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サスティナブルってやたら聞くけど、それって本当に持続可能?

ここ数年のうちにやたらとサスティナブル、持続可能、環境に優しいですよ〜と謳っている企業が急に増えていると思いませんか?私はそのことにとても違和感を感じています。しかも急すぎるほどの方向転換をする企業に頭が混乱する時さえあるくらい…
一番驚いたのはファストファッションで有名なH&Mが急にサスティナブルを謳い始めた事…初めてその広告を見たとき、『いやいや…それ無理ありすぎるでしょ!』と苦笑いしながら一人で突っ込んでしまいました。

みなさんはグリーンウォッシングという言葉を聞いたことありますか?私は最近まで知りませんでした。環境問題の記事を読んでいたいた時に初めてそのワードと出会い、調べていくうちになぜサスティナブルをアピールする企業が増えているのかという謎が解けました。

グリーンウォッシング                        環境配慮をしているように装いごまかすこと、上辺だけの欺瞞(ぎまん)的な環境訴求を表す。 (Wikipedia)

『サスティナブルと書いてる商品を買っておけば物を新しく購入する罪悪感から逃れられるし、なんだか安心する』という消費者の心理的なところをついて消費を促す、結局お金が欲しいだけの企業の戦略。言ってしまえば詐欺ですね…笑

世界にはお金のために手段を選ばない、ヤクザみたいな企業が沢山いるという事を教えてくれたのがこの映画でした。

『グリーン・ライ ~エコの嘘~』

自然を我が物の様に壊し汚し、その土地に住んでいた先住民のことを透明人間かの様に扱う惨すぎる企業の実態が暴かれていて、正直目を疑う様なシーンやインタビューばかりでした。その事例の一つがパーム油の問題でした。

ちょっと脱線してしまうかもですが、パーム油と言われて、ふと思い出したのがヤシノミ洗剤。

まだまだ環境問題に疎かった20代、手荒れに悩んでいて食器用洗剤を変えたいけどどれにしたらいいんだろう…とドラッグストアに陳列されている沢山の洗剤の中から、デザインがヤシの木で可愛いな〜という理由で手に取ったのがヤシノミ洗剤でした。商品にはシール状のパッケージがついていて、オラウータンの写真とともに環境保護についての文言が書いあって…洗剤なのに熱帯雨林保護ってどいうことなんだろう…『持続可能なパーム油の生産を支援しています』って書いてあるこのマークはなんだろう…と疑問をもったまま詳しく調べていなかったことも思い出しました。

植物性洗浄成分で、無香料・無着色だから肌にも環境にも優しいって書いてあるし…他の洗剤を買うよりかは自然環境を保護するために良い事をしている洗剤を買おうかな…と良く調べもせずただなんとなく良さそうだな〜という印象だけで使用していました。でも実際、使っていても手荒れはちっとも改善されず荒れていく一方で(もちろん個人差はあると思います…)、自然由来って書いてあるのになんでだろう…と、とても不自然に感じていました。当時は裏面に記載されている成分をよく見るという習慣がなかったので(今考えるととても怖い…)気がつかなかったのですが、この洗剤には合成界面活性剤であるアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムが使用されているのだから手荒れが良くなるはずがないんですよね…

ヤシノミ洗剤がグリーンウォッシングをしているとまでは言いませんが、環境に良い事をしていると言っておきながら、合成界面活性剤を使っているだなんてなんだかちょっとだまされた気分になったという体験でした(あくまで一個人の意見です)。RSPO(後で説明しますね)への加盟や環境問題解決に向けて取り組みをしている姿勢はとても良いと思うのですが…

100%オーガニック、エコフレンドリー、無添加などと謳われていたりしている商品の成分表示をよく見ると矛盾が生じていたり、不明瞭だったり、曖昧だったりというのは良くある事の様に思います。

不明瞭という一例として挙げられるのがこのパーム油です。実は、スーパーで売られている食品にこの表示が無いものは無いのではないかと思うくらい記載されているのが『植物油脂』、これ実はパーム油のことだったのです!

