(たいざんせいとうしょ)にて作られた美術タイル。正式名称を「泰山式タイル」といいます。池田泰山さんによって作られました。 美術タイルは、建物を彩る為に作られたタイル。衛生面を重視した一般的なタイルとは違い、建物を装飾することを最優先に考え、デザイン、サイズ、色、手触りなどがプロダ

        • noteはじめました

          情報発信ってなんだろう。 いつものことだけど、まずはそこから。 好き、楽しい、人に伝えたいことをnoteで書いていきます。 机上の空論は書きません。事実だけを書いていきます。よろしくお願いします。 【自己紹介】 柏原卓之(かしはらたくゆき) 地域振興に関する企画提案を中心に、プランニングデザイナーとして活動。街歩きグルメツーリズムを年間100企画以上プロデュース。 グルメ関連のテレビや雑誌の企画協力、リサーチャーとしても活動。 京都産美術タイル「泰山タイル」愛好家

        京都【泰山タイルめぐり】喫茶築地編③