見出し画像

\祝・北陸新幹線延伸/「ストーンパフェ」に小松の石の物語を詰め込む

北陸新幹線小松駅開業!

2024年3月16日、北陸新幹線の金沢-敦賀駅間が開通した訳ですが、停車駅となった小松駅でも開業お祝いイベントが開催されました。

そこに私も呼んでいただき、小松市の歴史や文化をテーマにしたお菓子作りワークショップの講師として協力させていただきました。

いろいろなステージが。
クールポコさんは赤と白で、
存在そのものがめでたかったです。
わたしの担当は3/17の「石のお菓子づくりワークショップ」

石と小松は切っても切り離せない

まずは小松市の弥生土器のかけらと、小松市が誇る重要な石材をお菓子にして展示。この「石」が今回のキーワードです。

左上から花坂陶石チーズケーキ、チョコクランチ流紋岩、抹茶チョコ碧玉。

実は小松市って様々な石材の産出地として有名で、特に弥生時代以降は全国に誇るものが様々にここから流通しているんです。

小松市は日本遺産「珠玉と歩む物語」が登録されています。

詳しくは、パンフレットにわかりやすく楽しくまとめられているので見てみてください。
コチラ

ちなみに、あの建設機械で有名な「小松製作所(コマツ)」も、もともと小松市にあった遊泉寺銅山の鉱山機械の製造がきっかけとなって生まれた企業です。

弥生時代は小松の石文化の原点

そして、わたしの持ち場はこちら。↓↓↓
なんと、弥生時代の土器や石製品に囲まれた、考古学×パブリックスペースです!

キューブを基調としたおしゃれな展示。
外からもこんな風に見えます。

Komatsu 九(ナイン)」という、小松駅から直結した観光交流施設の一角にあるギャラリーで、イベントや展示を通して、主に小松の石文化を発信していくためのスペースなのだそうです。

弥生土器がいっぱい!!
小松式土器という弥生土器のシルエットを
九谷焼と組み合わせた「クロスケ」というプロダクトも。

なんでここで弥生時代?というと、小松駅周辺には八日市地方遺跡というめちゃめちゃ大きな弥生時代の集落があって、そこで行われていた玉作り技術が当時の日本の中でも突出しているからです。小松の石の文化の原点が八日市地方遺跡にある!という理由です。

この細長いパーツが「管玉」といいますが、
碧玉(碧玉)を加工して小松の弥生人が作っていたものです。
出典:日本遺産ポータルサイト

小松の石と人の文化は弥生時代に始まり、2300年の物語があるのです。(縄文、旧石器時代にも石材加工はありますが全国で突出した技術でという意味で。)

パフェ作りで小松と石の物語をたどる。

そこで、物語をお菓子で伝えるのに最適なものはなんだろう?と考えて、「パフェ」作りを企画しました。

パフェは、いわば地層と同じなので、作りながら時間旅行をすることができます。

当日つかったアナログスライド
(要するに紙芝居)

まず、弥生時代の層は、巻きチョコに抹茶パウダーをまぶした管玉チョコ。石材そのものは、色を少し調整した抹茶チョコのかけらです。

抹茶チョコの碧玉石材と管玉

続いて江戸時代の層は、九谷焼の陶土の原料になっている花坂陶石(はなさかとうせき)。九谷焼の始まりは、江戸時代の「古九谷」に始まります。これはチーズケーキをちぎって粉糖をまぶしました。

おいしそうなにおいのする花坂陶石

そのあと、近代の層には国会議事堂にも使われている観音下石(かながそいし)。これはスポンジをナイフで切り出してパフェに構築しました。そして、最上層は現在。直前に急いで準備した特製新幹線クッキー。飾りました。

できあがり。
細かくしたパフは、花坂陶石をくだいた九谷焼の陶土を表しています。

持ち歩きを想定して、生クリームやアイスは使わず、常温の材料のみ。また体験時間を考慮して、ほとんどは既製品のお菓子の加工としました。

でも、巻きチョコに抹茶をまぶしてみたり、各層のお菓子加工はみんなでやりました!

イベント風景。
一日のうちに4回行いました。

お菓子でルーツと今をつなぐ

内容を企画する前は、わたしは小松の石文化について深く知らなかったのですが、パフェのデザインを通して、小松がいろいろな石材の産出地であり、時代を通してそれが人の文化と密に関わってきたということを実感しました。

まさに、自然と人のわかちがたい関係性。
生物文化多様性。

コツコツコツコツ積み上げられてきた文化。

石だけに。

今回、扱えなかった時代や石材ももっとたくさんあったのですが、体験時間や伝えられるボリュームの関係でご紹介できず、残念でした。

小松の石文化2300年の即席イラスト

パフェは、時間軸の一連性をもったお菓子です。
パフェ作り体験を通して、小松の深い石文化を感じていただけたなら幸いです。

-----
最後に、能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。石川県の復興をお祈りしつつ、また別の機会にぜひ訪問させていただきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?