おでん食べ過ぎ事件の話
おじいちゃんの「食べること」についての話は、本当にたくさんのエピソードがある。
まずは「食べる量」である。私たちは、一緒に暮らすようになってまず驚いたのが「うちのおじいちゃんは、めちゃくちゃ大食いである」という事だった!
昔、まだ私が小さかった頃……私自身の記憶には残っていないのだから、相当昔のことだと思うのだが、我が家に遊びにきたおじいちゃんに、母がおでんを振る舞ったそうだ。おじいちゃんはそれを「美味しい。美味しい。」と言って、物凄く、尋常じゃない量を食べたらしい。父も母もびっくりして、そして心配になって……
その夜、やっぱり苦しみ出したらしい。もう救急車を呼ぼうかという状態で、父が車を走らせ救急センターまで行ったという。おじいちゃんは「心臓が苦しい」と病院で訴えたらしいが、結果は「ただの食べ過ぎ!!」。本当に何も無くて良かったが、きっと両親は本当に焦ったであろう。残念ながら、私と弟にはその記憶が全くない。
でも後日、その騒ぎのお陰で胆石が見つかったらしい。夜中の急変とは全く関係が無かったらしいのだが、検査で、病気を見つけるきっかけになったことだけは良かったことだと思っている。
話はだいぶ逸れてしまったが、おじいちゃんはとにかく「ものすごく良く食べる人」なのだ。
それが、父(おじいちゃんの息子)が亡くなってからは、食事の量がだいぶ減ってしまったらしい。当時一緒に住んでいた叔母(おじいちゃんの娘)からはそう聞いていた。
それが数年前の話…「おじいちゃんも息子に先立たれてはショックが大きかったのだろうな。そして娘まで逝ってしまっては…」と思って大層心配して我が家に迎えたのだが……
あれ?全然話と違う……
初日こそ、多少緊張していたこともあり、少なめの食事だったかもしれない。だが、この新生活も半年が過ぎれば、大好物のギョーザを17個も食べるスーパーおじいちゃんになっていたのだった!!
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