確かに何度も植物油脂という表示を見てきたけど、特に疑問に思わず「植物ってかいてあるしまあ体に悪いものではないのかな…」ぐらいの認識。これがパーム油だということを、恥ずかしながらこの映画を見て知りました。

問題なのはパーム油自体ではなく、その生産方法に問題があります。先ほどの映画グリーンライによると…お金が欲しい企業はもっともっとパーム油を売りたい!だからアブラヤシを植林したい!!けどもう植林するスペースがない!!!そこで企業が行った事は…

スペースが無いなら原生林を自然火災と装って燃やしちゃえばいいじゃん!そしたらそこにアブラヤシ植林できるじゃん!!

焼き払われた原生林をスクリーンで見ると、その悲惨さがよりリアルに伝わってきました。一度壊した森は二度と蘇らせる事は出来ない…自分達の欲求を満たすため、ただそれだけのために数えきれないほどの命を殺す…悲しくて映画を見ながら涙が出そうになりました。森林火災(放火)は命を殺しただけでなく、火災で発生する煙によってそこの島に住む住人が重たいぜんそくを患ったり、人々の健康を脅かしています。


持続可能なパーム油の生産を守る為に…と作られたRSPO(先ほどのマーク)、実際のところは監査が甘く、直近に起きた森林火災についてもRSPOに加盟していた企業も加担していたんだとか。。

RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)            環境への影響に配慮した持続可能なパーム油を求める世界的な声の高まりに応え、WWFを含む7つの関係団体が中心となり2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議:Roundtable on Sustainable Palm Oil(RSPO)」が設立されました。その目的は世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー(関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することにあります。


もうRSPOのマークだけでは、その企業が本当に優良なのかどうかは分からなくなっているというのが現状みたいです。じゃあどうしたらいいのか…

自分の中で出した結論はこれです。

自分が購入する物に興味を持つ事!

非常にシンプルです。

食べ物なら裏面に記載されている食材表示を見ること。

洗剤やシャンプー、化粧品、歯磨き粉などの成分表示も見ること。

余裕があるなら、その商材を作っている企業理念を見ること。

植物油脂という表記は知っていたのに、それをきちんと調べなかったこと事体、無関心だった良い証拠だと思います。だからこの映画を見るまで植物油脂=パーム油だということを知ることが出来なかった…

これを知ってから、どの食品に植物油脂が使われているのか、買い物しているときに意識して表示を見るようになりました。間違いなく言える事は、加工品には絶対と言っていいほど使われています。安いスナック菓子、安いチョコレート、カップラーメン、アイスクリームなどなど…植物油脂が使われている食品はそれと同時に添加物も多く使われている場合が多く、体に悪いものが多い様に感じます。

子どもが産まれてから添加物が気になり加入した『生活クラブ』の消費材には、きちんと米油やなたね油、ごま油など何の油が使われているかきちんと表示されていて安心しました。

物でも食べ物でも『安いから!』という理由だけで何も考えず消費を続ける裏には、低価格で売る為の黒い動きが必ずといっていいほど、起こっていると思います。なぜこの価格なのか…この物を作る過程に環境や人に対して不平等な事が起きていないかどうか、きちんと調べてから購入する責任が消費者の私たちにあると改めてこの映画を見て思いました。

最近は、「衝動買い」をしないように心がけるようにしています。以前は何か足りないものがあればすぐに100均に行かなきゃ!!という衝動に駆られていました。でも100均の商品ってすぐ壊れるものが多い…特にプラスティック製品はすぐ壊れる。そしてその欲しい物というものは本当に欲しい物なのか、自問自答をしています。衝動買いしようとしているものは、たいがい家中を探し回れば代替品があるものです。食べ物なら材料を買って作ればいい。
便利さにかまけて、自分の身の回りのことしか考えていなかったことを反省し改める良いきっかけを作ってくれた映画でした。

まだまだ、勉強しなくてはいけないこと、実行しなくてはいけないことが山積みですが、無理せず自分のペースで環境に配慮した生活をゆる〜く目指していきたいです。

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